秘密保護法報道 自民党反論文書の中身
source : 2013.12.19 GoHoo (ボタンクリックで引用記事が開閉)
▼特定秘密保護法の報道に事実に反する内容があるとして、自民党が反論書を作成し、党所属の全国会議員に配布した。朝日、毎日、東京の各紙記事を引用し、反論がなされていた。その内容を公開する。
秋の臨時国会で審議されていた特定秘密保護法案=12月6日成立=の一部報道に事実に反する情報があったとして、自民党がこのほど新聞報道への反論文書を作成し、13日、党所属の国会議員に配布した。同法に不安をもつ有権者に説明するための資料とみられる。
文書は「特定秘密保護法に関する誤った新聞報道への反論」と題し、本文5ページと別紙8ページから成る。本文では「特定秘密保護法案が可決・成立しましたが、これに反対する一部の新聞は誤情報を流して国民を不安に陥れています」と指摘。「急きょ、こうした新聞の誤った報道に惑わされないために、別紙『特定秘密保護法の新聞報道への反論・23』を作成しましたので、これを参考に特定秘密保護法の意義を多くの方にご理解いただくようにお願いします」と書かれている。また、安倍首相が国家安全保障会議(日本版NSC)と特定秘密保護法の意義について語った、産経新聞のインタビュー記事(12月7日付朝刊掲載)が全文引用されている。
別紙「特定秘密保護法の新聞報道への反論・23」では、新聞報道の一部の引用とともに、それに対する反論が記されている。対象となった記事数は朝日新聞10本、毎日新聞4本、東京新聞9本で、いずれも「事実に反します」として理由を示している。取り上げられたのは、特定秘密保護法に明確に反対の論陣をはったメディアだけだった。ちなみに、GoHooでは、ミスリードのおそれが高い記事として、同法に賛成の立場だった産経新聞の報道も取り上げている(11月16日付【注意報】秘密保護法「一般人は処罰対象外」はミスリード/秘密保護法関連の記事一覧)。
この反論文書が配布されたことは、すでに一部メディアが報じている。毎日新聞は12月19日付社説で取り上げ「強引な論法による反論が少なくない」と指摘し、別紙Q20(12月2日付朝刊2面)への指摘に再反論した。朝日新聞も19日付朝刊で、反論文書で取り上げられた自社の記事10本のうち1本を紹介し、再反論している。しかし、報道では文書の中身が断片的にしか分からない。国会議員が有権者に説明するための資料なのだから、多くの国民がその中身に関心をもつはずである。自民党がどういう反論をしているのか、その反論が妥当なのかどうかを国民自身が判断できるよう、メディアが率先して全文を掲載することが、国民の「知る権利」にこたえるということではないだろうか。各社ともニュースサイトを持っている以上、紙幅の都合で全文を掲載できないという言い訳はできない。現時点で文書全文を報じたメディアはないため(12月19日午後7時現在)、ここで公開することにした。
念のためいうと、この文書を公開したのは、この文書でなされた反論に賛同するからではない。反論の真実性、的確性を保証するものでもない(ただ、新聞記事の引用文言がほぼ正確であることは、当機構の調査で確認している)。政府や政党が報道内容に反論する文書を作成し、配布することに議論はあるだろうが、現に作成し、配布された以上、その中身を正確に知って議論することが重要だと考えたためである。取り上げられた個別の報道に事実誤認もしくは重大なミスリードがあるのかどうかは、改めて別の機会で見解を示したいと考えているが、まずは文書を公開することを優先した。
(なお、別紙Q10で引用されている文言は「12月6日、朝日新聞・朝刊」と記載されているが、実際は同紙12月3日付朝刊3面の記事にあった文言で、誤記とみられる。また、Q16とQ21は対象記事も反論部分も重複しており、ミスとみられる。)
■特定秘密保護法の新聞報道への反論・23
安倍晋三首相特定秘密保護を語る
source : 2013.12.07 産経ニュース (ボタンクリックで引用記事が開閉)
■国民を、領土を、国益を守るための法律です
現在、秘密というと特別管理秘密と防衛秘密、それと日米相互防衛援助協定(MDA)秘密の3種類があるが、特別管理秘密は法律で決めたものではないんです。統一ルールもないし責任者も明確ではない。世界中、どこでもちゃんとしたルールがあるのに。
今回、国家安全保障会議(NSC)を作りました。そしてこのNSCで各国のNSCと情報交換をしながら国民を守るために正しく政策立案をしていく。
情報が保全されて初めて情報交換もできるし、突っ込んだ議論も可能になってくる。ところが今までは、そのための秘密保全が不十分であるのと同時に、秘密のルールがなかった。これをきっちり法律で定めていくことにしました。
◆透明性はむしろ増す
