「義援金」と「寄付金」の区別すら出来ず国会中継も見ない日本国民
…復興増税の似非正義と自己満足
オリンピック期間中のドサクサ…という点では…
もう一つ…世界的な関心事案が衆議院で可決されました…
同じく…偽左翼マスメディアは完黙しています…
世界を揺るがす程の事案であるにもかかわらず…
いとも「アッサリ」と「ヒッソリ」と…
長い引用があるので…
別記事にしますが…
ホント…この国の偽左翼マスメディアは腐りきっています…
もっと…もっと…頑張れニッポン
…と…書きましたが…その…長い引用の記事です…
該当する引用は記事末の…
2012.07.31 参議院 外交防衛委員会 第8号です…
参議院 外交防衛委員会 第8号
ACTA(Anti-Counterfeiting Trade Agreement)「模造品海賊版拡散防止条約」
…に関して…
偽造品の取引の防止に関する協定の締結について承認を求めるの件の採決が…
全会一致をもって承認すべきものと決定されました…
日本の偽左翼マスメディアは完黙でしたから…
殆どの日本人は知らないでしょう…
更には…ドサクサにドサクサを上乗せして…
「人権委員会設置法」(いわゆる「人権侵害救済法案」です)…
…までも成立を目論むのが…
売国奴集団 民主党のシナリオです…
韓国絡みで日本人の世論動向を見ながら…
多少の経済制裁まではしょうがない…と…
在日とは合意済みでしょう…まぁ…
それ(経済制裁)すらも怪しい情勢ですが…
それ程の犠牲を払ってでも成立させたい…
在日・部落・偽弱者・プロ市民・カルト宗教・…などなどにとっては…
「悲願」なのですよ…
2012.08.23 衆議院インターネット審議中継
(以下抜粋)
東順治(公明党):人権を救済する機関が日本にも必要だということを、私はやるべきだと思います。 そこで、この法案を閣議決定する意思があるのか。お伺いします。
野田佳彦(内閣総理大臣):ご指摘の人権委員会設置法につきましては、これまで法務省において法案の作成作業を鋭意進めてきたわけでございます。
今のご指摘も受け止めさせていただきまして、法案の閣議決定として、本通常国会の提出に向け引き続き必要な作業をしっかりと進めてまいりたいと思います。
どちらも…「言論封殺」系で偽左翼マスメディアは「完黙」…
いかに…日本人に知られたくないか解るでしょ
特に…
ACTA(Anti-Counterfeiting Trade Agreement)「模造品海賊版拡散防止条約」は…
世界中で議論が巻き起こり…
2012.07.04 に「EU議会」で…
478:39 の圧倒的多数で「否決」されました…
ご存知でした
日本では…議論すら起こっていません…
この事だけでも…普段…「報道の自由」「言論の自由」などと…
ヒステリックにがなりたてる偽左翼マスメディアが…
いかに売国奴のクズ集団か判ろうというものです…
ですが…私は…寧ろ…
今より酷い世の中になって…ちょっとした…
内戦状態になった方が良いかも…とすら…思い始めています…
そうでもならない限り…日本人が目を覚ます事は無さそうですから…
「韓国、ざまあ~」などと…喜んでいる状況じゃないのですよ…
少なくとも…
ACTA(Anti-Counterfeiting Trade Agreement)「模造品海賊版拡散防止条約」
「人権委員会設置法」(いわゆる「人権侵害救済法案」)
…について…ご自身で調べ…
以下の引用が…いかに…すっとぼけた事なのか…
理解する事から始めましょう…
私は…様々な過去記事で…主に…
「グローバリゼーション」に関しての…
売国奴連中の行なっている情報操作について書いてきました…
ピン送信もソーシャルメディアでの発信も行わず…
辺境ブログでヒッソリと…それでも僅かながらも…
RSS で購読していただいている読者の方や…
ソーシャルメディアボタンを押して下さる方もいらっしゃいます…
是非とも職場・学校・家庭・…などなどで…
政治や経済の話を「ぼそっと」してみて下さい…
「私たち消費者にとっては悪い事ばかりではない」とか言うけどホントかなぁ
…ってな感じで…
「TPP」や「円高」で頻繁に耳にしたでしょ
狡猾なデフレ誘導で…
日本人の雇用を奪うための「おまじない」です…
しっかりした生活基盤なくして消費云々は欺瞞です…
「新聞止めれば」1円2円でアッチコッチのスーパーのハシゴは不要だし…
「テレビ消して」除湿運転でクーラーつけて昼寝すれば…
猛暑日で年配者が亡くなる…なんて事もおきないのは自明です…
まぁ…なんにせよ…
「言論封殺」されれば…
気付きの機会すら奪われるのですよ…
しっかりしろッニッポン
参議院 外交防衛委員会 第8号
source : 第180回国会 平成二十四年七月三十一日(火曜日)
(ボタンクリックで議事録が開閉)
○委員長(福山哲郎君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、はたともこ君及び山口那津男君が委員を辞任され、その補欠として佐藤公治君及び石川博崇君が選任されました。
─────────────
○委員長(福山哲郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
欧州復興開発銀行を設立する協定の改正の受諾について承認を求めるの件外三件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房総合海洋政策本部事務局長小野芳清君外五名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(福山哲郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────
○委員長(福山哲郎君) 欧州復興開発銀行を設立する協定の改正の受諾について承認を求めるの件、偽造品の取引の防止に関する協定の締結について承認を求めるの件、二千六年の海上の労働に関する条約の締結について承認を求めるの件及び千九百九十四年の関税及び貿易に関する一般協定の譲許表第三十八表(日本国の譲許表)の修正及び訂正に関する確認書の締結について承認を求めるの件、以上四件を一括して議題といたします。
四件の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。
○山本一太君 今日は、マルチ四条約のうちACTAについて玄葉外務大臣に幾つか質問をさせていただきたいと思います。
ACTAは模倣品とかあるいは海賊版の拡散を防止する枠組みということで、知的財産権を保護するという点ではもちろん意味のあるものだと思いますし、大臣御存じのとおり、元々はイギリスのグレンイーグルズ・サミットで当時の小泉総理が発言をされたと。小泉総理の問題意識からできた流れで、その後、かなりアメリカが一生懸命になったという記憶はあるんですけれども、それでも広がってきて、この条約自体はもちろん意味があると思うんですが、一つ気になるのは、これも大臣よく御存じだと思うんですが、七月の初めにEUの議会がこれについて圧倒的な多数で否決をしたと。
つまり、EUは批准をしないということになったんですけれども、いろいろ報道されるところによると、例のインターネット分野の表現の自由を侵害するという理由が非常に大きいみたいなことを言われているんですが、これについて日本政府として背景をどう分析しているのか、どうとらえているのか、これについて少し簡潔に御説明をいただければと思います。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 今、山本委員がそこはおっしゃったとおりなんです。日本側から提案をした条約でございますけれども、EUが、おっしゃったとおり、特に本年一月、EU及び二十二の加盟国がACTAに署名したころから東欧とかバルト諸国等においてACTA反対の動きが広がって、欧州内の他地域にも伝播したというふうに承知をしています。それで、欧州委員会は、協定の内容についての説明を行うとともに、ACTAとEUの域内法制との抵触の有無について、欧州の司法裁判所、ECJに見解を求める等の対応を取ったと。しかしながら、このECJの判断を待つことなく、欧州議会はACTAの批准を反対多数で否決したということなんです。
今おっしゃったインターネットの自由とか基本的人権を侵害するといった批判が広がったことが原因なんです。ただ、これについては、後で恐らく質疑もあると思うんですけれども、我々の認識とそこは違っていて、やはり丁寧に説明をし、働きかけをしていく必要があるなというふうに思っています。
○山本一太君 私は、政府がどういうふうにこの動きを分析しているかということをお聞きしたんですが、今大臣が言及をされたインターネット分野の表現の自由を脅かすことになるということは、もうちょっと具体的に言うとどういうことなんでしょうか。大臣。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 具体的にどういうことかということなんですけれども、幾つか多分あり得るだろうと思います。つまり、EU側の懸念というか、あるいはこういったインターネットについての見解の相違ということなんですが、例えばACTAのこの第二十七条で、現行のネット規制が更に強化されるのかというような懸念というものが広がっているということがその一つではないかというふうに我々分析をしています。
ただ、先ほど丁寧に説明をしていかなきゃいけないということを申し上げたのは、現実にこのACTAというのは、個人の正当なインターネット利用を制限したり、プロバイダーに対してインターネット利用の監視を義務付けているというわけでは実はないんですね。ただ、どうしてもそのことについての今懸念が広がって、結果としてEUのこういう状況が生まれているということだろうというふうに思います。
○山本一太君 ちょっと今の説明だと、中身について、大臣、よく分からないんですが、これ細かくやっていくとほかの質問ができなくなっちゃうんでこれ以上突っ込みませんが、何で私がこれを聞いたかというと、元々このACTAは、日本とそれからアメリカとヨーロッパと協力をして、例えばインドとか中国のいわゆる模倣品の流出みたいのを一緒に封じ込めようと、こういう戦略で始まったものであって、これで欧州議会が否決をするということになるとEUが入らないと。EUが入らない中でやるということは、やっぱりACTA自身のその効力が非常に低下するということなんだと思うんです。
そうだとすると、日本政府は、このACTAに関するEUの否決、これは過剰反応だと、こういうふうに見ているということでしょうか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) いや、この動き、まさに注視をしていまして、先ほど申し上げましたように、この条約に関するそごが私はあるのではないか、つまりは、正しく私は理解されていない部分があるのではないかというふうに思っていまして、そういう意味で丁寧に働きかけをしなきゃいけないのではないかと思っています。
○山本一太君 大変申し訳ないんですが、そのインターネット分野の表現の自由のことについて、玄葉大臣の答弁がよく分からないんで、全く具体性を欠く答弁でありますが、日本政府はちょっと違う見解を持っているということなんですが。
それでは、このACTAですね、日本のイニシアティブで始まったACTAを、これから恐らく日本政府としていろんなところに、いろんな国に批准を働きかけていくということになると思うんですが、ヨーロッパが参加しないって決めたと、つまり欧州議会が圧倒的な多数で否決したというのは、欧州も恐らく知的財産権についてはいろいろダメージを被っていると思うんですが、その中でもこういう動きが起きたというのは、やっぱりインターネットの表現の自由をめぐる部分でかなり問題があるというふうに考えているんだと思うんですね。
そこで、日本政府としては、このままだとヨーロッパはこの枠組みに入らないと。しかしながら、ヨーロッパ抜きでこのままやはりACTAの批准、発効に向けて進めていくのか、あるいは、やはり日本とアメリカとヨーロッパが協力することによっていわゆる偽ブランドとか模倣品みたいなものの防止を効果的にできるということで、例えば中身を少し修正をしてヨーロッパを巻き込んでいくような戦略を取るのか、どんな方向性で考えておられるのか、教えてください。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 結論から申し上げると、やはりこれ六か国で効果を発揮することになりますので、もう既に九か国がそういう意向でありますから、私は、やはりまずきちっと発効させて、その上で働きかけをしていくという方がよいのではないかというふうに考えております。
○山本一太君 まず発効させるということですが、是非大臣、なぜ欧州議会が否決したかということはもうちょっと具体的にきちっと研究していただいて、少なくともこのACTAを広げていく上でもそこら辺は非常に大事なことになると思いますから、きちっと日本政府として戦略を持って進めていただければと思います。
もっと細かく聞きたいことあるんですけど、ちょっと時間がなくなっちゃうんで、次の質問に行きたいと思います。
ロシア出張は短い日程の中で大変お疲れさまでございました。お疲れさまだというふうに申し上げることとこの訪ロの成果に対する評価というのはまた別のものだと思っていますが、まず大臣に簡潔に御説明いただきたいと思いますが、今回の外務大臣のロシア訪問の具体的な成果は何でしょうか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 具体的な成果ということでございますけれども、私は、今の日ロ関係を現在の国際情勢全般に照らして考えたときに、まずこの日ロ関係を悪化させてはいけないというふうに、まず大前提としてそう考えています。その上で、私は、様々な御意見はあったと思いますけれども、訪ロするという判断をいたしました。
その中で、今回、領土問題そのものについては、原則論、これはどうしても本格的な領土問題の議論を行うということになると、最初は、もう山本委員も御存じのとおり、そういった原則論の応酬はせざるを得ないところがございます、特に外相間はですね。この間の記録を私全て読んでおりますけれども、また、ある意味同じような議論になったところはございます。
ただ、その中でも今回は、実務的な協議というか、次官級の協議のみならず、外相間で、そして首脳間で議論を継続をしていくということについて一致したこと。もう一つは、やはり、私は今回一番大事だと思ったのは、お互いの言わば時代認識というか、日本はロシアにとって、ロシアは日本にとってどういう意味合いを持つのかという、言わば戦略的な利益について双方がどこまで一致できるかということだというふうに思っております。そういう中では、私は、一定の言わば戦略的利益が合致するということについての一致は見ることができたのではないかというふうに思っていまして、今後の日ロの関係を進展させる上での一定の成果は私はあったというふうに考えております。
○山本一太君 外務大臣、忙しい日程の中でロシアを訪問されて大変御苦労されたと思いますが、今の御答弁だと、何か具体的な進展があったというふうに私にはちょっと思えないんですね。
まず、北方領土問題では特に具体的な進展があったとは報道もされていませんし、記者会見でもそういう結果は出てこなかったということですし、今何か日ロの戦略的思考が一致するということが分かったとかいう話なんですけど、物すごく抽象的でよく分からないし、申し訳ないんですけれども、次官級、外相、首脳のレベルでこの交渉を継続して対話を続けるというのは、これは具体的な成果というよりは、これはある意味でいうとほとんど当たり前みたいな話であって、相当最低限の私は成果だと思うんですが、もう一度お聞きしますが、領土問題について、北方領土の問題について何か具体的な成果というものはあったんでしょうか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 山本委員も、この間ずっと外交防衛専門におやりになっていたので御存じだと思いますけれども、外相間とか首相間、首脳間で実質的な議論というものを、どこまでじゃ行ってきたのかと、この間ですね、日ロの首脳会談があったときに、あるいは日ロの外相会談があったときに。私は、必ずしも実質的な議論というものが行われたというふうには承知をしておりません、全て記録を読んでおりますけれども。
したがって、今後、そういった議論をそのたびごとに、もちろん時間の限定はありますよ、ありますけれども、行っていくということを確認できたというのは、私は進展だというふうに思っています。
