source : 2014.02.25 NEWSポストセブン (ボタンクリックで引用記事が開閉)
朝日新聞が「売れるから『嫌中憎韓』」という特集記事を2月11日に掲載した。そこでは、「嫌中憎韓」が出版界のトレンドになりつつあると解説し、要は売れるからという理由で中国、韓国に対する悪感情を煽っていると解説している。
しかし、いまの日本に渦巻く嫌中憎韓のムードはいかに生まれたのか。朝日新聞は、これまで政権批判の常套手段として、従軍慰安婦問題についても靖国参拝問題についても、「中国や韓国が反発している」ということを自らの批判の根拠としてきた。
たとえば、安倍首相が靖国神社に参拝した12月26日当日の夕刊では、「中韓、強く抗議」「中韓との関係悪化を懸念」と2つも大きな見出しを使って取り上げ、参拝翌日の社説でも、
『安倍首相の参拝に、侵略の被害を受けた中国や韓国は激しく反発している。外交にいらぬ火種をつくる。下策である』
と重ねた。
ちなみに本誌は、安倍首相の参拝を「自己都合によるもの」で「国際社会へ説明不足」と批判してきたが、「中韓が反発するからやめろ」といったことは一度もない。自分たちの批判の根拠をあくまで中韓の反発に置く、というやり口なのだ。
「これは朝日に限りませんが、どこかの発表に基づく『発表報道』が主流になっていて、取材に基づく言論というものが非常に貧弱になっている。いわゆる『ご注進報道』などといわれる、記事の持つべき力を他国の『外圧』に頼るこの種の報道は、その流れの上にあるものだと思います。主張すべきことがあるのなら、きちんと自分らで取材をして、自前の議論をすべきです」(田島泰彦・上智大学教授)
だからこそ、朝日は韓国で起きたこと、発表されたことは、過剰なほど大きく取り上げる。
たとえばこの2月、村山富市・元首相が訪韓し、元慰安婦と面会し、植民地支配を謝罪した「村山談話」の継承をアピールした件では、二度も写真入りで報じる力の入れようで、他紙を圧倒した。
ほかにも、韓国の外相が元慰安婦を訪問すれば「日本の指導層の歴史を歪曲した妄言には断固対応する」(外相)「日本の暴言がひどくなっている。私が死ぬ前に間違いを認めさせて欲しい」(元慰安婦)といった発言を論評抜きでそのまま紹介し、韓国の女性家族省が「元慰安婦の日」を制定しようとすれば、これも取り上げる。
週刊誌よりも朝日新聞のほうが、よほど「韓国」や「慰安婦」の見出しが好きなようだ。
中国・韓国 朝日新聞積み重ねた記事材料に「反日路線」確立
source : 2014.02.27 NEWSポストセブン (ボタンクリックで引用記事が開閉)
朝日新聞は2月11日、「売れるから『嫌中憎韓』」という記事を掲載した。要するに、日本の雑誌が「売れるから」という理由で中韓を揶揄するような記事を出していると指摘したのである。
だが、現在の日本に渦巻く嫌中憎韓のムードは、そもそも反日に凝り固まった中韓に原因がある。中韓をしてそうなさしめたのは、韓国にとっての従軍慰安婦であり、中国にとっての南京大虐殺、靖国問題という反日の大きな柱ができたことによる。そして、それらの先鞭を付けたのは、すべて朝日新聞なのである。
朝日は、これまで中韓を利する記事を繰り返してきた。たとえば2005年3月、当時論説主幹だった若宮啓文氏(後の主筆)の「竹島と独島 これを『友情島』に…の夢想」というコラム。
『例えば竹島を日韓の共同管理にできればいいが、韓国が応じるとは思えない。ならば、いっそのこと島を譲ってしまったら、と夢想する。見返りに韓国はこの英断をたたえ、島を「友情島」と呼ぶ』
あるいは2007年3月、第一次安倍政権時代の記事。
『「シンゾー・アベは拉致問題には熱心だが、従軍慰安婦問題に対する態度と矛盾するのでは?」
「従軍慰安婦」研究の吉見(義明・中央大学商学部教授)も、このふたつの問題に共通性を見いだしている。
拉致被害者も、「いい仕事がある」などと「甘言」にだまされ、連れ去られた例がある。朝鮮人の少女が業者から「赤いワンピースと革靴」を見せられ、「いい暮らしができるよ」と戦地の軍慰安所に送られたのもまた、「甘言」による「拉致」ではないか』
竹島を譲るのも、拉致と慰安婦を同一視するのも、まるで「朝鮮日報」のコラムを読んでいるような気がしてくる。
もちろん、取材対象の立場に立つことはジャーナリズムに置いて重要なことは認めるが、これは明らかにそのレベルを逸脱した、韓国への偏愛としか思えない。近年では2012年8月、夕刊のコラム「素粒子」に書かれた内容が物議を呼んだ。
『すきを突いた韓国の速攻。自陣のラインがたがたで防ぎ切れず。増税の日を狙ったかのように李大統領が竹島に。
中国ともロシアとも韓国ともギクシャク。元より北朝鮮は話にならず。いよいよ米国頼みの単細胞になりそうな。
あふれる韓流やKポップ。どこにでもある韓国食材。この落差は何? 在日の友とマッコリ飲みながら考えよう』
この頃になると、ネットには「朝日新聞の素粒子がいくらなんでも酷いと話題に」というトピックが立てられ、批判が集まるようになった。
つまり、こうした記事を朝日が積み重ね、中韓がそれを材料に「反日路線」を確立したことが、日本国民のなかに徐々に「嫌中憎韓」の感情を植え付けていったのだ。
朝日新聞は、自らが焚きつけた火が燃え移った「嫌中憎韓」の炎を鎮火しようと躍起になっている。だが、それを「マッチポンプ」だと認めない限り、説得力はないだろう。一つこれだけはいえる。もし「嫌中憎韓」が売れるとすれば、それは朝日のおかげだと。
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