公務員による情報漏洩(ろうえい)の危険性は格段に減るし、秘密の取り扱いの透明性はむしろ増すのです。そして、問題が長期間伏せられることがなくなっていく。なぜならば、秘密の管理に首相をはじめ複数の異なる立場の者が関与して、しかも一定期間ごとにチェックして毎年国会に報告していくことになるからです。
核持ち込みをめぐる日米の密約問題がありました。民主党政権時代に調査をした結果、いくつかの事実が明らかになった。日米同盟の重要性に鑑み、そうした密約をせざるをえなかった事情は理解します。問題は、それがいつまでも密約のままであり続けたことです。私が官房長官のときも第1次安倍政権時代もその説明を受けなかった。
特定秘密保護法によって、しっかり全体を把握していくことになります。首相は国民に選ばれた議員であり、議員の中から選ばれた行政府の長です。その責任で、秘密指定を解除すべきものは当然解除の判断をしていくことができる。つまり、新しい法律で同じ問題が起こりえなくなる。
◆NSCで情報を交換
1月のアルジェリア人質事件でも、日本自体が情報を収集するのはなかなか難しかった。あのときは、キャメロン英首相と話し、さまざまな情報提供をしてもらいましたが、NSCがあれば英国のNSCと政策対話を行い、情報提供を受けることも可能になってきます。それも当然、秘密の保全が前提となる。
もちろん、北朝鮮や中国についても日本が中に入って情報を収集するのはなかなか難しい。
先般、中国が尖閣諸島(沖縄県石垣市)を含む東シナ海上空に防空識別圏を設定しました。相手の地上レーダーはどれだけの高度でどの範囲をカバーしているのか。また、相手の戦闘機の搭載しているレーダーの有効な探知距離、ミサイルの射程、命中精度、誘導する電波の周波数などは非常に重要な情報です。
相手がどこまで接近すると危険かや、ミサイルを回避するための研究などに関連してくる。こうした情報を持つ国からの情報提供がより円滑になり、情報交換がより強化されていくことは間違いありません。この法律は国民を、日本の領土・領海・領空を、そして国益を守るためのものです。
情報機関同士の情報提供には、第三者にはこの情報を渡さないという「サードパーティールール」があり、これは情報の世界では常識です。だから、それが守られないのであれば多くの情報は入ってこない。
◆秘密増えることない
メディアの報道では、知る権利が根こそぎ奪われるといった悲劇的な見出しもあった。でも、今も特別管理秘密があって防衛秘密があって、MDA秘密がある。これが増えるということはまずありません。
今も特別管理秘密が42万件あると説明すると、「そんなにたくさん首相が見られるわけない」と言われましたが、うち9割は衛星写真なんです。これは解像度そのものが相手に知られるわけにはいかない秘密ですから。写真を一枚一枚チェックするわけではない。
そしてほかに、たくさんの暗号がある。古いものも含めて暗号そのものが全部秘密です。そうなると、残りはかなり少なくなる。
つまり、知る権利の保障は法律ができた後も今と全く変わらない。今までと違うのは、国会議員にも初めて明確な守秘義務と罰則がかかることです。これは大きな変化といっていい。
◆戦争と結びつける癖
メディアや野党が戦争と結びつけるのは、昭和35年の日米安全保障条約改定時もそうだったし、平成4年の国連平和維持活動(PKO)法案審議のときもそうで、いつもなんですね。
第1次安倍政権で防衛庁を「省」に昇格させたときもでしたが、心配するような変化が起こったのかと言いたい。例えばPKO法案のとき、菅直人元首相は発言席にしがみついて国会衛視に排除された。肉体的に抵抗を試みたのだけれど、彼は首相時代に自衛隊のPKO派遣を容認している。
22年の中国漁船衝突事件で衝突映像を流した元海上保安官、一色正春氏について当時の毎日新聞は「国家公務員が政権の方針と国会の判断に公然と異を唱えた『倒閣運動』」と激しく非難し、朝日新聞は「政府や国会の意思に反することであり、許されない」と書いている。現在の姿勢とのダブルスタンダード(二重基準)には唖然(あぜん)とします。
◆菅政権の致命的ミス
問題は、誰がどのようなルールで秘密を決めるかであり、衝突映像はそもそも秘密にすべきものではなかった。日本の国益のためにはむしろ、国際社会に示さなければならなかった。(菅政権は)全く誤った、致命的な判断ミスをした。
秘密に指定したのは菅首相なのか仙谷由人官房長官(当時)なのか分からない。ジャーナリズムはむしろ、そういう点を追及すべきだと思います。今後は、秘密を指定する基準が決まるから、こうしたことはもう起こらなくなります。
どこかは言えませんが、ある国の情報機関のトップは、NSCができて秘密保護の法律ができることによって、日本への情報提供はよりスムーズにいくとはっきり言っていましたね。
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