○山本一太君 今の外務大臣の、この間どこまで行ってきたかというのは、ちょっと何か聞き捨てならない話だと思うんですよね。だって、元々日ロ関係を悪化させたのは民主党政権ですよ。自民党政権の時代にロシアの高官が北方領土に行くなんということはなかったわけですよね。そういう事実があるにもかかわらず、ここまでどこまで行ってきたのかというのは、まるで非常に私は他人事だと思いますし、この大臣がロシアを訪問する前に、六月にたしかメキシコで野田総理とプーチン大統領が初めて会った、会って話をした後で、半月もたたないうちに、今度メドベージェフ首相が国後島を再訪問しているわけですよね。
ですから、ちょっともう一度お聞きしたいんですが、それを踏まえて考えたら、交渉は続けましょうということしか成果がなくて、北方領土問題については何か糸口があったのか、あるいは何か向こうから具体的な提案があったわけでもないし糸口が見付かったわけでもないという中で、なぜそれが具体的な成果なのかよく分からないんですよ。もう一度ちょっと御答弁いただけますか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 自民党政権、民主党政権という話がありましたけれども、この間の記録を全て読むと、それは、例えばですよ、北方四島へのロシアの首相の訪問というのは一九九三年にも行われています。そのときに、私は必ずしも、その当時の外務省がどこまで抗議したかといえば、強い抗議が行われていたというふうには承知しておりません。今回は、私は抗議も行い、また国民感情への配慮、そして相互信頼が必要であるということも含めて伝えました。
そういう中で、私は今回、先ほど申し上げたように、首脳間と外相間で、この北方領土の問題について実質的な議論というか双方受入れ可能な解決策を探るということも今回プーチン大統領とも一致をしたところでありますけれども、そういった原則を確認して首脳間で議論を行っていくのであるということを確認できたということは、私は意義があるというふうに思っています。
○山本一太君 外務大臣、抗議と言いますけれども、メドベージェフ首相は国後を再訪問したわけですよね。本当に日本政府の抗議の意思が伝わったら、ラブロフ外相のこの反応というのは私は非常におかしいと思いますよ。抗議と言うけど、どういうふうに抗議されたんですか。遺憾の意を表明されたんですか。大臣が、じゃ、極めて遺憾だとおっしゃったことについてラブロフ外相が、いや、それは受け入れられないと、日本側の抗議は。しかも、北方領土へのロシア高官の訪問はこれからも続くと。ほとんど、抗議をないがしろにしているというか、軽くいなされたというか、けられたというか、そういう印象しかないんですけど、どういうふうに抗議されたんでしょうか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) それはもういつも私が申し上げているとおり、我が国の立場と相入れないのであるということを明確に言いました。ですから、国民感情に配慮しなければならないということを何度も言ったと。まあ、いなされたという話がありますが、共同記者会見で記者から聞かれて、ラブロフ外相はそういう形で答えたということでございます。
今後どうなるかということについては、それはもちろん分かりません。分かりませんけれども、私としては、そういったことについて、プーチン大統領にもやはり国民感情への配慮が大事ですねという話をしてきた。そのことがどのように今後つながっていくかということについて、もちろん私が明確に今断言できるわけではございませんけれども、私は今回はそういったことを伝えなければならないということを考えて訪ロしたということでございます。
○山本一太君 ちょっと大臣の答弁よく分かりませんけれども。
外から見ていると非常に、何というんでしょうか、強い抗議をしたふうには見えないし、極めて、何かこう弱腰に見えるんですよね。なおかつ、ラブロフ外相は、ロシア政府はこの地域の社会経済環境整備という重大な責任があって、それも続けると。つまり、北方領土に対するいろんなインフラの投資等々は続けて、実効支配も強めるということも宣言をしているわけなんですよね。
今日の朝日新聞だったと思いますが、二面に、北方領土に外国人が、韓国、北朝鮮の方が主だと書いてありましたけれども、千五百人働いていると。日本政府としては、やはり北方領土で外国人が働くというのは実効支配を強めるという観点から認められないと言っているけれども、全くそれを防ぐ手段もなく、何にも今の政府は抗議もしていないということなんですが。
もう一つちょっと玄葉大臣にお聞きしたいんですけれども、北方四島はロシアが不法占拠していると、こういうことでよろしいんでしょうか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 法的根拠のない占拠をしているということでございます。
○山本一太君 法的根拠のない占拠をしているということなんですけれども、それではちょっとお聞きしたいんですけれども、この北方領土が不法に占拠されたという経緯に関して言うと、ロシアが日ソ中立条約を一方的に破棄して対日参戦をして、ポツダム宣言が受諾された後で不法に北方領土を占拠したと、こういう解釈でよろしいんですね。
○国務大臣(玄葉光一郎君) その部分について、全くそのとおりです。
○山本一太君 そうだとすると、ラブロフ外相が玄葉大臣との会談の中で第二次世界大戦でのロシアの犠牲について言及したと、国連憲章の中にこれが入っているみたいなことを言って、これがロシアにとっての法と正義の原則だと言ったわけですよね。これ、今大臣がこういう解釈でいいと言った日本の立場と全く違うじゃないですか。これについてはどのぐらい強く抗議したんですか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) いや、もう抗議というよりも、この間も猪口先生から質問があったような形で、当然ながら我々はそんな、第二次世界大戦の結果などというのはロシアが言っている、ロシアしか言っていないんです。それはもう、この間ずっと実はロシアは言っていることなんです。特にラブロフ外相は必ずこのことを言うんですね。当然、この間の、サンフランシスコ平和条約からずっと遡って、ヤルタ協定あるいはカイロ宣言、ずっと見ていったって、おっしゃったとおり、言わば一方的に中立宣言を破って侵入してきたことも含めて全て考えたって、当然、そういう立場とは全く違うと、そんなのロシアが言っているだけだと、当然そうなるわけです。
だから、そういうやり取りを、余り詳細にわたって申し上げるわけにいかないですけれども、まずやっぱりラブロフ外相とそういうやり取りというのは、一度、一度と言うと語弊ありますけれども、当然お互い行わなければならないだろうなというふうに想定はそもそもしながら行ったということでございます。
○山本一太君 こんなのね、大臣、笑って言うような話じゃありませんよ。日ロの国益を懸けたせめぎ合いなんだから。何言っているんですか。
あと、言えないというのはなぜですか。抗議したんですか。じゃ、このことについて強く抗議したんですか。それはもうきちっと言ったんですか、記者会見で抗議したと。もう一度お答えください。
○国務大臣(玄葉光一郎君) いつも私申し上げていますけれども、メディアの前で余り公開論争しないということで、メディアの前でできるだけ最小限にしています。外相同士でやるときは当然激しいそういった応酬になるわけです。そのことは我々の見解と全く違うこと、理由も含めて当然伝えてあります。
○山本一太君 じゃ、そう言ってもらえばいいんですよ。別にメディアの前で言うことを聞いているんじゃありません。委員会で大臣に質問しているんですから。ちゃんとそういうふうに言っていただければいいんですね。強く抗議したということですね、間違いなく。分かりました。
今回、外務大臣が訪ロをされたと。予定にあったのかなかったのかよく知りませんが、プーチン大統領が出てきて外務大臣と会談をされたと。これは普通で考えれば非常にロシア側として玄葉外務大臣の訪ロについて異例の厚遇をしたということだと思いますけれども、プーチン大統領がわざわざ出てきた、その理由は、外務大臣、どういうふうに分析をされているのか。外交ですから必ず理由があるわけで、まあ秋田犬を贈ったのが功を奏したのか、それとも玄葉大臣が日本のスターだと思われているのか、あるいは極東地域への日本の投資とか経済協力を期待したのか。どのように御覧になっていますか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) おっしゃるように、いろんな分析評価あり得ると思いますけれども、私からやはりこの場でそのプーチン大統領の意図を推測でですね、推測で申し上げるということはやっぱり控えた方がいいんじゃないかというふうに思っています。いろんなことが考えられると思います。
○山本一太君 これについてもいろいろお聞きしたいことがあるんですが、時間の関係もあってこのことにはこれ以上ちょっと突っ込みませんけれども、プーチン大統領の言葉の中で、会談の中で、互いに受入れ可能な解決策を探りたいとおっしゃっていますけれども、これはどういう意味だというふうに御覧になっています。
プーチン大統領、大統領就任の前に外国メディアに対して、北方領土問題、何とかとにかく決着を付けたいと、盛んに柔道用語で引き分けということをおっしゃっていましたけれども、これはどういう意図なのかということは今回の訪ロである程度つかめたんでしょうか。これはどういう意味でしょうか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 引き分けという言葉を確かに会見でプーチン大統領は使われたわけですよね。それは言わば双方受入れ可能な解決策ということなんだと思います。その双方受入れ可能な解決策というのは、まさに交渉の結果として、出口として出てくるものであるというふうに思うんですね。
ですから私は、そういう意味で、今回、ラブロフ外相とプーチン大統領はまたちょっとニュアンスが違うんですけれども、プーチン大統領との間で、双方受入れ可能な解決策を探る、しかも、その関係進展を様々な形で進めつつ、そういった解決策を探るということで一致できたこと自体は私は一定の意義があるというふうに思っています。
○山本一太君 今の答弁もよく中身は分かりません。つまり、引き分けの意味もこのいわゆる双方が互いに受入れ可能な解決策というのもよく分からなかったと言っているのと同じだと思うんですけれども。
これ、もう一つお聞きしたいのは、野田総理が我が党の総理経験者である森元総理をロシアに特使として派遣されるという意向をお持ちで、元総理もこれを受け入れられたということだったんですが、その森元総理のロシア人脈、プーチン大統領との個人的な人脈を国益、外交のために生かしていただくというのはもちろん私はいいことだと思いますが、特使を派遣して一体何を政府としては狙っているんでしょうか。森元総理が行けば、プーチン大統領が大統領に復帰したと、個人的な人脈があるからこの領土問題については進展すると、例えば並行協議みたいな話が復活すると、そういう政府の狙いで森元総理の特使派遣ということをお考えなんでしょうか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 政府特使等しかるべき形で森元総理には訪ロしていただきたいというふうに思っています。オールジャパンで外交を進めていきたいというふうに考えています。
その中で、どういう形か、またどういう内容かということについて、今この場で予断を持って申し上げることは控えたいと、これからその具体的な対応も含めてしっかりと考えていきたい、そう思っています。
○山本一太君 今この場で申し上げることは控えたいと言うと、そうすると、何の戦略もなく送るんでしょうか。なぜそんな説明もできないんでしょうか。例えば並行協議みたいな流れをもう一回つくりたいとか、こういう戦略だという大まかなことすら委員会で言えないんでしょうか。
もう一度御答弁ください。
○国務大臣(玄葉光一郎君) これ、必ず委員会の議事録ってロシア側は見ております。ですから、特にラブロフ外相ははっきり私にも、議事録いつも読んでいるんだと、こういうふうに言っておりましたけれども、そういうことでありますから、余りいろんな手のうちを見せるということは私は控えたいというふうに思います。
○山本一太君 大臣の答弁は本当に抽象的でよく分からないんですけれども。
ちょっと、ざっと今回大臣のロシア訪問中に起こったことを書いたんですけれども、本当は、もう毎回のように玄葉大臣の外交に私は好きでけちを付けているわけじゃないんですが、これ、けちを付けざるを得ないということがあって、全体として言うと、本当に申し訳ないんですけど、今回の訪ロの目的は、これ見ても何だったのかと私は思うんですね。
日ロ外相会談だけじゃなくてプーチン大統領との異例の会談もセットされて、何か一見すごく物事が外では進んでいるように見えますけれども、内容を見てみれば、領土問題については進展がなくて、向こうからはこれからも領土にはロシアの高官は行きますとわざわざ言われ、さらに、北方領土についてはどんどん社会経済基盤を整備していきますと言われたと。結局、引き分けと言ったその意味もよくつかんでこれなかったと。
更に言えば、森元総理を派遣するという考え方はあってしかるべきかもしれませんが、何かどうも本当に戦略を持って派遣を考えているのかということよく分からないし、更に言えば、もちろん秋田犬をあげたことはよかったと思いますよ、秋田犬を。シベリアネコをもらったことも、こういうヒューマンタッチのことはいいと思うけど、だからといって別に日ロ関係が進展するとか北方領土問題の解決の糸口が見られるとかいうことじゃないと思うんですね。
これはやっぱり玄葉大臣も感じられていると思うんですけれども、民主党分裂して、参議院でももしかするともう間もなく第一党を転落するかもしれないと。大体、私はロシアの政府筋でも、こんな政権基盤が不安定な政権で、秋まで総理も総理にとどまるかも分からないと、これだったら最初から足下を私は見られていると思うんですね。
やっぱり一刻も早く、まあこれは玄葉大臣に言うことじゃないんですけれども、解散・総選挙で政治をリセットして、ある程度安定した勢力をつくらないと、私はもう日ロ外交というものは進められないと思うんですよね。その点については何かお感じになりませんか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 私も、かねてからの持論で、やはり外交を進めていくに当たって、一般論で申し上げれば、やはり政権の基盤というものが安定していく、どういう形かは別として安定していくということは、私は大事なことだというふうに思っているということは申し上げたいと思います。
○山本一太君 ちょっともう時間なんで最後に申し上げたいと思うんですが、大臣、やはり外交は行けばいいというものじゃないと思うんですよ。さっき言ったように、日ロ関係を悪化させたくないから、首脳会談の後で首相が北方領土を再訪問しても、とにかく悪化させないから会うとか、会えば成果じゃないということは是非頭に置いておいていただきたいし、玄葉大臣もいろんな知恵を駆使していろんなことをやろうとされていますが、例えば沖縄の問題でも、ここで何度かやりましたけど、嘉手納以南の返還について、パッケージさえ外せば今までよりも先に進むとか、やっぱり余り確証もないのに表面的なことだけで何か外交の成果としてアピールするような傾向がやはり特にこの政権にあると思うので、そこら辺はしっかり戦略を固めてやっていただきたいと思います。
いつもより優しいんですけど、今日はこれで終わりたいと思います。
○宇都隆史君 おはようございます。自由民主党の宇都隆史です。
本日は、今回審議をいたします四つの条約にまず関して質問させていただきますが、この四つの条約、特にこの委員会において深く詰めなければならないような論点、問題点があるのではないかというのは特に私としては見当たらないのではないかなと、非常に賛成に値する条約であると、このように思っています。
その中で、一点だけちょっと確認をさせていただきたいと思っておりますが、これは外務省に。
通称ACTAと言われる、知的財産権侵害物品の拡散防止のためのこれ法的枠組みでありますけれども、現在、これ加盟している国が九か国というように聞いております。日本、オーストラリア、カナダ、韓国、モロッコ、ニュージーランド、シンガポール、米国、そして今年に入ってメキシコが加盟したと。中国が入っていないわけですよね。
これは世論的にも、中国の知的財産権の守らないということに対しては、非常に神経をとがらせている企業であったり、あるいは一般の方も多いと思われますが、外務省として、今、中国をこの枠組みに引き入れるための外交交渉、どの程度まで進んでいるのか、あるいは見通しとしてどのようにとらえているのか、あるいは中国政府の反応はいかん、この辺を教えてください。
○国務大臣(玄葉光一郎君) それは宇都委員がおっしゃるとおりなんです。つまり、中国が最終的に参加するかどうかでこの協定の意義の大きさというのが結果として違ってくるというふうに思っています。
