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2015/11/21


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EUを覆う「恐怖」と「不安」〜テロリストの目的は達成された / 川口マーン惠美「シュトゥットガルト通信」

 source : 2015.11.20 現代ビジネス (クリックで引用記事開閉)

【現地レポート】もうどこにも逃げ場がない……

■心に残るザラザラとした小さな破片

2ヵ月半ぶりにドイツへ戻ったら、そこは春のようだった。

11月は普通なら暗くて寒い。霧も多い。一年で一番嫌いな月が11月だというドイツ人は少なくない。

ところがその11月のシュトゥットガルトが、私が戻ってきて以来10日間、ほぼ毎日快晴なのだ。しかも信じられないほど暖かく、木にはまだ色づいた葉っぱがくっついている。春だと勘違いして土から何やら芽が吹き出し、蜂も飛ぶ。

買い物がてらに街を巡回してみたら、なんと、屋外のカフェが繁盛していた。皆が、これが最後のチャンスとばかりに、陽の光に顔を向けて座っている。

広場には大道芸人はいる、ストリート・ミュージシャンはいる、その横を、アイスクリームを舐めながらブラブラと歩いて行く人がいる。

当然、道行く人々の服装もめちゃくちゃで、ダウンのコートを着ている人がいるかと思うと、Tシャツ1枚だったり……。

まさに異常気象による倒錯的光景だ。薄手のセーターの上にウールのコートを羽織って出かけた私は、すっかり汗だくになってしまった。

しかし、この平和な光景は、100パーセント真実ではない。

あの夜以来、あの、パリでテロがあった夜以来、誰の心の中にも、何とも説明できない不快なものが、ザラザラとした小さな破片のような感じで残っている。

どこへいっても、それは大気の中にどんよりと漂っており、消えることがない。

■こんな不思議なパリの光景を見たことはない

あの日、私はめずらしくサッカーを見ていた。パリで行われた独仏親善試合のTV中継だ。

突然、ドカーンというものすごい爆発音がした。アナウンサーが「何でしょうね……」と訝(いぶか)しがった。

このとき、スタジアムのVIP席には、フランスのオランド大統領とドイツのシュタインマイアー外相が仲良く並んで座っていた。

しかし爆発音の後まもなく、SPからの報せでオランド大統領は退席、裏で非常事態についての対策を協議し、そのあいだシュタインマイアー外相は、観客がパニックに陥らぬよう、何食わぬ顔で観戦を続けるよう頼まれたという。

まだこの時点では、スタジアムの観客はもちろん、中継を見ていた私たちも、フランスの戦後史上最大のテロがパリを襲い始めているとは夢にも思わなかった。

しかし、サッカーが終わると、状況は一変した。街にはすでに非常事態宣言が出ており、地下鉄は動いていなかった。スタジアムのゲート2ヵ所が閉じられたため、8万人の観客は突然、不安になった。どうやって家に帰れば良いのかわからなかったのだ。

このテロの衝撃は甚大だった。翌日も、その翌日も、一日中、臨時ニュースが流れ続けた。非常事態宣言は解かれず、週末だというのに、美術館もエッフェル塔もすべてが閉まったままだった。

シャンゼリゼは空っぽで、人っ子一人見当たらなかった。こんな不思議なパリの光景を、おそらく今まで誰も目にしたことはなかっただろう。

このテロにより、EU市民の心には次第に、「もう逃げようがないのだ」という絶望的な気持ちが広がっていったように思う。

エリゼ宮やド・ゴール空港ではなくコンサートホールやカフェが、そして、政府高官ではなく一般の若者たちが犠牲になった。しかも、週末の夜、皆が、ごく普通に楽しんでいるところをやられたのだ。これからのテロは、用心したくてもできない。

おりしも13日の金曜日。すべてが申し合わせたように象徴的だった。

■テロリストたちの目的は完全に達成された

多くのドイツ人は、独仏の親善試合が狙われたことを気に病み、次はベルリンかと戦慄した。

いずれにしても、パリに、当たり前のようにカラシニコフが何丁も存在したということは、EUの治安は保たれていないのだ。モヤモヤとした気味の悪さは拭い去ることができなかった。

