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2020/10/08


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【窪田順生】学術会議問題のズレた議論、「学問の自由が侵された」はなぜ無理筋か

 source : 2020.10.08 DIAMOND online (クリックで引用記事開閉)

■「学問の自由が侵害される」は行き過ぎた攻撃ではないか

日本学術会議が推薦した6人の学者を、菅義偉首相が任命拒否したことが大きな問題になっている。野党は臨時国会で追及する構えだという。

JNNの最新世論調査でも、これを「妥当ではない」と考えているのは51%。このまま具体的な理由の説明がなくモヤモヤ答弁を繰り返せば、70%という高い内閣支持率にもダメージがあるかもしれない。

「なぜ任命を拒否したのか」「なぜあの6人だったのか」というところは、国民としてもぜひ知りたいところなので、マスコミや野党の皆さんには頑張っていただきたいと思う。が、一方でこの騒動に乗じて、かなり無理筋というか、モンスタークレーマーの言いがかりのような攻撃を紛れ込ませる人があまりに多いのには、やや辟易とする。

それは、「学問の自由が侵害される!」という攻撃だ。

たとえばこの問題を扱ったニュースを検索してみると、そのタイトルにはこんな煽り気味のワードが散見される。

「菅首相が安倍時代もしなかった言論弾圧」「学問と思想の弾圧危惧」「ついに剥き出しになった言論弾圧首相の本性」

こういう話を聞くと脊髄反射で血が騒ぐという人たちの気持ちもわからないでもないが、イデオロギーを抜きにちょっと冷静に考えれば、今回の問題が「学問・思想・言論の自由」と全く関係していないのは明らかだ。

とどのつまり、この話は6人の学者が「特別職国家公務員」に入れませんでした、ということに過ぎないからだ。菅首相が気に食わない学者を大学から追いやったとか、科研費を打ち切ったとか言うなら確かに「弾圧」だが、単に研究活動の傍らに行う「名誉職」に選ばれませんでした、というだけの話である。

もっと言ってしまうと、この6人が学術会議の会員にならなくとも、日本全国で84万人いる学者や、市井の人々の「学問の自由」にはなんの影響もない。

「無知無学の人間はこれだから」と頭を抱える学者センセイもたくさんいらっしゃると思うが、同様の指摘はほかでもない、学者の皆さんからも出ている。たとえば、日本学術会議の会員になった経験もある政治学者の篠田英朗氏は、SNSでこのような考えを示している。

若い頃に一時期学術会議の末席を汚させていただいたことがありますが、私は業績不足ですから二度と誘われることはないので安心して言いますが、任命されないほうが学問の自由を享受できる、というのが普通の学者の本音だと思います。(10月2日)

■「政府介入」「解釈の変更」というのは無理筋な言い分

もっと辛辣なことをおっしゃる学者もいる。福井県立大学の島田洋一教授は、SNSでこんな厳しい意見を述べている。

「学問の自由が侵された」と騒ぐ日本学術会議面々の言動を見ていると、仰々しい肩書を与えられることで歪んだエリート意識が増幅され、「専門バカ」が「バカ専門」に転じていくさまがよく分かる。これ以上、大学教員は愚かで鼻持ちならないと世間に印象付けることはやめてもらいたい。迷惑だ(10月3日)

こういう話をすると、「個々の学者が任命された、任命されないという小さな問題ではなく、学術会議という独立した機関の人事に政府が介入をしたことが大問題なのだ」と怒る人たちがいらっしゃる。1983年の中曽根康弘首相(当時)が国会答弁をしたように、学術会議推薦者への任命は「形式的」だと政府の文書にあるのだから、その方針をちゃんと守らないのは「解釈の変更」だと大騒ぎをしているのだ。

ただ、残念ながらこれもやはり無理筋だ。

実は日本政府は、ずっと「カネだけ出して、口は一切挟みませんという方針ではダメだよね」ということになって、日本学術会議の「改革」を進めてきた。たとえば、2003年の総合科学技術会議意見具申「日本学術会議のあり方について」を受けて行われた日本学術会議法改正では、「人材の停滞や硬直化を避ける」という目的のために、任期制・定年制や外部評価制度が導入されている。