じゃ、どうしているんだということですが、去年の十月に対話を開始をしました、中国との間でですね。中国に対してこの内容について説明を行ったということです。その上で、ACTAと中国の国内法の整合性について共同で研究を行う場を今設けたいというふうに考えています。
○宇都隆史君 最後に付け加えたその中国政府の取組というか、中国政府としてこのACTA締結に向けて前向きであるのか、それとも余り政府としてはこれに入りたくないのか。その辺、外交交渉をしている感触として、外務省としてどうなんですか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) これは、今この公式な場でちょっと申し上げるほどの確信は率直に申し上げてないんです。今、とにかく働きかけを丁寧に、それこそ先ほどのEUじゃありませんけれども、中国に、こういった場を設けたので、その場を通じて行っていきたいというふうに思います。
○宇都隆史君 外務省の事務方を通じてお聞きをしている情報では、中国政府としても、国内の法整備をきっちりと整えて国際社会の中で信頼に足るような形をつくっていかなければならないということで、決して完全な後ろ向きな姿勢ではないというふうには伺っております。できるだけ早くこの枠組みの中に入れて、中国政府にも強く、国際社会の中で一流国としての対応を取るような姿勢を促してやっていく、その一番正面に立って日本政府として働きかけをしていただきたいと思います。
条約に関しては以上の質問で終わらせていただいて、次に日ロ外交についての質問をさせていただきます。事前にちょっと通告をしていた細かい内容からは若干はしょりますが、御了承ください。
日ロ関係、今非常に最悪の状態にあるのではないかなという認識を個人としてはしております。そもそも一番近々であった現象としては、野田総理がプーチン大統領と会談をしたたった半月後にもかかわらず、北方領土を訪問された。訪問というよりは、我々の方からしてみたら不法入国ですよね。しかも、その野田総理とプーチン大統領の会談の中では、野田総理自ら記者団に対して、領土問題の議論を再活性化することで互いに一致したという、こういうコメントを出したわけです。この再活性化を図るというコメントがあったのかなかったのかというのは、その後に、つい先日でしたけれども、報道ベースで実はそんな事実はなかったんだということがありましたけれども、国民は非常に外務省に対して不信感を私は持っていると思うんです。
今、近々の内閣府の調査で、ロシアに対して親しみを感じないという日本国民、何%でしょう。八二・九%だそうです。非常に不健全な状態だと思いませんでしょうか。私は逆だと思うんですね。政治のお互いのぶつかり合い、非常に激しくぶつかり合いをやってもいい、しかし、国民感情としては決してその相手に対して不快感を持っていない、逆に半数以上の親しみを持つ人たちがいる、これが健全な外交の状況じゃないのかなと。今は逆ですね。政府同士としては非常に波風を立てないような外交交渉をしていて、でも、実際国民感情としては非常に悪化しているという現状にあるんだと今思っております。
そこで、今後また北方領土に対して新たに高官が不法入国するというようなことが起こらないとも限らない。今回の外相会談の中でも、会談の中ではなかったですが、終わった後にラブロフ外相が今後も訪問は控えることがないという発言をされていますけど、これ、今後政府としてどのように対応されるおつもりですか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) これはもう当然我が国の立場と相入れないわけでございます。
その上で、今後の、仮定の質問でありますけれども、当然適切にそういったケースで対応することになりますが、やはり今回私が訪問して幾つか今回言いたかったことというのはあるわけでありますけれども、そのうちの一つはやはり相互信頼と国民感情への配慮ということでありますから、今回そのことをプーチン大統領にもお伝えをしたと。そのことを踏まえながら適切な形で対応しなければならないというふうに思います。
○宇都隆史君 具体的にちょっと教えていただきたいです。次、もし高官が北方領土に行かれた、そのときの抗議の手段、どのレベルでどういう抗議をなさる。まだ言えない、でしたらいいです。
では、前回メドベージェフ大統領が北方領土に不法入国したときは、どのレベルでどういう抗議をなさいましたか。これは二回目でしたよね、メドベージェフ大統領が北方領土に入国したのは。この二回目の対応をちょっと教えてください。
○国務大臣(玄葉光一郎君) あのときは、佐々江次官から駐日大使を呼んで抗議をしたというのがそのときの事実関係でございます。
○宇都隆史君 次官が大使を呼んで直接遺憾の意を表明したという対応だったわけですね。一回目と何ら変わりがなかったんではないでしょうか。自民党側からも、これは外務大臣として、あるいは官邸として正式な表明として遺憾の意を示すべきではないかという、こういうような意見具申をしていると思うんですけれども、そのときはなさらなかったわけです。
今後、どうですか、また同じように大使を呼んで次官レベルで遺憾の意を表明する、同じレベルの反応をするつもりでしょうか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) ちょっとそれ、仮定の質問なので、今後、例えば政府要人、例えば今回も外相会談の中で、余り中身言うのはどうかと思いますけど、自分も〇七年に北方四島を訪問したとかと言っていましたけどね、ラブロフ外相も。
やっぱり、その時々で誰がどういう形で行ったのか、今回私はまさに訪ロしたときにいろんなことを伝えているわけでありますから、当然そういったことを踏まえた対応になるということだと思います。
○宇都隆史君 なかなかこの委員会の場では具体的に何をするというのは言えないというお立場もよく理解した上で、ただ、今の外務省の対応を見ていると、何かが起こったときにそれを対症療法的に、事後的に対応しているような気がするんです。
ですから、やる前にそれを抑止する何かの手当てというのをもう少し考えられた方がいいかなと。外務省の職員を北朝鮮に派遣してみてはどうでしょう。向こうの外交戦略を勉強するとか、北朝鮮とかに。例えば、やる前に、もし北方領土に不法入国したときは日本政府としてはこういう処置をしますからねと事前に表明してはどうですか。そして、やったからには必ずそれを実行する。そして、やるたびにこういうことをやりますよというハードルを上げていく。私、それは外交の基本だと思うんですけどね。
是非、次起こったら何を対処するかではなくて、起こさないためにそのくさびを打つことを外務省全体としてちょっとお知恵を使っていただきたいと思います。なかなか難しい問題ではありますが、よろしくお願いいたしたいと思います。
続きまして、GSOMIA、日韓秘密情報保護協定、これの締結の見送りが起こった件について質問させていただきたいと思いますが、もう六月二十九日に締結されるだろうと私も踏んでおりましたら、一時間前になって向こうの韓国外交通商部長官金星煥さんから電話連絡が入って、まあ御破算ではないですけれども延期になったということを伺っております。
まず、防衛省にお伺いしたいんですけれども、この本協定の意義、どうして韓国とこの秘密情報保護協定を結ばねばならないのかということを教えてください。
○国務大臣(森本敏君) 議員御承知のとおり、一般にこのGSOMIA、いわゆる情報保護協定というのは、双方に交わした秘密情報を適切に管理をして、その管理をするときの基本的な原則とか枠組みを協定という形で結んだものでございます。
日韓のGSOMIAは、日韓で交わした防衛関係の、いわゆる普通の言葉で言う軍事情報、防衛情報、これの情報交換をやった場合に、その情報を適切に管理をして秘密を保護できる、漏れないようにする、そのことによって、両国の安全保障協力や安全保障対話を、この情報交換を円滑にすることによって行うということを目的として締結しようとした協定でございます。
○宇都隆史君 つまり、要約いたしますと、現在の状況では、お互いに必要な情報を交換したときにそれを適切に管理するというのを約束しているような何か明確なものがないと。今回のこのGSOMIAを締結したからといって、お互いが持っている防衛情報がだだ漏れになるといいますか、自動的にお互いに共有する、こういうものではないという、こういう理解でよろしいですね。
○国務大臣(森本敏君) 交換された防衛関係の情報を両国が責任を持って適切に管理をする、そのことによって、例えば機微にわたる軍事情報がお互いに交換された場合も、その協定に基づく基本的な枠組みの中で秘密を守る、こういう基本的な枠組みを定めた協定でありますので、この協定を結ぶことによって一層情報交換が円滑に行われるということになるのではないかと思います。
○宇都隆史君 韓国側が事前になってこの延期を申し入れてきたその背景には、韓国政府がこれを締結させるのに当たって、若干、秘密裏にという言い方を韓国の報道はしていますけれども、国民にオープンにしないうちに進めてきたことが非常に反政府感情を高めたというような記事がありましたけれども、これ、我が国においても似たようなことだと思うんです。
といいますのは、特にネット世代の、若者世代の中には、韓国とこんな情報を結ぶ必要なんかないと、我が国にとって百害あって一利なしだというような意見が結構出ているんですよ。どうしてそんなことを言うんですかという確認したら、こんなものを結んでしまえば我が国の防衛情報が全て向こうに明らかになってしまうと。全くその中身をよく理解しないままに、ただ表面的な反対をする層も結構増えているような気がしてならないんですね。
防衛省は防衛省で、これはそういうものではないんだと、必要に応じて必要なものをお互いにやり取りするだけで、その管理を第三国等に勝手に譲り渡さないように適切に管理する情報であって、これは我が国の国益に非常に合致するものであるということをやっぱり説明していただく必要があるんではないかと思います。今後、それは防衛省としてもお願いしたいと思います。
そして、外務省にちょっとお伺いしたいんですけれども、私はこれ、質問主意書を出しました。どういう主意書を出したかというと、この金星煥外交通商部長官が、韓国の国内事情、特に国会との関係から本協定の署名の延期を要請することとなりましたので、是非日本側の理解を求めたいと、こういう連絡をしてきた。外務大臣の方からは、韓国側の説明は理解したということで今回延期されたというふうに聞いております。
この韓国側の国内事情、国会との関係、どれを、何を一体理解されて今回延期を了承したというふうに外務大臣は言われたんですか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 金星煥長官も李明博大統領もこのGSOMIAについて強い意欲を持っていたわけです。私も金星煥外相と会談するたびに、実はGSOMIAについてはお互い結ぼうじゃないかということを言ってきました。韓国側も、少なくとも政府のレベルでは何とかこれを進めようということでいろいろな知恵を働かせようとしたんだと思うんですが、かえってそれが裏目に出たといったところなのかもしれません。
そういった中で私が電話会談で申し上げたのは、もう大変残念だと。ただ、承服しかねると言っても仕方がありませんから、それは国会がそういう状況だということであれば、それは一時間後に署名するということについて、そのことについてできないというのは仕方がないねという意味で理解しますと。ただ、今後も是非、この重要性は変わらないので、しっかりそれを行っていこうというような話をしたということであります。
○宇都隆史君 お互い国を双肩に担う外務大臣としてお立場は非常に理解します、これはよく分かるんです。ただ、それと玄葉外務大臣が我が国の外務大臣としてそれをどういうふうにプレゼンスするかというのは、これまた別の問題です。今、承服しかねるというのはなかなか言えないからと言いましたけれども、私は、ある程度それは理由的に締結しないという理由にならないと、非常に不愉快だというような発言をやっぱりしなきゃいけなかったと思うんです。そうは思われませんか。
私はこれ、質問主意書の中でも質問をしましたけれども、こういうことを気にしているわけです。今回の外務大臣が韓国側の立場、説明を理解したというふうにして延期したことで、韓国側の国内感情の背景には歴史認識があるわけですよね、植民地時代の支配であったり慰安婦の問題が解決していないとか、そういう問題に対してある一定の理解を日本の外務大臣も示したんであるというメッセージを与えないかと、それが非常に不安なんです。これについて外務省、どう思いますか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) これは、あの後、日米韓の外相会合もありまして、そのときも立ち話でこの話もしました。また、立ち話以外でも、日米韓の中でも部分的にそれに類する話がなかったとは言えないんですけれども、先ほど宇都委員が指摘をされたような、例えば慰安婦の問題とか歴史の問題とかというのとは全く別個であるということについて、当然ながらそれは金星煥長官も分かっています。そういう中で、あくまで、あの電話会談でもそうだったんですけれども、早期に締結できるようにしっかりやってほしいということを言いましたので、そういったことについての誤解は全くないというふうに思っています。
○宇都隆史君 金星煥さん個人はよく理解していただいていると思うんです。ただし、韓国の外交通商部長官としての金さんはそうは思っていないんです。
それが証拠に、今月、もう一週間ぐらい前でしょうか、御党の前原誠司政調会長が訪韓されていますよね。そのときに金長官と、七月十六日です、昼食されて、そのときに金長官が何とおっしゃったか。金長官は、今回のGSOMIAの見送りは、米ニュージャージー州における慰安婦記念碑、これの撤去運動が日本で起こったことが国内世論を悪化させたんだと、そのことによって延期したんだという発言をされた。これはオープンな記事になっているわけですよ。今言われたことと若干違いますよね。つまり、金さん自体、個人としては、確かに外務大臣とのいろんな話合いの中でよく理解していると思うんです。ただし、韓国政府としてそういう対応は取っていない。
であれば、我々も、政治の面としては、今回のGSOMIAの延期、これは極めて不愉快であると。先ほど玄葉大臣言われたじゃないですか、慰安婦の問題、歴史認識の問題、その問題と国の安全保障のこのGSOMIAを結ぶという問題は全く別個の次元の問題だと。このことは、やはり外務大臣としてはっきり言うべきであると私は思います。
非常に、韓国の政府としての対応と、それから人間同士のこの関係、これをごっちゃにし過ぎているなということを民主党政権になってから強く思います。あの二十二年の八月十日に発表しました日韓併合百周年における菅談話から始まって、昨年の十月には野田総理が訪韓されて、朝鮮王朝儀軌も引き渡し、この委員会でもやるべきではないということをさんざん議論いたしました。日韓通貨スワップについても、向こうに対して、特段感謝の意も受けませんでした。
そして、今年五月は李明博大統領が日本に来て、わざわざ大統領自ら慰安婦のことに触れて早期解決の努力を日本政府に求めるということを言われましたけれども、やはりこういう余り感情的な論理をエスカレートさせていくと、先ほどのロシアの例でもないですけれども、日本における反韓感情というのも非常に広がっていきます。それは健全ではない外交状態をつくり出しますので、やはりぶつかるなら政治の世界、政治の世界でちょうちょうはっしやると、国民感情を余り悪化させないという形のやっぱり姿勢を外務大臣として強く取っていただきたいと思います。
最後に、韓国に関して、このGSOMIAからちょっと離れますけど、外務大臣の御意見をいただきたいんですが、韓国が全世界で日本とのぶつかり合いがあるところで世界側を味方に付けようという運動を一生懸命繰り広げておりますが、日本海の表記を東海としろということを一生懸命やっていますね。オーストリア学術院の地理学専門家もこれを認めて、オーストリアの教科書にはこの東海が併記されるようになるそうです。また、フランスのアトラス出版社という非常に大きな地図の出版社ですが、そこにも働きかけをして、この世界第二位の地図の量を誇っているアトラス出版社も併記をすると。
これに関して、玄葉外務大臣はどのようなお考えですか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) これは大切な指摘だと思います。
これは当然、断固反駁をしていかなきゃいけない話であります。当然、オーストリア、フランスにも申入れをしておりますけれども、かなり韓国の場合は組織的にやっているんですね。そういう実態をやはり踏まえて、外務省として体制も含めて考えていかないといけないというふうに思っています。
