日本教職員組合(日教組)が交通遺児らの支援を行う「あしなが育英会」などに寄付するとして、「子ども救援カンパ」名目で集めた寄付金の6割近くを占める1億円を、日教組が加盟する日本労働組合総連合会(連合)に寄付していたことが18日、明らかになった。このうち3750万円が逆に連合から日教組側に「助成金」として交付され、朝鮮学校へ通う子どもの就労支援に使われたとの報告例もあった。
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自民党の義家弘介氏が18日の参院予算委員会で指摘した。鳩山由紀夫首相は「政治的活動に対し資金カンパをすることは禁じられている。政治的なカンパでないと信じたいが、文部科学省を通じて調査する必要がある」と述べ、地方公務員法で制限された政治的行為に当たるかどうか調査する考えを示した。
日教組は昨年3月の中央委員会で、就学が困難な子供のいる家庭を支援する目的でカンパの実施を決定。使途として主にあしなが育英会への寄付を挙げ、そのほか「保護者の厳しい就労状況で就学できない子供」らを支援する「NPO団体など」への寄付を連合を通じて行うことを掲げた。
日教組に所属する教員らが全国で街頭募金などを行った。15日の日教組臨時大会に提出された最終報告によると、カンパは総額1億7624万円で、あしなが育英会には7195万円が寄付された。
ところが、連合には育英会を大きく上回る1億円が送られていた。日教組の雑誌「月刊JTU」昨年10月号は、子ども救援カンパの「一部」を連合に寄付したと記載していた。
連合はカンパを元手に日教組傘下の地方19教職員組合の申請に基づき、30事業に計3750万円を助成した。最終報告によると、7事業は地方の教職員組合への直接支給で、徳島県教組は「朝鮮学校へ通う子どもの就労支援」として150万円を受け取った。
義家氏は「街頭に立ったりした教師は、育英会の活動にプラスになるとの思いだったことが聞き取り調査でも明らかだ」と述べ、募金の使途に疑問を呈した。
国会議事録での…自民党の義家弘介氏の質問部分…
174回国会 参議院 予算委員会 14号 平成22年03月18日 (クリックで引用記事開閉)
○委員長(簗瀬進君) 関連質疑を許します。義家弘介君。
○義家弘介君 自由民主党の義家弘介です。
今日も、教育問題、子供たちの環境について質問させていただきたいと思います。
実は、教育界では古くからH2O問題という言葉が使われてきました。これは、過激な組合活動で公教育をゆがめているその代表格として、北海道それから広島、大分、この三つの地域を指してH2O問題と呼ばれてきました。
そして今、政治の世界でまさに政治と金をめぐって同様にこのH2O問題が出てきています。小沢幹事長の政治と金の問題、鳩山総理の政治と金の問題、そして北教組の問題、頭文字H2O、まさに同根の問題であると思っております。何とか民主党はぎりぎりまで延ばして、この問題、水に流そうとしているかもしれませんが、そういうことは我々は断じて許せないという思いでしっかりと質問させていただきたいと思います。
まず、資料の一枚目、三月三日の予算委員会の席上で私が提示させていただいた資料であります。(資料提示)この資料には非常に重要なことが含まれていまして、まず勤務時間中に送られている組合ファクスであるという点。それから、大変お世話になっておりますと、ファクスを受け取られた方へのお願い、つまり職員室に組合ファクスが来てもだれも問題意識を持たなくなってしまっているという問題。それから、勤務時間中に組合の分会会議を行うということ。そして、この時間に自由にファクスの送信ができるということはやみ専従がいる疑いがあるという、これに対して資料を提示した上で質問させていただきました。
そこで、川端文部科学大臣、これらの件についてその後どのような対応を文部科学省としてしたのか、是非お答えください。
○国務大臣(川端達夫君) お答えいたします。
資料を当委員会で提示をしていただきました。ほかの委員会でも、同様の部分を含めていろんな御指摘の資料をいただきました。それぞれに資料を添付し、あるいはそれに関連をしたマスコミ報道もございます。そういう部分で、私たちは教育現場で政治的中立はしっかり守らなければいけないという立場で、そういう事態の事実確認に対して、北海道教育委員会及び札幌市教育委員会に個々具体の項目を挙げて実態調査をするように要請をしているところでございます。
