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2017/02/03


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【難民政策の欺瞞】ドイツにハシゴを外され、欧州の片隅で凍え死ぬ難民たち 偉大なる人道主義者はいま何を思う

 source : 2017.02.03 川口マーン惠美「シュトゥットガルト通信」 (クリックで開閉)





■欧州全土を襲った大寒波

今年のドイツは、寒気、大雪、強風と三拍子揃った過酷な冬となった。

北極圏の冷たい空気は、通常ならば一旦ノルウェー海あたりに出て、少し温度を上げるのだそうだが、今回は海上を経由しないまま、直接ヨーロッパ大陸に流れ込んだ。

その影響で、ロシアや北欧だけでなく、中・東・南欧、バルカン半島、そしてアフリア北部までが、すっぽりと大寒気に包み込まれた。しかも、その極端な寒さが、3週間ものあいだ居座ったのである。




1月4日には、ヨーロッパのハブ空港の一つであるイスタンブール空港が吹雪で閉鎖された。12日からは、ヨーロッパの広範囲を猛烈な吹雪が襲い、各地で大きな被害を出した。

最低気温はノルウェーのマイナス42.4度、チェコのマイナス35.2度、バルカン半島はセルビアのマイナス33度など。一番極端だったのは、1月7日のアルバニア南部Bulquzaのマイナス22度。この地方の通常の1月の平均気温は1−2度だ。今年の記録は歴史的なものになるだろう。

ドイツでもマイナス30度台を計測した。私の住むシュトゥットガルトも、昼間もずっと零下が続いた。




ドイツでの一番の問題は道路の凍結だった。条件によっては、道路は一瞬のうちに薄い氷の膜で覆われ、スケートリンクのようにツルツルになる。大気の湿り具合などから、凍結はかなりの確率で予報できるため、車には乗るなという警告がたびたび出されたが、それでも事故は起きた。

もちろん歩行者の転倒も相次いだ。ひどい時には、警察は数分おきに出動要請を受けたというが、ニュースの映像では、その警官も事故現場でツルツル滑って四苦八苦していた。

ただ、ロシアやスカンジナビアやドイツがいくら寒くなろうとも、人々は長年の勘があるのでそれほど悲惨なことにはならない。しかし、普段なら真冬でも平均気温がプラスの地域が、突然、冷凍庫と化せば話は別だ。ホームレスの人々だけでなく、屋内でも凍死する者が出てくる。

一番気の毒なのは、バルカン半島のあちこちで足止めを食らっている難民たちだった。

■メルケル首相の胸の内




ドイツは2015年、89万人もの難民希望者を受け入れた。しかし2016年になってから、それらの難民の通り道となっていたバルカン半島の国々が、次々と国境を封鎖してしまった。

つまり、途中まで来たものの先に進めず、あちこちに簡易テントを張って野宿している見捨てられた難民が、今もかなりいる。そこに大寒波が襲い、事態は極めて危険な水域に達した。

1月20日、EUの機関である欧州基本権機関(本部ウィーン)はそれについて、「特に困難なのはセルビア・ハンガリー国境と、ブルガリアの状況」と訴えた。いうまでもなく、国境地帯は何もない荒野のような場所だ。気温は一時マイナス20度まで下がり、すでに半数は動けなくなっているという。

一方、ブルガリアは12月だけで440人のも新規到着者がいたが、皆、まともな防寒の用意もなく、やはり凍死者が出たり、凍傷などの疾病が急増しているという。

また、国連のUNHCR(難民高等弁務官事務所)によれば、現在セルビアにも、EU国境(ハンガリーの国境)を越えようとしている難民が少なくとも7200人おり、やはり凍えている。

とはいえ私たちは、何もEUやら国連に言われなくても、難民が悲惨な状況に陥っていることは容易に想像できる。しかし、おかしいのは、そういう報道がドイツではほとんどないことだ。

NGOが懸命に、乾いた衣類と暖かいスープなどを支給している様子がちらりとニュースで流れたきりで、あとはトランプ批判やら、この秋の総選挙を視野に入れた各党の大言壮語を聞かされるばかりだ。