○宇都隆史君 やっぱり我が国の固有の地名というのをしっかり守っていくというスタンスの御答弁だと思います。
さて、そこで、尖閣諸島における問題にちょっと移らせていただきたいと思いますが、防衛省にまず確認しますけれども、尖閣諸島の中に大正島、久場島というこの二つの島がございますが、ここは日米地位協定の中で米国に対して米軍の射爆撃場として差し出していると思います。
この射爆場の名称を教えていただけませんか。
○大臣政務官(下条みつ君) 先生、お答えさせていただきます。
昭和四十七年五月の日米合同委員会において、地位協定に基づき米軍への提供を合意して以来、赤尾嶼射爆撃場及び黄尾嶼射爆撃場としての名称が用いられております。
○宇都隆史君 お手元に配付しております資料①を御覧いただきたいんですけれども、(資料提示)これが防衛省の沖縄防衛局防衛施設図としてオープンにしている、公式に出しているものです。今御答弁いただいたように、赤尾嶼射爆場、これが大正島ですね、そして黄尾嶼射爆場、これが久場島の方になっております。
これ、実は今、中国が正式名として、地名として使っている島の名前なんです。ですから、中国名でこういうのを表記するのはおかしいと、大正島、久場島と、それぞれの射爆場に変えるべきではないかということを、実はこういう委員会開かれる前に再三にわたって防衛省に投げかけてまいりました。同委員会の同僚委員の佐藤正久議員もこれは質問主意書の方で投げかけておるんですが、防衛省に確認したところ、実はこれは所掌は外務省だというわけですね。外務省の方に、やっぱりこれは変えてくれといいまして質問主意書を出しましたら、外務省からは、変えなければならないという意義を今のところ感じていないという見解だったんです。
外務大臣、やっぱりこれはどうでしょう、変えるべきではないんでしょうか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) これは、恐らく宇都委員は御存じでお聞きになっていると思うんですけれども、この赤尾嶼、黄尾嶼の名称、明治四十年、旧海軍の水路部が刊行した地図でまず使用されている。昭和八年、旧参謀本部陸地測量部が刊行した地形図及び昭和九年に刊行した地勢図においても使用されたというふうに聞きました。
ですから、そういう意味では従来から我が国でも使用されてきているものだろうということで、先ほどのような見解になっているというふうに承知しています。
○宇都隆史君 私も、帝国陸軍のその地図、国会図書館にお願いしまして、やっと探し出しました。そのとおり書いてありました。ただし、旧帝国軍との関係を異常に嫌う外務省がこういうときだけ旧帝国軍を引き合いに出して、これが根拠だと言われるのは非常に違和感を感じてならない。
これ、歴史をちょっと外務省もよく勉強していただきたいんですけど、元々は、この赤尾嶼、黄尾嶼というのは琉球王朝が使っていた名称なんだそうですよ。それで、それをそのまま帝国軍も使っていたということなんですが、実はこの名称が、一九七〇年以降、中国それから台湾がその領有権を主張し始めたきっかけになる物すごく大きな、キーとなる名称なんです。
資料の②をちょっと御覧いただきたいと思うんです。二つの地図を資料②、③で出しております。これは台湾の国防研究院が出している地図なんです。上の資料②の地図が一九六五年、つまり領有権を主張する前ですね。次のページの資料③が一九七一年で領有権を主張した後なんです。
御覧になったら分かると思いますが、まず、尖閣諸島は、領有権を主張する前は尖閣群島という書き方をしていて、赤尾嶼、黄尾嶼ではなくて、赤尾礁、つまりサンゴ礁の礁ですね、赤尾礁、黄尾礁という言い方をしていた。六五年の地図にはちゃんと日本語表記で下に仮名が振ってある。「Kobi‐sho」、「Sekibi‐sho」と振ってあるんです。それが七一年の地図になると、これが黄尾嶼、赤尾嶼になって、しかも、読み方もツーウエイ・ユとかファンウエイ・ユと向こうの中国表記で書かれて、しかも、国境線を見てください。国境線も台湾のところじゃなくて、尖閣は台湾側に入っているように書かれていますよね。
これがきっかけなんですよ。台湾、つまり中華民国がこれを主張し始めたから、今度は中華人民共和国が、中華人民共和国は台湾を別の独立国として認識していませんから、同じように、これは我が国の領有であると。これを根拠にしているわけです。その根拠の基になっている名称なんですよ、この名称は。
だから、地位協定の中で、分科会でしたか、施設分科委員会で決まっている、文章になっているというのはもちろん分かるんですけれども、私はやっぱりこれは、火種になったきっかけでもある名称なので、絶対変えなきゃいけないと思うんです。
そこで、外務省はかつて帝国軍が使っていたからいいじゃないかと言うんですけれども、じゃ、現在において、政府として公式な地名は何なんだということを調べました。どこが決めているのか全然分からないんですけれども、資料の④を御覧ください。④の1、これ国土地理院の資料なんです。国土地理院は、地図を作るときにどういう名称にするかということを決めるときに、地元の方々に電話をして、昔からどういう名称を使っていますか、今どういう名称を使っていますかという確認をするらしいんです。確認をした上で、地元の市町村からこういう形で、官報で、公式な文書でこういう名称にしてくださいという文書を依頼して、それを残して地図に反映させるらしいんですね。
これは、平成十五年、石垣市長が国土地理院に出した資料ですけれども、赤尾嶼、黄尾嶼という旧名称から、大正島、久場島という新名称に変えてくださいという文書ですよね。実際、資料の④の3にも国土地理院がこれを訂正してこのように書いたというふうに写っています。
それから、資料⑤の1を見てください。これは、今度は、じゃ国土地理院が地図に書いたから我が国政府としての公式なものなのかなというのに当たらないんじゃないかなと思ったので、登記簿を調べてみたんです、どのように登記されているんだろうかと。これは法務省の民事局民事課が担当になるんですね。⑤の1の資料、所在というところを見てください、上から三行目。石垣市字登野城大正島と書かれていますよね。赤尾嶼としては書かれていません。大正島ですかね。(発言する者あり)あっ、登野城ですかね、ごめんなさい、登野城。⑤の2が、石垣市字登野城久場島と明確に書かれているわけです。つまり、登記上を見ても赤尾嶼、黄尾嶼とは載っていないわけですね。
そこで、内閣官房にお伺いしたいんですけれども、日本政府として島の名称等のこの法的な根拠、今公式に我が国はこの島はこういうふうに名称していますというのは、どこが扱って何が根拠になるんですか。
○政府参考人(小野芳清君) お答えいたします。
島の名称を含めまして地名につきましては、今先生御指摘のとおり、地元の呼称などを確認する、そういった必要な作業を行いまして、地図については国土地理院、それから海図については海上保安庁において、それぞれ相互に調整した上で地図や海図に記載する名称を決定しているというふうに承知してございます。
○宇都隆史君 ちょっとやっぱりそこが曖昧でよく分からないんですけれども、やはり政府として公式な名称というのはどこが決めるのかというのを明確にすべきだとまず一つは思います。
それで最後に、もう時間もありませんので、防衛大臣、外務大臣、それぞれにお聞きしたいんですけれども、やはり実効支配という話になったときに、あそこに何かを造るというのはこれはなかなか難しくなってくる。ただし、名称を、米国との地位協定を改定して、しっかりとした今公式に日本が使っている名称に変えるというのは、これは難しい話じゃないと思うんです。
外務大臣、防衛大臣、それぞれ、これもう一度再検討に値するということで考え直してみていただけませんでしょうか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) まさにこれ、大正島と久場島なんですが、射爆場の名前がそうだと、こういう話なんでありますけれども、初めて私知ったことも今日ございますので、ちょっと勉強させていただければと思います。
ただ、一つだけ言えることは、呼称によって我が国の領有権の問題、そもそも領有権問題は存在しないわけですが、歴史的にも国際法上も尖閣諸島、我が国固有の領土であることは疑いはない事実であるということは改めて確認はしておきたいというふうに思います。
○国務大臣(森本敏君) この今の先生の御提案というのを私は細かく知りませんでして、といいますのは、この島の名前というよりかは、むしろ日米地位協定第二条一項(a)に基づいて米国に提供されたいわゆる射爆場として名称を考えていて、その射爆場として名称を変えるときには日米合同委員会の下部組織である施設分科委員会にどういう手続をするかという観点でこれを考えていたので、つまり米軍施設として考えていたので、島そのものの名称をどうしろという御提案なので、これは防衛省だけで……(発言する者あり)名称そのものですよね。名称も射爆場の名称ですね。島ではなくて射爆場そのものの名称、射爆場の名称ですから、それは日米合同委員会の下部組織で日米で協議をするとき、日本側が提示するというか、提案しないと変更できませんので、外務省と相談をして考えてみようと思います。
○宇都隆史君 終わります。ありがとうございました。
○佐藤正久君 自民党の佐藤正久です。
マルチ四条約に入る前に、何点か確認させていただきます。
今の宇都委員からも御指摘ありましたけれども、やっぱりこの名称や住所、非常に大事だと思っています。外務大臣、もう再三質問していますが、グーグルジャパンの地図、これで検索すると竹島が韓国の住所になっていると。これ、改善されましたか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) これはもう再三にわたって申入れしているんです。グーグルマップにおける表記には、おっしゃるとおり、そういう誤解を与えるものがあって、これは我が国の立場に照らし受け入れられないということで、グーグル日本法人に対して修正するように再三要請をしているということでございます。
残念ながら、十分な結果が得られていなくて、先般も実は申入れを行ったんですけれども、まだそこの点については訂正されていないということでございます。
○佐藤正久君 全てやっぱり外務省は意欲が足らないんですよね。政務三役も動いていない。やっぱりここは強く言わないと、直るものも直らないですよ。一年以上お願いしていても何も変わらない。竹島を検索すると韓国のウルルン郡の住所が出てくる。おかしいですよ。また、防衛省も、今、宇都委員のこの資料、射爆場の資料、防衛省の資料、一枚目を見ると琉球列島となっている。何ですか、それ。防衛省は琉球列島という言葉使っている。おかしいですよ、これも。そういうのを全部合わせて改善を求めたいと思います。
次に、シリア情勢ですが、ゴラン高原には自衛隊から部隊要員が派遣されています。昨日の外務省の説明ではゴラン高原では衝突は起きていないということでしたが、今朝の報道では、ゴラン高原のUNDOFの監視ポストの近くでも、今月の十九日、二十日、シリア軍が侵入して銃撃戦になったと、二十三日には砲弾が撃ち込まれたというものがあります。イスラエル政府は合意違反として安保理に書簡で申立てをしているというものがあります。
これは昨日の外務省のゴラン高原では衝突は起きていないという説明と全く違います。八月下旬の自衛隊の部隊交代の前にあえて情報を隠しているんじゃないかという疑念すら起きてしまう。民主党のやっぱりイメージは、原発も再稼働ありき、オスプレイも配備ありき、ゴラン高原も派遣ありきで情報隠蔽というふうに思われてしまう。
防衛大臣、イスラエル政府のこの申立て、承知をしておりますか、おりませんか、イエスかノーでお答えください。
○国務大臣(森本敏君) どういう申立てが行われたか、詳細を確認中ですが、いずれにせよ、この停戦監視及び兵力引き離しの任務を持っているUNDOFが引き続きその任務を実行しているということに変わりはないと思います。
○佐藤正久君 そうではなくて、外務省は衝突が起きていないと言っているんですよ。
外務大臣、事実関係どうなんでしょうか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 今おっしゃったイスラエルによる抗議というのは、七月二十日、十九日のシリア治安部隊と他の武装勢力との間のジャバタ近郊における戦闘中、シリア軍の兵士が一九七四年にイスラエルとシリアとの間で締結された兵力引き離し協定に規定される兵力引き離し地帯内に侵入したことは明白な同協定違反であるとして、国際社会及び国連安保理が本事案を重大な懸案事項として対処すべきことを訴える書簡を発出したというのは事実であります。
○佐藤正久君 それは外務省はこれは確認をしていないと。昨日の説明では、ゴラン高原のその非武装地域含めて衝突は起きていないという説明でした。これは外務省は確認していないということですか。昨日は起きていないという説明でした。確認していないのか、どちらなんですか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) ちょっと昨日説明に行った方がどういうふうに表現されたのかは私存じ上げませんというか、承知しておりませんけれども、少なくともこのイスラエルによる抗議については確認をしているということです。
○佐藤正久君 やっぱり私考えるに、民主党政権、隊員の命を軽く考え過ぎですよ。十九日、二十日にこういう事件が起きてイスラエルが申立てしている、これは自衛隊の系統でも上がってくるはずです、普通は。私も派遣隊長でした。当然、そういう大きなものがあったら、司令部要員もいる、当然系統で上げてきますよ。大臣が確認中、これはやっぱりおかしいし、また、外務大臣も十分下から上がってきていない。やっぱりこれは非常に危ういと思いますよ。
来週の八月七日には、閣議で、ゴラン高原での活動延長を求める、そういう決定をするというふうに聞いています。政府には、その前に、シリア情勢、特にゴラン高原の情勢とPKO五原則との関係を当委員会に報告を求めたいというふうに思います。
また、UNDOFへの自衛隊派遣、シリア情勢に関する集中審議を求めたいと思います。
○委員長(福山哲郎君) 後刻理事会で協議いたします。
○佐藤正久君 そのPKOに関してもう一つ、えっと思ったことがあります。PKO協力法の改正であります。これは総理もかなり積極的に発言を国会の方でもされていた、私も実際確認をいたしました。官房長官は、今月の二十七日、記者会見で、本国会でPKO協力法の改正案の提出、これは困難という認識を表明されました。
玄葉大臣、なぜ昨年から検討しているのに、いまだ政府・与党内の検討が終わらないんでしょうか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 今内閣法制局との調整も含めて行っているところで、おっしゃるとおり、残念ながら今国会提出は少し難しい状況でありますけれども、最後まで検討を続けたいと、そういうふうに考えております。
○佐藤正久君 まさにこれが、みんな、国民がやっぱり民主党政権に思っている残念なことの一つなんですよ。議論しても決められない。もう昨年からずっとこれやっているんですよ、大臣も御存じのとおり。もう議論しても決められないのが民主党の、政府・与党の現状で、民主党は綱領作成というものにもチャレンジしましたけれども、結局、綱領を作るのも断念した。樽床議員によると、理由は、党内がばらばらになるから綱領を作成するのを断念した。何で、党の背骨でしょう、綱領、作るとばらばらになる。これは本当に、まさに今の民主党の実態を表している。
大臣、でも、この瞬間も自衛隊員の方は現場で結果を出すために、非常に制約された中でも汗をかいているんですよ。だから、それを何としても少しでも改善しようというのが今回の改正でしょう。それを全然決められない、本当に悲しいと思いますよ。
防衛大臣、PKOの現場で、例えば、隊員の五十メーター前に日本のNGOの方がおられた。それが、武装集団ではない、あるいは本当に盗賊のような方にも、分かりませんけれども、そういう襲撃をされている。でも、自衛隊は、その日本の民間人を守るためにも、今、駆け付けていって武器を使うことはできません。これは今回の一つの改正点の論点なんですけれども、でも、PKO派遣隊員は、武器等防護のための武器使用はできます。PKOの隊員は、民間人を守ることはできなくても、武器を守るために武器を使うことができる、これってやっぱりおかしくありませんか、防衛大臣。
○国務大臣(森本敏君) 御指摘のような場合に、その国が持っている機能を補完するため、我が国のPKOの部隊がどうやれば文民の生命を守る活動ができるか、これも今回のPKO法の改正の大きな論点の一つで、外務大臣の御説明のように、依然、政府の中で議論しているところです。