○義家弘介君 我々自民党は、この問題に対して都合四回北海道の現地調査に赴きまして、管理職そして現場の先生あるいは組合活動をしている先生あるいは脱退した先生、様々な、もちろん教育委員会等も含めて話をしてきましたが、これだけの具体的な問題が出ているにもかかわらず、例えば政務官、例えば副大臣などを北海道に派遣しなかったのはどうしてでしょうか。
○国務大臣(川端達夫君) 基本的には、その地域の教育は都道府県、市町村の教育委員会において責任を持って行われるということの仕組みでございます。まずは、いろいろ委員会でも御指摘をいただいた事実を含めて、その当該責任者である都道府県及び市教育委員会において実態をしっかり調べるようにということを指示しているところでございます。
○義家弘介君 そういう対応をしている間に、この小林千代美議員の裏金の問題もありますが、彼らは全く懲りていないんです。
そこで、資料の二を御覧になっていただきたいと思います。これは、私が質問した三月三日の次に、三月四日に北海道の新ひだか支会から出されたものです。
物証と示しながら、国会での馳浩、義家らの追及など、北教組攻撃を一気に強めてきていますと。その上で、さらに、卒業式における日の丸・君が代反対運動の取組、これ、このまま進めることもマニュアルの中で明確になっています。前回の質問でも、明らかに校長先生にプレッシャーを掛けながら日の丸・君が代問題に対して対峙していくということを言いましたけれども、この校長交渉の記録まで出させようと。
さらには、支会からの連絡は、今後は基本的に郵送及び電話で行います、ファクス送信はいたしませんと。一方でですよ、分会からの、ある小学校が分会になっているわけですが、分会から支会に対しての報告は、ファクスを使用して送信しても構いません。ということは、間違いなくこれはやみ専従がいるというペーパーにもなっていくわけですが、この辺、川端文部科学大臣、どのようにお考えになりますか。
○国務大臣(川端達夫君) 御指摘の資料を見せていただきました。ファクスが当然ながら公務執行のために設置され、その費用を公費で負担しているものである、そのファクスであれば、職員団体の活動のために使用することは適切でないことは言うまでもございません。
また、公立学校の教職員について、地方公務員法により職務専念義務が課せられており、勤務時間中に組合関係の文書をファクスで送信するなどの組合活動を行うことは禁じられております。勤務時間中に組合活動が行われていることが事実であれば極めて遺憾であるし、法令にのっとり毅然と対処してまいりたい。
したがいまして、現実に今どういうこと、こういういろんな資料を御指摘をいただいておりますので、それを、事実関係を詳細に調べるように北海道及び札幌市の教育委員会に要請をし、現在調査中でございます。
○義家弘介君 調べる調べるの一点張りで、まさに今子供たちは卒業式の渦中にいるわけですけれども、問題が明らかになっても文部科学省は調べる調べるの一点張りで、どのように何をするのか、全く示しておりません。
三月三日の後、すぐにこういった乱暴な資料が出回るような現状、そして今の文部科学大臣の対応について、鳩山総理はどのような御感想をお持ちですか。また、どんな指示を可能でしょうか。よろしくお願いします。
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 義家委員にお答えをいたします。
このような幾つもの事例が起きているということは、やはり我々としても深刻に考えるべきだと思っております。教育者において、授業中にこのようなことが公然と行われているということが事実であれば、当然これは法令にのっとってしっかりと対処しなきゃならぬと思っております。
それだけに、事実関係をやはりこれもちゃんと調査をしていかなきゃならないということでありまして、川端文部科学大臣が今指示をして、しっかりと調査をしている最中であります。これは別に先延ばしをするとかいうつもりではありません。事実関係をちゃんと調査をして、根源的に何が問題なのかということを調査をして、そして、こういったことが全国的にも決して二度と起きないような体質というものをつくり上げていくために今調査をしているというふうに御理解を願いたいと存じます。