1月27日は、アウシュビッツがソ連軍によって解放された「ホロコースト記念日」で、連邦議会に生き残りの犠牲者を招いて式典が催されたが、政治家たちが、今、ヨーロッパの一角で大勢の凍死者が出ている状況を一切無視しているのは、どういうことだろう。凍死者の実数は、発表とは裏腹に、かなりの数に上るのではないか。




2015年9月、メルケル首相が、ハンガリーで行き止まってしまっていた難民を受け入れることを決めたとき、ブダペスト駅周辺は確かに、野宿する難民で収拾のつかない状況になっていた。しかし、あれはハンガリーの首都で起こっていたことで、しかも真夏だった。誰も飢えたり、凍えたりしていたわけではない。

それでもメルケル首相は全員を受け入れると頑張った。受け入れ数に上限を作ったなら、「それを越えた一人目は追い返すのか? そんな国は私の国ではない」とまで言ったのだ。

そのメルケル氏の頭の中で、今、凍えている人々の姿はどういうふうに映っているのだろう。

しかも当時、ドイツ人の人道主義と隣人愛の精神をあれほど自画自賛したメディアも、すっかり沈黙している。ドイツの難民政策は、今では経費と治安の問題にすり替わってしまった。

■日本がドイツから得る教訓

よく日本人に、「なぜメルケル首相は難民をあれほど大量に受け入れたのか?」と聞かれる。私も、それについては何度も考えた。

ナチの古傷を持つドイツは、戦後、常に模範的な人道国であろうと努力をしてきた。受け入れを制限して、「やっぱりヒトラーの国」と叩かれるのを、メルケル氏が非常に恐れていたことは確かだ。

ただ、その氏の背中を押していたのは、間違いなく産業界だ。ドイツの産業界は、戦後、常に安い労働力を導入し、経済発展の推進力としてきた。現在はというと、安い労働力だけでなく、熟練技術者も足りない。さらに政府は、難民を少子化対策としても重視している。

しかしもう一つ、メルケル氏の決断に拍車をかけたのは、ドイツ現代史に刻まれるはずの氏の功績だったのではないか。

コール元首相は東西ドイツ統一を、シュレーダー元首相は「アジェンダ21」という構造改革を断行した。メルケル氏は「脱原発」と「難民」で業績を残そうとしているのか? しかし、実際には今のところ、それらはどちらもドイツのためにもEUのためにもなってはいない。

先日、ドイツ人の友人に、「メルケル首相の難民受け入れは、人道精神に基づいたものだったと思うか?」と聞いたら、「もちろん!」という答えが返ってきた。そこで、「だったら、今、凍えている人を引きとらないのは矛盾している」と言うと、「では、日本人は難民を何人受け入れているのか」と切り返された。

2015年のメルケル氏の「難民ようこそ政策」が、その後の怒涛の難民大移動を招いたことは明らかだ。そのドイツは現在、難民に紛れて入国したテロリストのあぶり出しと、経済難民の母国送還に、膨大な労力と経費を注ぎ込んでいる。その挙句、あとに続こうとやってきた難民たちは、見事に梯子を外され、極寒の中を路頭に迷っている。

日本がこれらの事実から教訓を得るとすれば、難民受け入れに関する入念なシミュレーションをすることだ。

日本政府がドイツのように自ら難民を呼び込むことはないにしても、海からの難民は拒否できない。朝鮮半島の動乱や中国の経済崩壊の可能性などを考えると、難民はいつ日本海の荒波に繰り出すかわからない。そうなれば、自衛隊は船を出して難民を救うだろう。