私は防衛大臣なので、出しておる自衛隊員がそのような状況で決断や判断を迷うことがないように全体の枠組みを決めてほしいということを従来から主張し続けて、この点についても、現在、政府関係部内で議論をしているところです。
○佐藤正久君 これはもう本当に、迷うことがないって、迷いますよ。だって、武器は守れても民間人は守れない、どう考えても変ですよ。
今、なぜ武器を守ることができるか。これは我が国を守るための一つの手段のアセットだと、それを守ることは、当然、自分の国の自然権、自衛権の中の当然の範囲だということで、これは相手が国又は国に準ずる組織でも武器を使って武器を守れるんです。それは当然、自分の国の防衛力の一部だから。
でも、少なくとも我が国の民間人を守る、これは国としての自然権の一つだと私は思いますよ。大臣、違いますか。
○国務大臣(森本敏君) 今申し上げたように、そのような場合に、自衛隊員が文民を救うために武器を使用するという場合、今議員がおっしゃったように、判断に迷ったり困ったりすることが決してないように全体の枠組みを決めてほしいということを言い続けて、現在、政府部内で調整をしておると、こういう状況でございます。
○佐藤正久君 大臣、そういう発言しちゃ駄目なんです。
いいですか、自衛隊員が迷うのが大事なのか我々の同胞の命が大事なのか、そういう議論もしないといけないんです。自衛隊員が迷うからどうのこうのというよりも、本当に我が国の同胞、日本人を守る、そういう発想が必要なんです。だから、ほかの国は当然自国民を守る、自然権の範疇で動いているんです。
在外邦人等の輸送についての議論も、我々自民党はみんなで議論をして、在外邦人、これを命を守る、これはやっぱり国としての任務なんだということで、別に、これは武器等防護と同じように、国又は国とはまた別体系での法体系を一応理論として法制局とやりながら確立して法案を出させてもらいました。今回の国際平和協力一般法についても、非国際武力紛争地域という概念の下に出させてもらいました。
今回、隊員が迷う、迷わない、これも大事です。でも、一番は、少なくとも我が国のNGOの方々が襲われている、それも盗賊に襲われているときに、近くに日本のPKO隊員がいても守れない、これはやっぱりおかしいんじゃないかと、そういう視点からの議論も、防衛大臣、私はすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(森本敏君) 我々は行政府の一員なので、憲法の最終的な解釈というのは別途にお任せして、政府部内で調整しているところですけれども、今の議員の御指摘を我々はどうやれば実現をし、自衛隊員がその文民の安全を守ることができるか、これは言わばどっちかを選択するのではなくて表裏一体のものだと思います。
他方において、相手がどういう組織であるのかということが明白な場合にはよいのですが、明白でない場合に憲法上許されている武器の使用が可能かどうかと、この点も今回の検討の非常に大きな焦点の一つであって、そこは外務大臣の説明にあるとおり、統一された一つの結論になかなか導き得ないというのが現在の状態でございます。
○佐藤正久君 イラクのときは、PKOとは違う法律で隊員を派遣しました。そのときは非戦闘地域という概念をつくったんです。非戦闘地域の中では、少なくともそういう国又は国準という勢力はいない、そこで武力紛争は起こらないという枠組みをつくったんです。PKOでも当然五原則が担保されている限りそういうことが起きないわけです、理屈上は。その辺の辺りの議論というのは、やっぱりイラクのときにああいう概念をわざわざつくった、これはもっと真剣に議論していただきたい。政治の責任として法制局とやっぱりどんどんやり合って、必要に応じては派遣国の治安権限の一部を譲り受けるという形でも、いろんな知恵を使いながら、やっぱり文民を守るというのは、これは当たり前のことですから、そこはしっかりと議論していただきたいと強く申し上げ、これは次の集中審議の方でも議論していきたいと思います。
次に、オスプレイの問題ですけれども、非常に今までの議論の中で、前回もそうですけれども、住民の説明資料、これが非常にやっぱり不十分。前回も指摘しましたけれども、MVだけではなくてCVの部分もやっぱり載っけるべきだし、事故率も、AタイプだけではなくてBタイプもCタイプも、あるいはその整備に関する部分も今回抜けていますから、そういうものをトータルとしてしっかりと分かりやすい説明資料を作り直す、これは大事だと思いますが、防衛大臣の所見をお伺いします。
○国務大臣(森本敏君) 前回、議員の方から御指摘を受けまして、CVであれMVであれ、ユーザーが違うわけですが、オスプレイそのものには代わりがないので、双方がどのような整備のシステムを採用しているのか。基本的なデータについては現在アメリカに問合せ中ですし、さらに日本から、二つの事故について調査報告が出た後で我が方が分析チームを送ったときに、アメリカ側に、そのそれぞれの航空機のシステム、整備のシステムも含めてアメリカ側から聴取するという計画でいます。
〔佐藤正久君「説明資料を作るかどうかを聞いているんです」と述ぶ〕
○委員長(福山哲郎君) 佐藤君、不規則発言をお慎みください。
○国務大臣(森本敏君) だから、それを聞いてから説明資料を作るということです。
○佐藤正久君 説明資料を作る。
また、もう一つ、飛行要領も非常に沖縄の方は関心があります。例えば、普天間から海の上まではヘリモードで飛んで、海の上でそれからヘリから固定翼モードに変えるとか、そういう飛行要領も日米合同委員会で協議の上決めて、沖縄県民に説明する、安心を与えるということも大事だと思いますが、防衛大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(森本敏君) これは、外務省が主管していただいて新しく編成をした日米合同委員会の中で協議を現在しております。先生御指摘のように、低空飛行を含めて飛行の安全を確保できる枠組みといいますか、全体のやり方、これをどのような形にして地元の方々に安心していただけるか現在協議をしているところで、まだ結論を得ておりません。
○佐藤正久君 是非ともその飛行要領も日米合同委員会でやっぱり議論していただいて、安心感のある飛行要領を住民の方に説明していただきたいというふうに思います。
それと、やっぱり沖縄の方の安心という観点では、〇四年の飛行機の墜落事故、あの後にもう沖縄県警が全然入れなかった、これは非常に残っていますから、今後航空機の事故が起きた場合に、やっぱり地位協定の運用改善で、沖縄県警もしっかり入って原因究明を図ることができるという運用改善もやっぱり日米の方で検討すべき、そしてその結果を沖縄県民に伝えると、大事だと思いますが、玄葉外務大臣の御所見をお伺いします。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 先ほど森本大臣が答弁した件は、運用ルールということで私も大事だというふうに思っておりますので、日米合同委員会で協議をしていきたいというふうに思います。
その上で、今、〇四年の話、平成十六年八月の沖縄の国際大学への米軍ヘリ墜落事故のときの警察が事故現場に入れなかったと、こういう話でございます。現在の日米地位協定上は確かにそのようになっているということなんです。
今回、この問題について取り上げるかどうかということについての御提案だというふうに思いますけれども、そのことについては少し検討させていただければと思います。
○佐藤正久君 やっぱり運用改善なり、是非ともここは検討していただきたいというふうに思います。
それと、このオスプレイ等に関してやっぱり感ずることは、防衛省の体制が、私は前回指摘したように不十分だと思います。防衛審議官の設置も大事ですけれども、統幕と運用企画局の統合、そこで出た財源というものを使いながら、基地対とか広報、そういう機能をもっと強化しないと、同じようなことがこれからも起きてしまう。防衛大臣、防衛省改革、補佐官の経験時代を踏まえて、やっぱりこれは強力に進めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(森本敏君) 防衛省改革の中で御指摘のような改革の内容が提案されていることは確かでございます。よく知っています。知っていますというのは、その後の防衛省の有識者会議のメンバーに加わってこの中身を審議した経緯がありますので、そのときは一教員でございましたけれども、先生の今の問題意識というのは当時からよく理解しております。
どういうふうにすれば、いわゆる運用、内局の持っている運用の機能とそれから統幕の持っている機能と、双方を調和させるかというのは今後の問題でございますので、これは十分に考えさせていただきたいと思います。
○佐藤正久君 よろしくお願いします。
最後に、欧州復興開発銀行の関連についてお伺いします。
今回、この条約というものを発効することによって、北アフリカという部分の雇用創出、非常に促進される可能性があります。私は、一昨年の十二月、まさにジャスミン革命が起きる三週間前にチュニジアにいました。そのときも言われたのは、大学生がいっぱいいるんだけれども、就職がないんだと、それが結局あの革命の引き金になったと言われていますけれども、今回、じゃ、この欧州復興開発銀行関係のやつを受けて、日本政府はどういう形で、そういう大学生含めた就職、あるいはそういう雇用の促進というものに図るお考えがあるのか、それをお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 私も、五月の初旬にエジプトあるいはモロッコなどを訪問をしました。その際にも、今回のこのEBRDの地理的拡大の話というのが出ました。同時に、おっしゃったように、雇用の創出であるとか、あるいは公正なガバナンスをどうつくるかとか、新産業の育成であるとか、そういったことについて、日本政府としてエジプト等に対する支援というものを行っていくという方向を明確に伝えてきたところでございます。
○佐藤正久君 大臣、これをやらないとまた革命が起きるかもしれないんです。そういう面では非常に大事ですので、しっかり取り組んでいただきたいということを申し上げまして、質問を終わります。
○山本香苗君 公明党の山本香苗です。
偽造品の取引の防止に関する協定、ACTAについてまず伺ってまいりますが、先ほど山本一太議員の御質問にお答えになられておりましたけれども、七月四日にEUの欧州議会がこのACTAを圧倒的多数で、反対多数で否決をして批准しないことを決めた。大臣は、先ほどの御答弁の中では、EU側が正しく理解されていないのではないかということを御答弁されておりましたけれども、そんなことを言っても後の祭りなわけでございまして、このEU不参加の影響は大きいわけでありますが、日本政府として、この不参加の影響、どう受け止めておられますでしょうか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 影響をどう受け止めているかということを問われれば、おっしゃったとおり、当面、EU及びEU加盟国がACTAを批准するということは不可能になったわけでありますので、そういう意味では、EUの対応を注視をしながら働きかけをする。ただ、六か国が締結すれば発効はしますので、先ほど山本一太委員の質問にも答弁いたしましたけれども、まずスタートをさせて働きかけていくという道を取りたいというふうに考えております。
○山本香苗君 何か認識が甘いような気がしますが、今回、ACTAを批准することによりまして、今国会成立いたしました改正著作権法以外に新たな国内法整備というものは不要ということでよろしいですか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) はい。おっしゃるとおり、本協定を我が国内で実施するために必要となる国内法令の改正というのは、暗号とかスクランブリングといった技術的手段を回避する装置等の製造規制を導入することのみで、先月、おっしゃったような今国会で成立した著作権法改正において手当て済みということでございます。
そういう意味では、この著作権法改正で、我が国としては本協定上の義務は全て実施可能となっているというふうに承知しています。
○山本香苗君 ACTAにつきましては、EUのみならず、国内におきましても様々な不安、懸念の声がございますので、確認を何点かさせていただきたいと思います。
まず最初に、第二十三条におきまして、「各締約国は、刑事上の手続及び刑罰であって、少なくとも故意により商業的規模で行われる商標の不正使用並びに著作権及び関連する権利を侵害する複製について適用されるものを定める」こととなっております。
ということは、個人が行う違法ダウンロードというものは、ACTAのいう刑事犯罪には、対象には含まれないということでよろしいでしょうか。
○政府参考人(八木毅君) 御説明申し上げます。
今御指摘のございました違法ダウンロードの罰則適用は、これはACTAにおいては義務付けられておりません。
ACTAにおいて刑事罰の適用が義務付けられておりますのは、故意により商業的規模で行われる商標の不正使用、著作権等を侵害する複製等の行為でございまして、いずれも我が国国内法上既に手当て済みでございます。
○山本香苗君 ということは、二十五条におけます差押え、没収及び廃棄という規定は、個人には関係ないということですね。
○政府参考人(八木毅君) そのように理解しております。
○山本香苗君 では、次に二十六条でございますが、二十六条は職権による刑事上の執行という規定でございます。「適当な場合には、自国の権限のある当局が捜査を開始し、又は法的措置をとるために職権により行動することができる」とございますが、適当な場合というのは具体的にどういう場合を指すんでしょうか。
○政府参考人(八木毅君) ACTAの第二十六条は、第一に、故意により商業的規模で行われる商標の不正使用並びに著作権及び関連する権利を侵害する複製、それから第二に、登録商標を侵害するラベル、包装の輸入、使用、第三に、それらの幇助及び教唆等であって、自国が刑事上の手続及び刑罰を定めるものに関し、適当な場合には権限のある当局が捜査を開始し、又は法的措置をとるために職権により行動することができることを規定しているということでございますが、この適当な場合の範囲でございますけれども、これは各締約国の判断に委ねられていると解されます。したがいまして、必ずしも、今申し上げたような犯罪の各類型全てについて権限のある当局が職権により行動できることを国内法令上定める必要はないということでございます。
以上を踏まえまして、我が国としては、同条の実施のために現行国内法令の改正を行う必要はないと判断しております。
○山本香苗君 我が国におきましては、著作権侵害というものは著作権法第百十九条の刑事罰でも親告罪となっておりまして、著作権者が告訴しない限り刑事責任を問うことはできないという大原則があるわけです。
他方、この第二十六条におきましては、職権により行動することができるという規定になっておりますことから、著作権者の告訴を必要としない、いわゆる著作権侵害の非親告罪化というものに当たる規定ではないかという懸念がありますが、これについてはどうお考えでしょうか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 先ほど政府委員から答弁ありましたけれども、結局、職権でやってもよくてやらなくてもいいということなので、日本はまあやらなくていいと、そういうふうに解釈をしているわけです。ですから、第二十六条に関して、適当な場合の範囲について各締約国の判断に委ねられていると。したがって、第二十六条に言う犯罪の各類型全てについて権限のある当局が職権により行動できることを必ずしも国内法令上定める必要はないと。したがって、著作権侵害について、今、非親告罪化という話がありましたけれども、本協定によって各締約国に義務付けられているわけではないというふうに考えております。
○山本香苗君 確認ですが、大臣、今おっしゃっていただいたように、ここをてこにして今後著作権の非親告罪のための法改正を図るようなことは考えていないということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) そういうことでございます。
○山本香苗君 逐条解釈みたいになっていますが、済みません。
第二十七条なんですけれども、ここはデジタル環境における知的財産権に関する執行の規定が定められているわけですが、締約国は、商標権、著作権侵害行為に関し、オンライン・サービス・プロバイダーに対して権利保護に必要な情報を権利者が速やかに開示するよう命ずる権限、つまり発信者情報の開示というものを自国の権限ある当局に付与することができることとなっております。