○義家弘介君 政治と金の問題については、いつも総理は調査を見守る、調査、調査、調査、調査と、具体的に何をやるか全く示そうとしませんが、はっきり申し上げます。今示した資料、三月三日に示した資料、これは両方とも総理の選挙区の学校で起こっているんですよ、これ。総理のおひざ元の学校で今起こっていることなんです。更に言えば、このファクスの出元の小学校は、あした卒業式を迎えるんです。その卒業式の中で、どういうマニュアルが出ているかもう一度確認しますが、入学式、卒業式の練習においても、国歌については起立や斉唱や伴奏を強制させないように取り組むと。もし強行された場合は、町からの依頼業務拒否など、本務外の雑務は全部拒否する、校長先生に抗議の表明を一定期間行う。具体的には、式終了後、朝の打合せの中で分会代表が抗議の意見表明を一週間毎朝行う、さらには新規の研究指定は受け付けない。まさにこの状況の中で明日卒業式を迎えているのに、これだけの具体的資料を示しながら、調査を待っています、調査を待っていますと。
子供たちを社会全体で育てると言いながら、子供たちのことを全く考えてないんじゃないですか。総理、どうですか。
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 決してそのようには思っておりません。
今、例えば日の丸・君が代のこともありましたが、それに対して、強制的に行うことに対して断固みたいな話がそこに、組合の方では、北教組の方ではあるのかもしれません。しかし、現実、北海道においても公立の小中高校において、日の丸・君が代はすべて入学式、卒業式、一〇〇%実施をされていると伺っております。
決していろいろと、そのような一部の行動はあろうかとは思っておりますが、実際の子供たちの教育には影響を受けないようにしっかりと行うことが大事でありますし、そのようになっていると私は思っております。ただ、法令に基づかない問題が生じたときには、当然そのことに関しては断固しっかりと処分をしなければならないことは言うまでもありません。
○義家弘介君 今話を聞きながら、一体この中継を見ている人は、国民はどんなことを思っただろうと。まさに、校長がまともな学校運営をしようとしてもできないという、やらないという明確な表明をし、更に言えば、まさにこの総理の地元、かなり激しいんですよ、これ、活動が。この教組は北海道の中でもかなり激しいんです。
しかし、そういう状況についても理解せず、一方で選挙では人をもらい、そして金をもらい、その問題が今裏金問題として事件になっているわけですよ。どうして身内の問題に対して総理はそんなに甘いんですか。友愛というのは甘さですか。だれのための友愛なんでしょうか。先ほども言いましたが、明日、子供たちが卒業式を迎えるんですよ、総理の選挙区で。そして、今現在こういうことをやるということを言っているわけですね。校長先生はどんな犠牲を払いながらこの式典とか行っているか、多くの校長先生と話をしながらそのことを痛々しく感じましたが。
三枚目の資料ですけれども、これは我々が入手した資料の中の一部です。校長着任交渉というやつです。実は北海道では、この校長と組合の交渉によって校長先生自体ががんじがらめにされてしまって、何もできない状態、言われたら言われたとおり報告するという状態が出てきてしまっているんですよ。
例えば校長着任交渉、新しい勤務地に行くときはだれしも不安です。先生方、協力してくれるだろうか、入学式も会議も先生の協力なしではできませんからね。すると、組合員が校長のところに来て見解を回答させるんですよ、最初から。例えばこの六番なんてひどいですよ、勤務条件にかかわることはすべて交渉事項と考えるがどうですかと。これは、北海道では四十六年に結ばれた四六協定というものがもう組合王国の最たるものとしてありましたけれども、まさに、勤務条件に関するすべてのことは我々と交渉しなさいと言ったら校長は何もできない。しかし渋々すると、会議、みんなで年休取りますよ、そんなことを言うと入学式協力しませんから、パイプいす、全部校長先生出してくれるんですかというような話になる。一つ一つ約束させられていくんです。
さらに、校長交渉、たくさんこの資料、現物は苦しんでいる校長から手に入れていますけれども、ひどいですよ。例えば人事に関する要望書、校長の具申は次のことを尊重すること。本人の意思を尊重した具申をする、本人に対して異動希望の強制はしない、分会の意見、つまり組合の意見を尊重するなど、人事介入も公然と校長交渉で行う。さらには、評価制度に対してですけれども、校長による授業参観は、必要に応じて、研究授業、公開授業、授業参観等の機会を利用し、それ以外の特別の参観は行わない。指導案提出や授業内容に介入する行為は一切行わないと思うがどうか。こうやって一つ一つ校長先生をがんじがらめにするわけですよ。
だから、教委の説明云々よりも、現場をちゃんと正常化させなかったら、まともにやろうとしている校長もまともにできないひずんだ教育現場がある。それを再三指摘しているのに、現在調査中、現在調査中。本当に文部科学省はこのことについて問題意識を持っているんですか。