17日、今度はドイツのハノーヴァーで、ドイツ対オランダのサッカー試合が予定されていた。「テロに屈してはいけない!」、「勝ち負けではなく、我々の団結を示すためにも試合は行う!」というのが、ドイツサッカー協会の強い意思だった。

試合前の国歌の演奏は、オランダとドイツのそれではなく、フランスへの友情を示すため、「ラ・マルセイエーズ」に切り替えられることになった。こうなると、すでに普通の試合ではなかった。メルケル首相、ガブリエル副首相、デ・メジエール内相、マース法相が観戦することも決まっていた。

その夜、7時のニュースでは、会場で着々とその準備が進んでいる様子が映し出されていた。試合開始は8時半だ。

ところが、8時のニュースをつけると、すでに臨時ニュースで騒然としていた。7時15分に突然、試合中止が決定されたというのだ。具体的なテロの危険があるという。

会場の周りをもの凄い数のパトカーが囲み、スピーカーからは、「観客は"一刻も早く"スタジアムを離れ、できれば帰宅して家で過ごすように」という放送が暗い夜空に響いていた。テロリストたちの目的が、人々を不安に陥れることだったとしたなら、それは完全に成功したと言えるだろう。

一方、「テロには屈しない」という試みも多くのところでなされている。

シュトゥットガルトのフランスの総領事館へ行ってみたら、玄関のところにたくさんの花束と蝋燭が並んでいた。手紙も添えてあった。地面に画用紙を広げて絵を描いている人もいた。

犠牲者の遺族と悲しみを共にするために、あるいは、テロリストへの怒りに駆られて、皆、足を運ばずにはいられなかったのだろう。

■#ParisisaboutLife

ドイツでは、ここ数ヵ月、難民政策が非常に混乱している。

難民は、今年だけで100万人以上がやってくると予想されており、シリア難民を無制限に入れようとするメルケル首相と、制限を設けて秩序立った受け入れに変えていかなければ大変なことになるという人たちが、与党内で激しく対立している。

もちろん、難民の中にイスラム過激派が混じり込む危険は、前々から指摘されていた。

しかし、パリのテロの後、彼らはこれを争点にすることを一時中止している。難民はテロから逃れて来た人たちであり、テロリストではないという解釈を、超党で前面に出しているのだ。

「テロリストはすでにEUの国籍を持っており、EUのパスポートで、シリアでもどこでも自由に出たり入ったりしている。いまさら難民を装う必要はない」という見解は、おそらく真実だ。フランスでマークされているイスラム過激派は3000人、ドイツでは2000人と言われている。




ツイッターでは「#PrayForParis」というハッシュタグで、事件後3日間に650万の書き込みがあったという。しかし、興味深いことに、イスラム過激派の襲撃を1月に受けたシャルリ・エブド紙のカリカチュア画家が、それに異議を挟んだ。そこにはこう書かれていた。

「全世界の友人たちよ、#PrayforParis をありがとう。でも、もう宗教は要りません! 私たちの信じるものは音楽です! キスです! ライフです! シャンパンと、そして喜びです! #ParisisaboutLife」

確かにこちらの方がよいのかもしれない。

宗教を信じている人たちを傷つけず、侮辱せず、一つの社会で仲良く暮らすことは簡単ではない。しかし、よく考えてみると、我々日本人こそ、それが結構得意な国民のような気がするのだが、違うだろうか?