この規定がいろんな誤解があるのかどうなのかというところなんですが、この規定によって現在のネット規制が更に強化されるのではないかという不安があるわけですが、この点はいかがでしょうか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 結論から申し上げると、現行の規制が強化されるということはありません。
ACTAは、個人の正当なインターネット利用を制限したり、プロバイダーに対してインターネット利用の監視を義務付けているわけではないと。我が国におきましても、ACTA締結に当たり、先ほども申し上げましたが、個人のインターネット利用等に関する国内法令を変更する必要はないというふうに考えております。
○山本香苗君 そこの中で、二十七条の規定の中にも表現の自由に配慮した規定もあるんですが、「表現の自由、公正な手続、プライバシーその他の基本原則」という形の規定があるわけですけれども、その他の基本原則とは具体的に何を示すんでしょうか。
○政府参考人(八木毅君) お尋ねの基本原則につきましては、この第二十七条等に明示されております表現の自由、公正な手続、プライバシーのような基本的な人権や自由をその主たる内容としつつ、更にこれに基づく権利等も含むというふうに解してございます。
具体的にちょっと申し上げますと、例えば、デジタル環境におきまして著作権侵害の疑いのあるものに関する情報の収集、分析等を行うに当たりましては、個人のプライバシーあるいは個人情報の保護に配慮いたしまして、これを不当に侵害しないことを確保するため、法令の定める公正な手続によりこれを適正に行うということが求められると、こういうふうに考えているところでございます。
○山本香苗君 今ネット環境のことについて聞いてまいりましたけど、そのほかにもACTAについてはいろいろと不安な、懸念の声が上がっているわけなんですが、一つはそのネット規制のところだったんですけど、もう一つは、ACTAは医薬品やサービスなど幅広い分野を対象としていることからジェネリック医薬品の流通阻害につながる可能性があるということも指摘されておりますけれども、そういう可能性はないんでしょうか。ないというのであらば、その理由は何か、一緒にお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(八木毅君) ACTAにおきましては、特許権はそもそも基本的に保護対象としておりませんことから、ジェネリック医薬品等特許権の問題には本協定は関与しないというふうに基本的に理解しております。
また、ACTAは、商標権の侵害物品等への対応について規定するものの、認可されたジェネリック医薬品が正規の登録商標を付して販売、輸出入される場合はACTAの対象外でございまして、こうした正規のジェネリック医薬品の製造、販売がこの協定の結果、阻害されることはないというふうに考えてございます。
○山本香苗君 とにかく、いろんな不安、懸念の声があるにもかかわらず、丁寧な説明がなされていなかったことが一番大きいことだと思っております。
先ほど宇都議員の質問の中にもありましたけれども、ACTAには中国が入っていないわけです。海外において模倣品、そういう偽造品といったときに、もう断トツ中国であるわけですけれども、先ほど御説明の中では、中国に対しては昨年の十月に説明をされていろいろこれからやっていくんだという話でありまして、それが実るか実らないかは別としても、その次に続くのが台湾、韓国なわけですね。韓国については今回入りますという話なんですが、台湾には今後どう働きかけていくんでしょうか。
○政府参考人(八木毅君) これまでのところ、東アジアあるいは東南アジア諸国に対して働きかけを行ってきたところでございますけれども、台湾については、率直に申し上げて、まだそういう働きかけというのは行っておりません。今後の検討課題というふうに考えてございます。
○山本香苗君 大臣、なされますか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) そのようにしていきたいと思います。
中国が一番大事だと思うんですけれども、先ほど宇都委員の質問にもお答えしたんですが、中国の国内法というのは、一部もうACTAに適応しているんですけど、対応しているというかですね、ただやっぱり未対応な部分があるということで、ここの整合性をまず取っていくと。
今は台湾にもという御提案でございますから、働きかけを行っていきたいというふうに思います。
○山本香苗君 中国の場合は、法律的な担保はあっても実際の運用がなっていないということが一番問題なわけでありまして、その点も含めて働きかけをしていただきたいと思いますが、EUが今後しばらくの間はという話でありましたが、否決されたEUには今後どう働きかけをなされますか。
○政府参考人(八木毅君) 御説明申し上げます。
EUにおきましては、先ほど玄葉大臣からも御答弁申し上げましたとおり、欧州委員会が欧州司法裁判所の意見を求めているということでございますので、当面はその欧州司法裁判所の見解の提出を待つということが必要かと思いますけれども、それが出ました後、欧州委員会といたしましても、メンバー国の中での協議、さらには他の署名国との協議というものを行っていこうというふうに考えておりますので、その中で、まずは欧州委員会、さらには署名しておりますEUの各国との協議を行っていく、そういうふうに考えてございます。
○山本香苗君 なかなか否決された後だと苦しいなという感じでございますが、日本とスイスの経済連携協定においてはもうACTAを先取りするような規定が入っていたわけであります。
このように、WTOのTRIPS協定レベルより高い水準のこの知財を守るという規定というこのACTAを、今後、新しいEPAの締結であったり、またこの改定時というときに、我が国としてこのACTAレベルというものを言ってみたら世界的なスタンダードにしていくと。まあ、一個一個という話なので大変地道な取組になると思いますけれども、そういう形で進めていくということが大事なのではないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 建設的な御提案として真摯に受け止めて進めていきたいというふうに思います。
○山本香苗君 余り積極的な答弁じゃないなと思って聞いて、真摯に受け止めて、いつも元気に答えていただいているのに、何か変な感じがするんですが。
大臣、もう一つ、ちょっと通告していなかったんですけど、WTOの譲許表の分なんですけど、今回四回目の見直しじゃないですか。日本以外の参加国はもう既に実施済みなんですね。措置済みなわけです。カナダは去年の夏ごろには、またそれ以外の国というのはもう去年の一月なんですね。第三次の見直しの際も他国に約一年半ほど実施が遅れたということで、何としても今回は早くやれと、頑張ってやろうという話だったんですけれども、結局は国会提出は今年に入ってからです。
我が国は他国と異なって譲許表修正に国会の承認が必要ということになっているんですけれども、国会承認は遅れの理由になりません。何でこんなに遅れるんでしょうか。
○政府参考人(八木毅君) 政府部内のいろいろな調整に相当の時間を要したということで御理解いただければと思います。
○山本香苗君 前回もそういうことを御答弁、そういう形でいろいろと御回答されているみたいなんですが、そこがよく分からない。ほかの国よりも一年以上遅れているというのはやはり改善の余地が大きい。それも国内においての調整に手間取っているというのは大変、せっかく合意したにもかかわらず調整に手間取るというのが一番もったいないなというところでございますので、是非ここは改善をしていただきたいと思っております。
条約審議じゃなくて、ちょっと今日は財務省関係の方々にも来ていただいておりますので、最後に消費税関連で御質問させていただきたいと思うんですが、在日米軍基地の営業店舗において事業者が行う資産の譲渡等につきまして、現在の消費税の取扱いはどうなっていますでしょうか。
○政府参考人(西村善嗣君) お答え申し上げます。
米軍基地内の営業店舗におきまして日本人経営者が米国軍人等に対して行います資産の譲渡等につきましては、消費税が非課税とされております。
○山本香苗君 非課税ということなんですが、消費税法第六条におきましては、国内において行われる資産の譲渡等のうち、別表第一に掲げるものは消費税を課さないとして、非課税取引に該当する取引というものは法律できちんと明定をされているわけでございます。しかし、在日米軍基地の営業店舗において事業者が行う資産の譲渡等につきましては、その消費税法別表第一に掲げられている非課税取引及び法令に規定されている輸出取引など、いずれにも規定されておりません。どこを根拠に今お答えいただきましたように非課税取引という取扱いとなっているんでしょうか。
○政府参考人(西村善嗣君) お答え申し上げます。
その取扱いの根拠でございますが、日米地位協定第十五条第二項でございます。
○山本香苗君 簡潔な答弁、ありがとうございます。そうなんです、日米地位協定なわけなんです。
で、お伺いしたいわけなんですが、消費税導入前からこの日米地位協定はあるわけですよね。消費税導入時に、いつどこでどういった検討がなされて、日米地位協定の第十五条第二項、日本の租税を課さずという解釈を非課税取引とされたんでしょうか。
消費税を課さない取引としては非課税取引だけではございません。免税取引もございます。免税取引とするということの検討はなされなかったんでしょうか。外務省です、済みません。
○政府参考人(伊原純一君) 先生御指摘のとおり、日米地位協定の第十五条の二で、今お話のありましたような米軍基地内の営業店舗を含むいわゆる米軍の歳出外資金諸機関、これには海軍販売所とかPXとか食堂とかが含まれるわけですけれども、こういった諸機関による商品及び役務の販売には日本の租税を課さず、これらの諸機関が日本国内で商品等を購入する場合には日本の租税を課すと、そういうふうに規定されております。また、この同じ地位協定の第十五条の一では、これらの諸機関は基本的に日本の租税に服さないということとされております。
したがいまして、この租税に服さないというところの意味として、こういった機関による商品及び役務の販売につきましては、免税取引ということではなくて非課税の取引だということになっております。
○山本香苗君 事実は分かっているわけなんです。その理由、検討されたんでしょうかと、免税取引ということを排除された理由は何なんでしょうか。
○政府参考人(伊原純一君) 詳しい経緯については後ほど調べてお答えしたいと思いますけれども、少なくとも地位協定上、今申し上げましたように、その条文の解釈上これは非課税取引であるということが明確になっておりますので、特に消費税導入に当たってここの部分を見直すという議論はなかったというふうに承知しております。
○山本香苗君 大臣、よく聞いておいていただきたいんですけれども、非課税取引とした場合は免税取引と何が違うかというと、原則としてその取引に対する仕入れの税額が控除できないということになります。今お答えいただいたように、消費税導入時において非課税取引か免税取引かというところで余り議論はなかったというようなお話なんですが、これから消費税が上がったときに仕入れの消費税が事業者にとって控除できるかできないかというのは大変大きな問題なわけです。
日米地位協定第十五条の二項の日本の租税を課さずは、非課税取引ではなくて免税取引として取り扱うべきものではないかと考えますが、まず最初に財務省の方からお答えいただけますか。
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
本件の取扱いにつきまして、まず消費税を免税にということでございますけれども、消費税は国内の消費者に最終的な負担を求める税という性格でございます。このため、輸出取引につきましては免税ということになっておりまして、輸入国側が輸入の際に課税する仕組みとしているわけでございます。
こういった観点から本件見てみますと、米軍基地内の営業店舗におきまして米国軍人等に対して販売される物品、これは国内において消費されることが予定されているものでございまして、こういった取引を輸出取引と同様に免税取引とすることについては慎重に検討すべきものと考えているところでございます。
○山本香苗君 でも、財務省がそれを決めているわけじゃないんですね、外務省の方での解釈ですね。
○政府参考人(伊原純一君) 先ほどお答え申し上げましたとおり、地位協定の第十五条を見ますと、単に第二項で課さないということだけではなくて、第一項でそもそも日本の租税に服さないということになっておりますので、そこからしまして、これは免税ということではなくて非課税の扱いが条約上は正しい解釈であるというふうに私どもは考えております。
さらに、今財務省の方から御答弁があったとおり、国内において消費されることが予定されている米軍の施設・区域内での売上げが輸出取引と同様に免税取引となるといったような問題もございますので、先生の御指摘の問題点につきましては慎重に検討していくべきものというふうに考えております。
○山本香苗君 伺ったところによりますと、その非課税取引、免税取引、いろんな形で現場で混乱もあるような話も伺っております。そういう中で、消費税引上げに当たって、この十五条の二項の日本の租税を課さずと、今いろいろと財務省、外務省、政府参考人から御答弁ありましたけれども、ここの解釈、もう一度御検討をいただきたいなと思うわけです。免税取引としていただきたいと思うわけです。
ちょっと技術的な確認ですけど、事前にお伺いしたときに、解釈変更には日米で改めて合意する必要があるんじゃないかみたいな話もあったんですが、それは必要ないですね。
○政府参考人(伊原純一君) 今申し上げましたように、現時点において私どもは、この十五条の一項、二項の解釈、今御説明申し上げたように考えておりますので、これを変更するに当たって、条約そのものを変えないといけないのか、条約の解釈でいいのか、この辺につきましては更に慎重な検討が必要だというふうに思っております。
○山本香苗君 解釈だけの変更であった場合も日米合意は必要ですか。
○政府参考人(伊原純一君) いずれにしましても、現時点においてはこれは非課税ということで取り扱っておりますので、これを変えるに当たっては、いずれにしましても日米間で協議をする必要は最低あると思っております。
○山本香苗君 大臣、今のやり取り聞いていただいていたと思いますが、これを機会に改めて外務省から提起をしていただかないと政府部内で議論はできないわけでございますので、是非、大臣としてこの問題提起していただけないでしょうか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 今、非課税の取引を言わば免税取引に変更するということを提起したらどうかというお話でございます。これは、先ほどの問いとは違ってせっかくの御提案ですけど、慎重に検討しなければならないかなというふうに思っています。
○山本香苗君 慎重に検討ということは検討していただくということでございますので、やらないとはおっしゃっていないということでございますので、必ず検討していただいた結果もまた当委員会でお伺いさせていただきたいと思いますので、どうぞ、今までの経緯含めてもう一度、消費税議論、外務省は関係ないかなと思っていたんですが、こんなところで関係するんだなということがよく分かりまして、是非経緯も含めて御検討をよろしくお願いしたいと思いますので、どうぞ。
それで終わります。
○佐藤公治君 国民の生活が第一の佐藤公治でございます。
今日は、私の方からは、四協定、条約等々に関して聞かせていただきたいかと思いますけれども、これに関して先ほどからいろいろな御質問がある中で、私は多々心配することが多くある協定、条約だというふうに思っております。
その中においては、先ほど、私は一番最初に、この偽造品の取引防止に関する協定、ACTAに関してのまず質問から入らせていただきますが、ポーランドなどのEUの一部の国の国民がACTAにおけるインターネットの自由を規制する方向性に懸念を表明し、反対運動が起こったと、その結果、欧州議会においては、七月四日、本協定の批准を否決し、日本が主導してきたこの協定に対して欧州議会が否決した理由は何かということが最初の質問でした。しかし、山本委員からの御質問、そしてまた山本理事からの質問に対して、二十三条、二十五条、二十六条、二十七条の逐条的な話もあったんで、もう重なるところはともかくとしまして、もう一度お聞きします。
二〇一一年の十月一日にたしか署名をされたと思いますけれども、まさにそれにおいて大臣の方で何がやはり足りなかったのか、またこれからどういったことを、先ほどからもお話がございますけれども、具体的に説明をしていくことが必要なのか、具体的に私は答えていただけたら有り難いと思います。