○国務大臣(川端達夫君) お答えいたします。
まず初めに、入学式、卒業式、明日卒業式ということでございます。いろいろな御指摘と当該団体の主張等々は、私たちが国歌・国旗を尊重し、そして厳粛な雰囲気の中で、卒業式あるいは入学式を国旗掲揚、国歌斉唱の下で行われるものと考え、学習指導要領に基づいて国歌・国旗のいろんな指導を行っている方向からすれば、見解としては異にする部分が多々あるということで、基本的に卒業式、入学式でしっかり対応するようにということを都道府県あるいは該当の市教育委員会に指導しているところでございますが、その中で、北海道教育委員会では今年、いろいろな国会の議論を踏まえた我々との連携の中で、二月二十四日付けで北海道教育委員会は、国旗は出席者の目に触れる場所に自然な形で掲揚する。国歌は教育課程に適切に位置付け、子供の発達段階に応じた指導を行い、式の中で実際に歌唱されるよう指導すること。直接子供の指導に当たる教職員が国歌斉唱時に起立することは社会通念上当然なことについて、各種指導していると同時に、三月四日付けで、この度行われる卒業式等において、式典の形態、国旗掲揚の状況、国歌斉唱の状況等について詳細に調査をし、報告を求めることになっております。
また、校長着任交渉についての御質問でございますが、交渉という文書を御提示いただきました。交渉というものの定義ということと、また、中では伺いたいという文章形態、そして最後に確認の署名を求めているということで、この位置付けが詳しくは分かりませんけれども、学校運営は校務をつかさどる校長の権限と責任の下に行われるということであり、職員団体が交渉すること等により校長の学校運営に関する権限を制限しようとするものであれば、極めて不適切であるということでございます。いわゆる公務員法に定める職員団体との交渉は、職員の給与、勤務時間その他の勤務条件等について行われるもので、いわゆる管理運営事項に該当する事項については交渉は行うことはできないものでありますので、適切に指導してまいりたいと思います。
○義家弘介君 延々と資料を、官僚ペーパーを棒読みしたようですけれども、本当にどうして子供たちのことを考えないんですか。本当にあした卒業式迎えられる、この最終局面における取組についてのマニュアルも出ていますが、残余の質問については午後の審議の中でしっかりと明らかにしてまいりたいと思っております。
○委員長(簗瀬進君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
午後一時に再開することとし、休憩いたします。
午前十一時五十三分休憩
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午後一時開会
○委員長(簗瀬進君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、平成二十二年度総予算三案を一括して議題とし、社会保障・雇用等に関する質疑を行います。義家弘介君。
○義家弘介君 午前中の審議に引き続き、問題を質問させていただきます。
まず、川端文部科学大臣に質問いたします。
一体この北教組の問題、いつまでに、どのような方法で、どのように報告を受けて、そしてどのような対応をするのか、具体的にお答えください。
○国務大臣(川端達夫君) 先ほど申し上げましたように、こういう委員会での指摘あるいは報道を受けて、逐一その項目について実態を調査するように北海道教育委員会及び札幌市教育委員会に今要請をしているところであります。それを受けて、現在、北海道教育委員会及び札幌市教育委員会では、その個別の我々の要請をどういう方法、どういう手順でするかを精力的に整理中でありまして、これから調査に取りかかるという状況でございます。
具体的には、いろんな指摘を受けたときに、具体的に日時、そしてそのときの出勤状況、そのときにその部屋にいた者を確定し、問い合わせをする等々の詳細な調査が必要でありますので、今できるだけ早くに出していただきたいという要請をしておりますが、期日がいつかということにおいては確答は得ておる状況ではございません。
報告をいただいたのを受けて、一つは、しっかりと調査されているかどうか、これがされていなければ、北海道の関係教育団体に対して、教育委員会に対しての指導も当然考慮にしなければならぬし、過去そういう例もありましたけれども、報告をいただいた部分に関しては、法令に違反している事態があるかどうかということを含めてどういう対処をするか、万一法律に違反することがあれば厳正に対処するように協議をしてまいりたい、連携を取ってまいりたいと思っておりまして、いずれにいたしましても、そういう報告に関してはまたいろんな形で皆さんにも分かっていただけるようにしたいと思っております。