そのとき、後のことが無計画であれば、ドイツの二の舞になってしまう。受け入れ態勢は、今から準備万端整える必要がある。

今週より、寒さはようやく少し和らいだ。それにしても、今、私のできることは、バルカン半島に早く春が訪れるよう祈ることぐらいしかないと思うと、とても情けない。


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韓国大統領 月山明博(李明博)の…天皇陛下への「不敬発言」
痛惜の念などという単語一つを言いに来るのなら、来る必要はない。
日王は韓国民に心から土下座したいのなら来い。
重罪人にするように手足を縛って頭を足で踏んで地面に擦り付けて謝らせてやる。
重罪人が土下座もしない、言葉で謝るだけならふざけた話だ。
そんな馬鹿な話は通用しない。
それなら入国は許さないぞ。
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手法 用例 手法 用例 手法 用例 手法 用例
連想の創出 愛国者に対して「軍靴の音が聞こえそうだ」などと揶揄し否定的な印象を与える… コメント 人々を一定の方向に誘導するために「事実とは異なる解釈」をコメントさせたり「社説」にする… プレゼンス効果 現場からの中継や縮小ジオラマなどで「臨場感」を演出し「やらせ」も交えて信用されやすくする… 分類表 一部の「ネット右翼」が批判しています…のように決まった単語・フレーズで事象を分類して極小化・極大化する…
撹乱 「第三極も含めて政党が乱立して訳が分かりません…」などと連日「情報ノイズ」で溢れさせ興味自体を失わせる… 癒着提案 TBS「安倍官房長官印象操作映像事件」のように「個別の事実」を「継ぎ接ぎ」して「誤った印象」を植え付ける… 匿名の権威 「信頼すべき消息筋によれば…」のように情報元を明かす必要がない事を逆手に取り記事の内容に権威を与える… 日常会話 お隣の「韓国」では…のように本来否定的な要素「韓国」を日常会話のように繰り返し心理的習熟効果で反応を麻痺させる…
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ブーメラン 坂本龍一・山本太郎などの著名人を使い原発管制報道に対する「自由の闘士」を作り出し国力を削るために「愛国者」を装った抗議運動を展開する… 心理的ショック 日本は豊かなのだと錯覚させ更に絞り取るために「飢餓」を伝え…日本は悪い事をしたと日本人を自虐的に思い込ませるために繰り返し「戦争」を伝えます… 半真実 「マニュフェストが実現出来なかったのは自民党の負の遺産のせいで民主党がダメだった訳ではない…」のように嘘の中に一面的な真実を織り込み全体を真実に見せる… フィードバック 「支持政党無しの無党派層は過去最高」という結果を得るために世論調査の回答項目に「民主党もダメだけど自民党もダメ」という項目を設定し全体の意見に偽装する…
すり替え 「傷害」を「いじめ」「窃盗」を「万引き」「殺人事件」を「交通事故」「テロリスト」を「レジスタンス」「略奪事件」を「抗議デモ」など受け入れ易い言葉に置き換える婉曲手法… 脅威の創出 尖閣購入時に「中国の脅威」は民主党政権以降に尖鋭化していたにもかかわらず恰も「都知事発言以降に尖鋭化した」かの如く捏造し民主党には他に選択肢は無かったと責任転嫁… 社会的同意 首相の靖国参拝に「外国」から激しい反発が起こっている…などと…特定アジアだけの意見を恰も世界全体が同意していると錯覚させる…「人権擁護法案」「外国人参政権」などもこの手法… 側面迂回 民主党の原発事故対応では線量などの周辺情報は正確に報じられ枝野幸男の「直ちに健康に影響を及ぼすものではない…」の嘘の信憑性を高めメルトダウン・風向きなどの核心部分は隠蔽された…
虚偽類似 「視聴率低迷は若者のテレビ離れのせい…」「CDが売れないのは違法ダウンロードのせい…」「紅白歌合戦に韓流スターが出演できないのは日本の右傾化のせい…」など都合の良い「原因と結果の因果関係」を作り出す… 事実確認 原発安全神話を作り出したのも公共事業にジャブジャブ税金をつぎ込んだのも自民党です…など…「一面的な事実」を先に述べ「事実確認」させ…自民党政権に逆もどりして良いんですか?…と未来を誤認・錯覚させる… 毒入りサンドウィッチ 「白川総裁が自民党の経済政策を批判」「安倍総裁の経済政策発言を市場が好感し円安に振れ株価は年初来の高値」「一方でハイパーインフレを懸念する声も」…のように序文と結論の否定的報道で肯定的な報道を挟み肯定的な報道の意義を低下させる… 砂糖入りサンドウィッチ 毒入りサンドウィッチの逆の手法…
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