フランスのオランド大統領は、テロの2日後から、激しい勢いでシリアのIS拠点を空爆し始めた。EU市民がテロの恐怖から解放される日は遠い。


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韓国大統領 月山明博(李明博)の…天皇陛下への「不敬発言」
痛惜の念などという単語一つを言いに来るのなら、来る必要はない。
日王は韓国民に心から土下座したいのなら来い。
重罪人にするように手足を縛って頭を足で踏んで地面に擦り付けて謝らせてやる。
重罪人が土下座もしない、言葉で謝るだけならふざけた話だ。
そんな馬鹿な話は通用しない。
それなら入国は許さないぞ。
偽左翼マスメディアの情報操作手法
手法 用例 手法 用例 手法 用例 手法 用例
連想の創出 愛国者に対して「軍靴の音が聞こえそうだ」などと揶揄し否定的な印象を与える… コメント 人々を一定の方向に誘導するために「事実とは異なる解釈」をコメントさせたり「社説」にする… プレゼンス効果 現場からの中継や縮小ジオラマなどで「臨場感」を演出し「やらせ」も交えて信用されやすくする… 分類表 一部の「ネット右翼」が批判しています…のように決まった単語・フレーズで事象を分類して極小化・極大化する…
撹乱 「第三極も含めて政党が乱立して訳が分かりません…」などと連日「情報ノイズ」で溢れさせ興味自体を失わせる… 癒着提案 TBS「安倍官房長官印象操作映像事件」のように「個別の事実」を「継ぎ接ぎ」して「誤った印象」を植え付ける… 匿名の権威 「信頼すべき消息筋によれば…」のように情報元を明かす必要がない事を逆手に取り記事の内容に権威を与える… 日常会話 お隣の「韓国」では…のように本来否定的な要素「韓国」を日常会話のように繰り返し心理的習熟効果で反応を麻痺させる…
感情共鳴 コンサートで開催場所の地名を大声で繰り返し叫ぶ…などのように「デモ」「集会」などで群集を理性ではなく感情レベルで反応させる… 歴史の書き換え 民主党の「天皇制廃止」「戸籍法廃止」「夫婦別姓」などの愛国心を低下させるための国家・民族全体に対する長期的な情報操作… 感情整列 この時間にご覧になっている貴方だけに限定100セットだけ…などと「一定のシチュエーション」を用意して群集の感情を「均一化」させる… 一次効果 「朝日新聞の従軍慰安婦捏造問題」「iPS細胞での読売新聞大誤報」など「最初に発信された情報」は嘘でも捏造でも信用されやすいという原理…
ブーメラン 坂本龍一・山本太郎などの著名人を使い原発管制報道に対する「自由の闘士」を作り出し国力を削るために「愛国者」を装った抗議運動を展開する… 心理的ショック 日本は豊かなのだと錯覚させ更に絞り取るために「飢餓」を伝え…日本は悪い事をしたと日本人を自虐的に思い込ませるために繰り返し「戦争」を伝えます… 半真実 「マニュフェストが実現出来なかったのは自民党の負の遺産のせいで民主党がダメだった訳ではない…」のように嘘の中に一面的な真実を織り込み全体を真実に見せる… フィードバック 「支持政党無しの無党派層は過去最高」という結果を得るために世論調査の回答項目に「民主党もダメだけど自民党もダメ」という項目を設定し全体の意見に偽装する…
すり替え 「傷害」を「いじめ」「窃盗」を「万引き」「殺人事件」を「交通事故」「テロリスト」を「レジスタンス」「略奪事件」を「抗議デモ」など受け入れ易い言葉に置き換える婉曲手法… 脅威の創出 尖閣購入時に「中国の脅威」は民主党政権以降に尖鋭化していたにもかかわらず恰も「都知事発言以降に尖鋭化した」かの如く捏造し民主党には他に選択肢は無かったと責任転嫁… 社会的同意 首相の靖国参拝に「外国」から激しい反発が起こっている…などと…特定アジアだけの意見を恰も世界全体が同意していると錯覚させる…「人権擁護法案」「外国人参政権」などもこの手法… 側面迂回 民主党の原発事故対応では線量などの周辺情報は正確に報じられ枝野幸男の「直ちに健康に影響を及ぼすものではない…」の嘘の信憑性を高めメルトダウン・風向きなどの核心部分は隠蔽された…
虚偽類似 「視聴率低迷は若者のテレビ離れのせい…」「CDが売れないのは違法ダウンロードのせい…」「紅白歌合戦に韓流スターが出演できないのは日本の右傾化のせい…」など都合の良い「原因と結果の因果関係」を作り出す… 事実確認 原発安全神話を作り出したのも公共事業にジャブジャブ税金をつぎ込んだのも自民党です…など…「一面的な事実」を先に述べ「事実確認」させ…自民党政権に逆もどりして良いんですか?…と未来を誤認・錯覚させる… 毒入りサンドウィッチ 「白川総裁が自民党の経済政策を批判」「安倍総裁の経済政策発言を市場が好感し円安に振れ株価は年初来の高値」「一方でハイパーインフレを懸念する声も」…のように序文と結論の否定的報道で肯定的な報道を挟み肯定的な報道の意義を低下させる… 砂糖入りサンドウィッチ 毒入りサンドウィッチの逆の手法…
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