○義家弘介君 北教組の裏金問題、これが出てからもう随分とたちますけれども、具体的な対応をまさに民主党ぐるみでしようとしていないというような印象を私自身強く受けております。
実は、またあさってから私、北海道に行ってまいります。そして、現場の、今週、今日、明日と行われる卒業式においてどのようなものが行われていたのか、それをしっかりと聞き取ってきたいと思いますが、もしも文部科学省に来た報告とその現実とが乖離していた場合、まさに文部科学省の機能不全が明らかになるわけですから、これは民主党に向かってというより国民に向かってその事実、違いをしっかりと示してまいりたいと思います。
その上で、もう一つ質問をしたいと思います。
実は、日教組、民主党の有力支持母体である日教組は、二〇〇九年三月十七日の第百五十二回中央委員会で、貧困や困難な環境にある子供たちの家庭支援をしようという取組で、あしなが育英会と合同で子ども救済カンパというものを行いました。これは全国の教組で行っております。
そこでまず、あしなが育英会ですけれども、これは御存じのとおり、交通遺児や、あるいは今は遺児だけではなく、病気や災害や自死などで、あらゆる死因で親を亡くしてしまった遺児たちをみんなで応援していこうという、私自身も心より応援している組織でありますけれども、日教組のホームページによりますとこう書いてあります。
総理に是非お尋ねします。カンパの使途。子ども救済カンパの使途。あしなが育英会奨学金に寄附します。また、連合を通じて、保護者の厳しい就労状況等により学校へ就学できない子供、外国籍、病気、障害のある子供の支援、学生、青年に対する職業訓練等を行っているNPO等に寄附しますと書いてあるわけですが、これだけ聞いて、総理、じゃ、カンパの使途、主にどこに寄附をされていると受け取れますか。もう一回言いますよ。カンパの使途、あしなが育英会に寄附します。また、連合を通じて云々。それでは、このカンパの使途は主にどこに寄附されたと思いますか。総理、お願いします。
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 今のお尋ねであれば、当然、カンパの使途はあしなが育英会に寄附されるべきものだと、主としてでありますが、そのように思います。
○義家弘介君 そこで、資料を御覧になっていただきたいわけですけれども、今週の月曜日に、日教組が第九十八回臨時大会を三月十五日に開きました。その折にこの子ども救済カンパの最終報告を行いました。この額について見てください。カンパの総額は一億七千六百二十四万五千四百十八円。そのうち、あしなが育英会には七千百九十五万六千三百二十二円。そして、残りの一億円は連合・雇用と就労・自立支援カンパに出されています。
多くの街頭に立つ者たち、あるいはこのカンパに協力した教師たちもそうですが、これは聞き取り調査でも明らかになっていますが、あしなが育英会の子供たち、あしなが育英会の活動にプラスになる、そういう思いの中で行った。しかし、ふたを開けてみると、あしなが育英会七千万、残りは連合にそのままぽんと寄附していると。
こういう状態について、総理は一体どのように感じますか。お答えください。
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 義家委員にお答えを申し上げたいと思います。
私は、必ずしもこの子ども救援カンパ全体の取組を熟知しているわけではありません。今お尋ねのように、子ども救援カンパ活動、これはあしながの育英会の活動に対してというのが中心だとは思っておりましたが、さらに、連合が行っている雇用と就労・自立支援カンパ、子供たちも含めての自立支援に対するカンパも併せて行っているというふうにも理解はできようかと思っております。
いずれにしても、政治的な活動に対して資金カンパをすることは禁じられておるわけでありまして、この活動が政治的なカンパではないと、そのように信じていきたいとは思っておりますが、今のお尋ねの話でありますと必ずしもあしなが育英会だけではないということでありますので、そこのところは、より、ある意味で文科省を通じて調査をする必要があろうかとは思っております。
○義家弘介君 さて、今そういうお言葉ですけれども、まずこのカンパ、実は三月十五日に決まって、本格的に取組が始まったのは五月以降であったわけですけれども、日教組の新聞によりますと、九月のもう中ごろにはほぼ同額の一億七千四百七十五万七千八百九十円が集まっています。これだけ短期間にこれだけのお金を善意の中で集めるという形ですけど、これ実は強制カンパであったという話も現場から入ってきております。