先ほど自民党の山本委員は非常に優しい形で質疑を終えられているので、私は、もうちょっとその辺を具体的に大臣の方から説明をいただけたら有り難いと思います。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 率直に私の署名したときの心境を吐露いたしますと、やっぱり一番はとにかく中国だと思っていたのは事実です。中国にとにかく働きかけをしなければならないという認識だったんです。
中国は先ほど答弁をしたとおりの形で対応しているんですけれども、確かにEUについてこのような動きになってきているというのは残念なことなので、この動きをよく分析をして、どういう形での働きかけが最も効果的なのかということについてこちらでまた判断をさせていただければというふうに思っています。
○佐藤公治君 先ほど大臣は、二十七条のやはり強化が懸念材料だというか心配材料じゃないかということを自民党の山本委員のときにおっしゃいました。つまり、そこのところをもう少しきちっと大臣が具体的に理解をしていかないといけないということだと思うんです。じゃないと、署名をするに際して、そこの部分というのがよく分からないのに署名をしてしまったということにやっぱり取られるように思いますよね。
私が一番心配をしているのは、やっぱりこの条約とか協定とか法律というのは独り歩きしてしまうんですよ。そこの部分からすると、やはりそこにきちっとした理解と歯止めをしていくことが立法府としての在り方なんです。私は、是非とも、先ほどから、心配がない、そういうことはあり得ない、僕は山本公明党理事のお話を聞いていて、あのお話の答弁を聞く限りは、まさにそれなら心配ないかなと思ってしまいます。しかし、これは独り歩きをしてしまったときに環境が変わったということで、法律改正や何か、先ほども、非親告罪の話が出ました。こういうところが、環境が変わったことによって変えてしまうということが今まで何回も起きている。その部分からしたらば、大臣がやはりそこのところはきちっと理解をし、歯止めをしていかないと、まさに立法府の在り方というのが私は問われるような気がします。
どうか大臣、済みません、これに関して、行き過ぎた国内環境の整備、法律整備又は運用というものがあった場合には必ず見直すと、そこはきちっと担保するというぐらい大臣のお言葉を一言だけ聞かせていただきたいかと思います。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 先ほど山本香苗委員の質問にお答えしたとおりでございますので、そこはしっかりとそのようにしたいと思います。
○佐藤公治君 そこのところが、大臣が責任を持ってもまた大臣が替わる、そうすると、官僚が主導的に物事を環境が変わったということでやる。これ、もう今まで、私も秘書時代自民党にお世話になっていましたけれども、それからの流れで非常に右往左往しながら来ているような状況だと思います。
そこで、私は、この条約の在り方、協定の在り方というのは、私はもう政府だけではなく委員の皆さん方にも問いたい。これ、大臣、一体全体、協定とか条約は立法府がどのように関与をして今までできているのか、もう一回、この原点に立ち返って考える必要性というのはあるかと思います。
先ほど、山本香苗理事もおっしゃいました。もう何か終わっちゃった話でしょうというような話。じゃ、我々立法府がこの協定や条約をどういうふうに立法府として関与をしてきたのか、そこのところを大臣はお分かりになりますでしょうか。──じゃ、いいです、結構です。
もう時間がないんで、余りここのところを随分議論をしてもあれなんですけれども、私は、大臣が民主党、初期の段階で立法府の在り方ということの検討委員会の中心的なメンバーだったと思います。僕は、外務大臣は本当に毎日、日々努力をされて忙殺されている日々を送っている。でも、あのころ、あの民主党の中で出した立法府の在り方の報告書、覚えていらっしゃいますでしょうか。
そういった中からすると、つまり、我々が政権交代、私たちも民主党におりました、それにおいては、政権交代をしたときのその原点というのが、やはりどんどん軽んじられ、忘れられて、そして、まさに今忙殺されている。僕は、非常に今の内閣の方々も努力はしている部分は認めるところはあります。しかし、どうしても今までの延長線上の中に埋もれてしまっている、そう見えてなりません。この辺の辺り、大臣としてどうお考えになられるのか、率直な御意見を聞かしていただけたら有り難いと思います。
○国務大臣(玄葉光一郎君) ちょっと私、立法府の在り方論について、この協定、条約についてどういう提案をしたかというのは、正直覚えていないんですけれども、条約とか協定は、基本的にはまさに国会で承認をしていただくものであるということなんだろうというふうに思います。
今、一般論で、もう少し、ある意味現実に合わせ過ぎではないかというような御質問であったわけでありますけれども、まさに理想と現実をきちっとバランスさせていくということを我々は行っていかなければならないし、地に足を付ける必要があると思うんです。初めて政権が替わって与党という経験をした人たちが多かった中で、確かに、ある意味学んだところというのは私はあったと思います。その学んだところというものをきちっと踏まえながら、特に学んだところというのは、やっぱりきちっとリアリズムに立脚するというところは私は大事にしなければならないと思います。
ただ、そのときに、今おっしゃったのは、恐らく元々掲げていたものというものをもっと見詰めなきゃいけないんじゃないのと、こういう御指摘なんだと思います。そこはもちろん見詰めながらも、ただ、元々掲げていたものの中にも正しいものと果たしてどうかというものが、現実に政権交代してみてやはりきちっと整理する必要というのが私はあるというふうに思っています。ですから、そういう意味では、しっかり理想と現実の調和というものを図っていかなければならないというふうに考えています。
○佐藤公治君 今の話でいうと、幾ら高い理想を掲げても、なかなかできない部分もあるかというのも承知しております。しかし、私が思うことは、まさにこの立法府の在り方自体をきちっと変えていかないと、高い次元の政策でもやはり実現できない、そういう部分を多々感じるところがあります。それはある意味で国の統治機構自体との直結した問題にもなるかと思います。そこの部分がなくして今の延長線上でやっていこうとなると、これはまさに旧態依然の体制の中に乗った官僚の主導型の部分で忙殺されながら行ってしまう。僕は、そこの原点を大臣にもう一回よく考えていただきたいというような思いをしているところがございます。
例えば、この協定や条約に関しても、先ほど山本香苗公明理事からのお話がございました。もう否決されちゃって、後から何なのというようなこと。これに関しては、まさに先ほど第一番目に質問した、EUのこういった反対がどうして起きているのか、又はどうして否決されたのか。それは、まさに欧州議会においての思惑ということもいろいろと聞いております。しかし、その理由ということが、きちっと私は今回のこの議論に関して調べても、なかなか政府の方からきちっとした説明がつかめないんですね。というのは何かといったら、都合の悪いところは何か隠しているようにも思える、疑いすらも思うようなところがあるということ。
だとするのであれば、これ突き詰めていくと、まさに偽造品、模造品、物理的なこと、この知的財産権の分類において分けるべきところを分けてきちっと協定を作っていけば、何の問題もなく世界がもっともっと協力し合える部分というのがあったのではないか。その部分では、インターネットという部分に関しては非常に分かりづらい線引きの中でこの協定を作られているように思える。それは、悪く言えば御都合主義でできると、権力の御都合主義でできると。そこの部分をある程度もう少し丁寧に分けて議論していくような形での協定や条約というのも、内容的にもあり得るんじゃないかというふうに思います。
それはまさに、欧州議会の方でもお話しされているように、まさに大幅な内容修正が、今後もしこれが必要ならばやっていかなくてはいけないということも欧州議会の方でも問題視している。つまり、内容を修正していけば、どこがどうなのか、そういったことが、我々の、欧州議会の現状というのが全部把握し切れていないのが現状でございます。
そういう意味で、今後こういった協定や条約というものを、この立法府としての在り方というのはこれもう一度よく考えるべきことであり、今までは全部、官僚の皆様方のいろんな経緯、経過の中で作られている、必要性も十分感じております。
今回の私のこれの、偽造品の取引防止に関する協定、ACTAに関しては、非常にやはりブランド品を含めたいろんないい規制というものもあるかというふうに思っています。しかし、そこに何か訳の分からない形で潜り込ませて、インターネット社会を余りにも強く規制をする可能性のあるべき形を取ろうとしているように思える。つまり、日本国内でできづらいことを、こういった協定や条約、外からの環境づくりによって日本国内における規制の強化を図っていく、そういう部分にも悪く見ると取るような状況にもあるようにも思える部分があります。
だから、こういったことを踏まえて、最後にですけれども、是非とも大臣におきましては、この四協定、条約に関して、私はもう一点、実は欧州復興開発銀行設立協定の改正に関して、最後にもう一点、これだけ聞かせていただきますけれども、今回の改正で日本の出資額が増えることにならないのかという確認だけを取らせていただきたいかと思います。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 結論からこれも申し上げますと、EBRDの方は我が国の増資が求められるということはございません。そういう意味で、今回の設立協定の改正には日本を含め各国の出資額を増やす規定はございません。
本協定改正をめぐる議論でも、我が国を始めとする各国は更なる増資を行わないようにすべき旨を主張いたしました。内容は、EBRDの最高意思決定機関である総務会が本件改正に関して採択した決議にも盛り込まれているところでございます。
○佐藤公治君 これは今はないということで大臣が答弁をされました。しかし、今のヨーロッパの状況を考えたときに、その足下が揺らいでいるような状況で何が起こるか分からない。そして、私たち日本がこういったことに参加すること、国際協調、国際同一歩調、それは分かります。我々もそれは認めるところであり、もう大事。
ただし、そういった言葉だけで共に、一緒に後を付いていく、又は横を並んでいくということだけではなくて、やっぱり日本としてのプレゼンスを考えたときに、果たしてこういう形がいいのかどうかも含めて、直接的な、もう当然、大臣考えられていると思いますけれども、日本のプレゼンスを考えた上でのお金の出し方、そして、中東、まさにアラブの春に関しての日本としてのプレゼンスを表したやっぱり協力の仕方ということもあると思いますので、その辺のことはよく考えていただき、申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 今の御指摘は、私は全く同意します。
おっしゃるとおり、今のアラブの春始め北アフリカの、先ほどの質問にもありましたけれども、新産業の育成とか雇用創出にどうかかわっていくのか。全体としてのプレゼンス、我々、このEBRDには出資額二番目であります。米が一番だと思いますけれども、英仏なども二番目だったと思います、ドイツもたしかそうだったと思います、同じ額だったと思いますけれども、おっしゃるように、全体のプレゼンスの中での位置付けというものを考えながら取り組んでいきたいと思います。
ありがとうございます。
○佐藤公治君 終わります。
○小熊慎司君 みんなの党の小熊慎司です。四協定について質問させていただきます。
六番目ともなると、大分もう出がらしのようなものになって非常に、通告はしているんですが、大分重なっておりまして。それでは、偽造品の取引の防止に関する協定、ACTAについてさせていただきます。
我が党も、別にこれは知的財産ではないんですが、三年前に作った、増税する前にやるべきことがあるというキャッチコピーを使い回しをされて、やっぱり知的財産、こういったものというのも非常に重要なんだなということを身を持って感じているところでもございますので。ただ、目的は同じということで、別に訴えるわけでも何でもなく、あれなんですけれども。
この協定、様々な指摘もありました。一方で、古い推計ですけれども、OECDの中でも模倣品、海賊版といったものによって貿易が二%も占めて、金額にすると十九兆円にもなってしまっていると。こういう十九兆円という、まさにアンダーグラウンドの経済をそのまま放置するわけにはいかないというのが元々の出発点であったというふうに思いますし、また、それに先駆けて日本がこれを音頭を取っていったということは非常に大事な良かったことだというふうに思っています。
そもそも、日本においては、ACTA以上に関税法やまた知財関係法なんかは特にハードルが高いものを国内法として設定もしていますし、そういいながらも、先ほど来指摘あるように、EUで否決をされたということは、外交上の大きな失敗だったというふうにやっぱり思います。
難しい世界的な状況じゃなかったように私は思うんですね。この知的財産権を何とかしましょう、しっかりグローバル社会の中でそういったものにも価値を見出して失われた経済をしっかり取り戻していきましょうということは、これは誰しもが否定をしない中、そしてまた、率先してやっている日本自身がそれ以上に厳しい法律を国内で持っていながらも、いろんな危惧、憶測もあったかもしれません、誤解かもしれません。
しかしながら、それをしっかり誤解を理解に変えていく努力をやはりどこか怠っていたんじゃないかというような結果が今回のEUの否決だったというふうに思っています。もちろん、一〇〇%の制度なんというのはありませんけれども、これはきちっとやれるべきものが、凡ミスというか、これは単純などこか慢心があっての、この国際状況のとらえ方をどこかを間違えてこうした結果をもたらしたんじゃないかなというふうに思っています。
今後の対応とかも聞きましたけれども、外交上の失敗として、これはもう二度と繰り返しちゃいけないというふうに思っていますし、私これ難しい案件じゃなかったと思うんですよ、国際的批准を推し進めるという意味では。それでも難しかったのかどうなのか。そういった、私はそんなに難しいものじゃないものを取りこぼしてしまった点に大きな問題があるというふうに認識していますが、こうした認識について、大臣、見解をお願いいたします。
○国務大臣(玄葉光一郎君) これはもちろん我が国が提案したものではあるんですけれども、もちろんその締結をした国々、署名をした国々で全体で働きかけを行っていく、EUが今まで質疑の中にあったような事態になっているということについては確かに残念なんですけれども、そのことについてもっと事前に行うべきことがあったのではないかということについては、私も確かにそういうところがあるのかもしれないというふうに思います。
ただ、これから協定が発効して、例えば中国だとか、あるいは先ほど台湾に働きかけをしなさいという提案がありましたけれども、台湾だとか香港だとかと入ってきたときに、私はそれはやはり有志協定としてかなり意義あるものになっていくというふうに思うんです。改めてEUも含めてそれを見直していく、見直していくというか、その協定が発効して動きが広がっていることについて更に意義を見出していく可能性というのは私はあると思っておりますし、少なくとも今発効している国々にプラスしていくことで、この意義というのは私は十分あるというふうに思っているんです。
これ、TRIPS協定プラスですから、先ほどいろんなEPAなどでも働きかけをしていくべきだという良い提案というか建設的な提案がありましたけれども、まさにTRIPS協定プラスの話ですから、これから我々がある意味リードしていくと、そういう立場でこれから物事を進めていきたいというふうに思います。
○小熊慎司君 事前にしっかり努力をしていれば、フォローするエネルギー使うこともなかったと思うんですよ。やっぱりそこは今後の反省として、この協定だけではなくて、これは福島県の大先輩におこがましいんですけれども、得意淡然、失意泰然という言葉もありますけれども、やっぱりどこかなめて掛かった、言葉はちょっと悪いですけれども、部分があったのではないかなというふうに思いますし、この協定だけではなくて、やはり外交といったものは相手があることですから、しっかりと今回の、失敗は失敗ですよ、これで全てが失敗じゃなくて、またこれを成功につなげていけばいいんですけれども、今回のこのEUでの失敗を受けて、しっかりと、この案件だけではなくてほかのこともしっかり足下を固めて心してやっていただきたいというふうに指摘を申し上げて、次に移りたいというふうに思います。
今朝ほどもちょっと議連で勉強会があったんですが、猪口委員も一緒に参加をさせていただいていますけれども、GNI経済推進議員連盟というのがあります。会長が林芳正自民党の参議院議員でございますけれども、これは、GDPではなくて所得収支を一つの経済指標にしてしっかりと日本の成長戦略を図っていこうということを狙いにしているところであります。
所得収支ですから、海外での日本人が生む富も入れてしっかりとしていくという中で、そういう意味では海外の投資がどうあるかということもこのGNIの指標であれば明らかになってくるんですが、これまでの過去の経緯を踏まえながらも、日本はマルチでとにかくこの投資協定、全体的な合意を、世界的な合意を図っていこうというスタンスを取っていたというのは私も承知をしているところではありますが、さはさりながら、投資協定の署名数というのは先進国の中ではもう本当に目を覆うばかりの数でしかなくて、ドイツは百三十を超えて中国も百二十を超えていく、これまでの取組の経緯がいろいろあったとはいえ、ちょっとこれは極端に日本は少な過ぎるなというふうに思っています。
そういった状況の中で、今後のやっぱり日本がこれから経済成長を図っていくという意味では大事な協定だというふうに思っていますので、この協定の推進について、取組についてお伺いをいたします。
○国務大臣(玄葉光一郎君) GNIという話がありましたけれども、日本の場合、これから貿易収支のみならず、そういった所得収支、投資によって例えば配当を得ていくとか、そういったことが非常に重要になってくると。また、現時点でももう既に重要であるということであります。したがって、投資協定をまず数を結ぶ、そのことはそのことで大事です。おっしゃったとおり、日本は二十五です、EPA、投資を含むEPAを含めてですね。ほかの国と比べると必ずしも多くないというのはおっしゃったとおりです。
ちなみに、署名済・未発効が五つあるということでありますが、ただ同時に、この間ロシアともそうだったんですけれども、日ロの外相会談でも、結局、投資協定もレベルがあります。例えば保護型から自由化型とか、投資協定もレベルがあるので、既に結んでいる投資協定も更にレベルを上げていくことも含めてしっかり取組をしていきたいというふうに思います。
○小熊慎司君 そういった中で、比較的、交渉中とかいろいろ含めて、アフリカが特段ちょっと取組が遅れているというふうに思います。来年TICADもあるので、そういったことも含めて、これ協定を推進していく上でやっぱり戦略的に考えていかなきゃいけないという意味では、空白の多いアフリカをしっかり取り組んでいかなければいけないというふうに思います。
そうした、ただやりますということではなくて、そういった今空白が多いアフリカを特に、来年、そのTICADに向けてもいろんな体制を組んでおられるでしょうから、そういったところをどう取り組んで集中してやっていくのかということと、あとは、やっていくということではいいんですけれども、これやる上でもこの体制がちゃんと外務省も経産省と体制は整っているのかどうかということですね。やりますと掛け声だけで実際体制が整っていないということでは、これは努力目標だけで、精神論だけで終わってしまいますから、そういう意味では、今ほども指摘させていただいたTICADといったこともありますので、特にアフリカに関してしっかりとした体制を取って国家戦略の中で推進していくんだということを私は求めたいと思いますが、大臣の見解を求めます。
○国務大臣(玄葉光一郎君) まず、投資そのものについては、今年になって投資室というのを設けました。それと、実はつい最近ですけど、アフリカについてはアフリカ部というのを正式に立ち上げて、事実上の格上げというか、そういったことをしたわけです。
おっしゃるとおり、来年、TICADⅤを横浜で行うことになっております。アフリカについては、確かに希望の大陸だというふうに思います。アジア太平洋の次に来る成長センターたり得るというふうに私は思っています。その中で、日本はこのTICADという、言わば毎年フォローアップをし、しかも首脳会合を五年に一回行うということを行っているわけであります。フォローアップ会合にも、先般、モロッコで行われたフォローアップ会合へ行ってまいりましたけれども、日本の場合はやはり必ず約束は守るということに対しての信頼というのはございます。
ですから、そういったTICADⅤを成功させながら、確かにアフリカの資源というのは魅力でございますので、先方とよく相談をしながら、投資協定そのもののレベルというのが、なかなかアフリカの場合だと簡単にその水準を上げるわけにいかないんですけれども、日本の企業の投資を円滑に進めていくために、そういったことも含めて、もう既に考えている国々は幾つかありますけれども、積極的に取組をしていきたいというふうに考えております。
○小熊慎司君 来年のTICADまで大臣が同じ大臣か分かりませんが、是非、特にアフリカは我々の先人である野口英世博士が本当に大きな功績を残したところでありますので、福島県出身の大臣としても是非その取組を推進していただきますようお願い申し上げて、質問を終わります。
ありがとうございました。
○山内徳信君 社民党・護憲連合の山内徳信でございます。
私は、先週質問いたしましたオスプレイの件と、低空飛行訓練についての質問を何点か行います。
最初に、七番目のルートは確認できたでしょうか。
○国務大臣(森本敏君) まだルートそのものを確認できておりません。日米の合同委員会を中心で協議が始まっていますので、その場でアメリカ側の回答を待とうと考えております。
○山内徳信君 これは是非、次回の委員会までには確認をしていただきたいと思っております。
次に、マニュアルを是非欲しいと、こういうふうに防衛省にお願いいたしましたところ、私のところにもこんなに、横文字のこれは二百ページ以上になるかなと思っております。そして、若干目を通しておいたんですが、その第一章の二十ページにあります、これも先週にも申し上げておいた点でございますが、これから非常に重要な問題になると思いまして、今週も更に深めていきたいという意味で質問をいたします。
訓練区域は、非参加者、訓練に参加していない人ですからこれは日本国民ということになるわけであります、訓練区域は非参加者からは完全に分離されたところでなければならないと、こういう表現がございます。したがいまして、どういうところは非参加者がいないところなのか、いるところなのかという現場の作業が必要と思われます。
そういう仕事はアメリカ側がやるのか日本側がやるのか。恐らくこれは日本の防衛省の仕事と思いますが、この六つのルート、あるいは七つのルートが明らかになったときに、日本国民には低空飛行訓練によって影響があるのかないのか、安全かどうかの、そういう仕事が当然あるんだろうと私は思いますが、この点についてどういうふうに防衛大臣はお考えでいらっしゃいますか。
○国務大臣(森本敏君) 環境レビューの中で指定されている飛行ルートというのは、これはその飛行ルートを使って低空飛行訓練を行った場合、いかなる環境上の影響を与えるかということを評価してこのレビューの中に表記したものであります。実際このとおり訓練をする場合もある、訓練をしない場合もあると思いますが、訓練計画のルートを示したのではなく、このルートを飛んだ場合に周りにどういう影響を与えるかということを評価し、その評価レビューの中では、このルートを使って訓練をした場合に大きな環境上の影響を与えないということをこのレビューの評価書の中に書いてあると理解しております。
○山内徳信君 そういう環境に与える影響云々については、これはアメリカ側が作った基準ですね。
それで、短い時間ですから深入りはできませんから、是非このマニュアルを日本側の視点に立って翻訳をされたものを本委員会に提出をしていただけないかと、こういうお願いでございますが、大臣が持っていらっしゃるそのマニュアルを、これ全部訳する必要はありません、いわゆる住民との関係、危険か危険でないか、生活環境との関係の部分だけでも翻訳をされてこの委員会に提出をしていただきたいと、こういうように考えておりますが。
○国務大臣(森本敏君) この訓練マニュアルは、お読みいただくとお分かりと思いますが、パイロットがどのようなスキルを段階的に習得をしてある一定の熟練されたパイロットになるかという、訓練項目とそのスキルの基準が細かく書いてあるわけです。
先生の御指摘は、このようなマニュアルに基づいて飛行した場合に、住民といいますか、ホストネーションの住民にどういう影響を与えるかというところだけを抜き出して要約をしろという御指示なので、これはやってみます。やってみますけれども、先ほど申し上げたように、これは訓練マニュアルであって、パイロットの訓練のスキルをどういう手順に従って付けてくださいというマニュアルなのであって、その点については十分先生の御要望にかないかねるかもしれませんけれども、取りあえず要点を尽くして先生の要求に応じられるように要約書というのは作って提出いたします。
○山内徳信君 訓練するのはアメリカの海兵隊でしょう。その爆音だとか墜落被害を受けるのは日本国民なんです。ですから、住民との関係についての部分は私たち政府も国民も国会議員も知っておく必要があるからであります。そういう認識に立ってひとつお願いしたいと思います。
次に、訓練区域については、アメリカにおいては最低でも連邦航空局と書かれています。又は接受国ですから、これは日本側ですね、日本側の同意がなければ解消されると書かれておるわけです。これなんかは、やはり日本国民の立場から大事な部分なんです。接受国の同意がなければ解消されるとマニュアルには書かれておる。これからしますと、日本政府の側には原則としては低空飛行訓練を断る権限といいますか、可能性といいますか、それもあるという解釈が成り立つわけです。
そういうふうにしますと、オスプレイの低空飛行を含めて政府は既にアメリカに同意をしておるわけです。同意をしておるから、岩国に陸揚げがされて、普天間では十月ごろから運用開始という政府の考え方が表に出てきて、国内六つのルートが明らかになって、日本中が今不安にさらされておるわけです。ですから、全国の知事会も、既に大臣、明らかなとおり、こういう低空飛行については反対であるという意思表示をされておるわけです。政府間同士は同意したものの、肝心な日本国内における自治体とかあるいは国民の代表者とか、そういうところの地元合意というのが全くやられないままに日米間だけで決めてしまったと。そういうことでは、全部外交問題はおかしな方向に行っておるわけです。
基地問題も全部政府だけで決めて、あるいは今回のオスプレイの件も、全部政府間は合意しておるが、国民を代表する知事会は反対ですよとおっしゃっている。岩国の市長さんも山口の県知事さんも反対。沖縄の県知事もこれは駄目ですと。宜野湾の市長さんもそういうふうにおっしゃっておるわけです。そういうふうなことからいたしますと、防衛省あるいは外務省がオスプレイ問題を進めてきたこの進め方は拙速であったし、国民の意思を無視して進めてきたと、そういうことを指摘せざるを得ないわけです。
したがいまして、このマニュアルにありますように、非参加者たちが住んでおる地域への行政手続とか説明とか、そういうものは今後なさるのかなさらないのかということも私は伺っておきたいと思います。
○国務大臣(森本敏君) 先生にお渡しをしたこのいわゆるオスプレイの訓練マニュアルの中での御指摘のところ、英文を読みますと、アメリカの連邦航空局、あるいは接受国というんだから、この場合はホスト・ネーション・サポートですが、そのどちらかの合意がない限り、何といいますか、最低でも航空上の交通の渋滞空域あるいは航空管制圏内で訓練をすることを控えるということが書いてあることは事実でございますけれども、これを裏返して言うと、そういう、エアトラフィックコンジェスチョンというんですから航空交通の渋滞空域、あるいはアメリカの場合は連邦航空局が航空交通管制圏でコントロールしている空域以外のところについては基本的な合意なしで訓練ができるというふうにこれは読み取れるわけであります。
だから、全ての地元の合意がなければ先生の御指摘のような訓練ができないという表現にはなってないというふうに理解をしております。
○山内徳信君 私の持ち時間、あと二分ぐらいありますから、あと一点だけ。
アメリカにおきましては、具体的に申し上げますとニューメキシコ州のキャノン航空基地のことであります。そこでは、低空飛行訓練に市民が環境上の問題あるいは安全上の問題を取り上げて反対をし、あるいは大きな反発が起こったわけです。そうしますと、アメリカ軍は、訓練の延期、計画の見直しがされておると、こういうふうに伝えられてきております。
なぜそれが日本ではできないのか。ですから、岩国の市長さんのあの思い、知事の思い、沖縄の知事の思い等々は、なぜアメリカでは認められて日本では認められぬのかという、その話をもう少し申し上げますと、日本の政治力の問題じゃないのかと、日本の外交力の問題じゃないのかと、あるいは国民に対する人権感覚の問題ではないのかと指摘せざるを得ないわけですね。ですから、私流の言葉で言うと、これはアメリカの軍事的な植民地にもう成り下がっておると、これじゃいかぬのじゃないかというのが、私が一貫してこの委員会で主張をしておることなんです。
それについて、両大臣から、簡単でいいですから一言ずつおっしゃってください。
○国務大臣(森本敏君) これは、先生御指摘のようにアメリカ空軍のニューメキシコ・キャノン基地で起きておる問題ですけれども、この空軍基地で使っているいわゆるCV22、それからMCの130という、一つはオスプレイ、一つは輸送機が訓練を行う際、周りにどういう環境影響を与えるかということについて比較的簡易的な環境影響評価をやったところ、住民の方々の多くが、今先生の御指摘のように反対、この反対の内容そのものは細かく報道できないことになっているようですが、反対があって、その結果、アメリカ空軍はある特定の空域のある特定の訓練、その特定の訓練とは低空飛行訓練を、正規の、国家環境政策法に基づく正規の環境影響評価を行うまでの間、繰り返しになるが、その一定の空域の一定の訓練は差し控えるという決定をして、それが現在実行されているということであり、裏返して言うと、それ以外の空域にそれ以外の訓練を行うことについては平常どおり訓練が行われると、かように理解しております。
○国務大臣(玄葉光一郎君) キャノン空軍基地の話は、今防衛大臣がおっしゃったというふうに思います。
我々も、繰り返し申し上げておりますけれども、初めにスケジュールありきということではなくて、もちろん力の空白を生じさせてはいけませんけれども、とにかく日本政府が主体的に安全を確認をすると、それまでは飛ばさないということで、日米で当面の調整を行ったということで、今後とも安全保障と安全性に対する懸念の払拭の両立のためにあらゆる検討をしていきたいというふうに考えております。
○山内徳信君 終わります。
○委員長(福山哲郎君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
まず、欧州復興開発銀行を設立する協定の改正の受諾について承認を求めるの件の採決を行います。
本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕
○委員長(福山哲郎君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
次に、偽造品の取引の防止に関する協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。
本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕
○委員長(福山哲郎君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
次に、二千六年の海上の労働に関する条約の締結について承認を求めるの件の採決を行います。
本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕
○委員長(福山哲郎君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
次に、千九百九十四年の関税及び貿易に関する一般協定の譲許表第三十八表(日本国の譲許表)の修正及び訂正に関する確認書の締結について承認を求めるの件の採決を行います。
本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕
○委員長(福山哲郎君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
なお、四件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(福山哲郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時三十九分散会
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