例えば、組合による強制カンパであったというお話も入ってきていますが、もしそういう組合による強制カンパであったとしたならば、川端文部科学大臣、どのように考えますか。
○国務大臣(川端達夫君) 労働組合がカンパをされた部分の中身が、仮定の話でもしもということには具体的なこととしてお答えできませんけれども、政治カンパを行うことは法令上禁止をされております。一定の政治的な目的を持って資金カンパの要請を伝えること等とありますが、いろんな目的でのカンパをすることはもちろん任意で、自由でございます。
そういう意味で、この件に関して詳細承知しておりませんが、仮定の話にはお答えできないですが、基本的にカンパは任意であるということでございます。
○義家弘介君 基本的にカンパは任意であるというお話でした。
そこで、この資料の五、これは北教組の中での資料であります。実は、これを見てからくりが分かったわけですけれども、実は、日教組、あしなが、連合・雇用と就労・自立カンパ、これはノルマとして五百円が課せられておりました。つまり、日教組の人間が三十万人いたとしたら、三、五、十五、一億五千万というものがぽんと集まるわけですね。さらに、北海道はそれ以外に救済カンパの活動について独自事業を行うためにプラス千円を集めますと。
そして、左下の一番、見てください。組織決定した千五百円については、負担が大きいところから、八、九、十月給与から五百円ずつ徴収することとします、括弧、口座よりの引き去り。つまり、これは口座からそのまま引かれているわけです。もっと言えば、つまり、この書類だけで判断すると、五百円分についてはこの子ども救済カンパで本部に行っているのかなと。しかし、独自事業をすると言って集めたプラス千円は一体どこに行っているのかという疑念も出てくるわけです。
右側を見ると、日教組からの交付金を活用して子ども救済カンパの独自活動を行うというふうに書いてあるわけですが、先ほどの最初の内訳、日教組の発表した最終報告によると、実は、連合が助成した団体、NPO団体、北海道ないんですよ。北海道の事業、一個も入っていないんですよ。じゃ、一体その千円はどこに行ってしまったのか。これについては、組合のお金については検証のしようがございません。
そこで、原口総務大臣、この教育公務員及び地方公務員、公務員の労働組合のお金については、収支報告をしっかりする、もうとにかくクリーンにするために収支報告をしっかりする。元々、原資が公金ですから。先生も強制的に徴収されているわけですからね。これについて法改正する意思があるかないか、是非お答えください。(発言する者あり)
○委員長(簗瀬進君) 御静粛に。
○国務大臣(原口一博君) 地方公務員の政治的行為の制限、私の場合は、教職員、これは所管でございませんので、地方公務員ということでお話をさせていただきます。懲戒処分をもって足りるとの考え方から、地方公務員法上、罰則を科さないこととされております。
なお、義家委員、公務員の政治的行為の制限は、基本的な人権にかかわる問題として立法府や司法府でも様々な議論があったものであり、慎重に考えるべきであると。各団体に収支報告を義務付ける、そういう法律を私は所管をしておりません。
○義家弘介君 というような回答ですけど、まさに公金を原資としているお金がどのように使われているのか。
組合員の先生は私にこう言いました。この強制カンパ等というのは我々にとっては教師生命保険なんですと言うんです。どういうことかというと、それを払わなかったり協力しなかったりすると、学校の仕事において冷遇される、みんなから外されてしまう、転勤、異動に対して不利になる、様々な問題がある、教師生命保険だと言っているわけです。
そして、最後、またこういう書類も出てきています。
○委員長(簗瀬進君) 義家君、時間が来ております。
○義家弘介君 第二十二回参議院選挙闘争の取組について。まさに、選挙運動をまた行おうとしているわけです。
○委員長(簗瀬進君) 時間が来ております。
○義家弘介君 是非、教育公務員特例法十八条の改正及び一日も早く小林千代美衆議院議員の辞任、これを求めて、私からの質問は終わりにさせていただきます。
○委員長(簗瀬進君) これにて義家弘介君の関連質疑は終了いたしました。
以上で尾辻秀久君の質疑は終了いたしました。(拍手)
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