それは裏を返せば、それまでの日本学術会議は、人材の停滞や硬直化があって、その活動に対して外部評価もなされなかったということである。こういう学術会議の組織的な問題が、政府の働きかけで少しずつではあるが、「変革」が求められて現在に至るというわけだ。

こういう経緯を知れば、「37年前の政府が口を出さないと言っているんだから、今の政府も黙ってそれに従ってりゃいいんだ!」というのは、時代の変化やこれまでの努力を無視した、何とも不毛な議論だと言わざるを得ない。どれくらい不毛なのかというと、シニア夫婦の喧嘩で、「37年前のプロポーズのときは頭もフサフサだったのに、なんで今はハゲちらかしてんのよ、この嘘つき!」と妻が夫をなじるのと、同じくらい不毛だ。

■怒りがおさまらない学者たちの主張とは

もちろん、こういう話をしても「屁理屈をこねるな!何をどう言おうと、菅政権が学者を弾圧しているのは紛れもない事実だ」と怒りのおさまらない学者センセイもたくさんいらっしゃる。その根拠としてよく出されるのが、「日本学術会議は全米科学アカデミー、英国のロイヤルソサエティなどと同じアカデミーなので、これに政府が介入をしてくるなんてムチャクチャな話は聞いたことがない」というものだ。

事実、任命拒否された6人の中のある学者センセイが、某情報番組にリモート出演された際に、出演者から学術会議の存在意義を訊ねられて、しきりに「学術会議はアカデミーなんです。アカデミーがない国でいいんですか」というようなことを、主張されていた。

ただ、これも無理筋の主張だと言わざるを得ない。立派なセンセイのおっしゃることにイチャモンをつけているようで大変心苦しいが、日本学術会議は厳密に言えば、諸外国の「アカデミー」とは似て非なるものなのだ。

先ほど、新しい時代に向けた学術会議の「変革」についてこれまで何度も議論が重ねられてきた、と申し上げたが、その検討会の中で配布された資料の中に、「各国アカデミーのデータリスト(2015年更新版)」というものがある。その名の通り、先進諸国の科学アカデミーを一覧にして比較しているのだが、その中で日本学術会議の「特異性」が際立つ項目がある。それは、「政府機関への帰属」だ。

この資料によれば、全米科学アカデミーは法的地位として非営利組織なので「独立」、英国王立協会(ロイヤルソサエティ)は自治組織として登録されている慈善団体なので「独立」、フランス科学アカデミーも独立機関なので「独立」、ドイツ科学アカデミーレオポルディーナも非営利組織なので「独立」、カナダロイヤルソサエティーも同じだ。

■世界から見た日本学術会議はアカデミーと呼べるものではない

では、我らが日本のアカデミーにはどんな記載がなされているのか。法的地位としては「政府機関」という位置づけなので、「政府機関への帰属」についても「特別の機関」というよくわからない表現がなされている。

その特別ぶりがよくわかるのが、「年間予算」という欄である。各国のアカデミーが政府との契約や助成金の他に、民間からの寄付や学者たちの払う会費で成り立っており、「独立性を確保するため、さまざまな財源がある模様」という記載があるのに対して、日本学術会議は「全額国庫負担」で民間資金も「0」と記載されている。

つまり、日本学術会議の会員の皆さんは、「我々はアカデミーだぞ。アカデミーにたてつくとは何事か」とやたらと胸を張るが、残念ながら現実としては、法的にも政府との関係的にも、そして独立性を担保するための財源的にしても、とても「アカデミー」と呼べるような代物ではないということなのだ。

■日本や中国にとって「学問の自由」は国家が保障するもの

そこで、「じゃあ、日本学術会議というのは一体何なのだ」という疑問が出てくるだろう。実はこの比較データで見ると、日本学術会議と同じく「政府機関」であり、100%国家予算で運営され、民間資金が「0」と明記されている団体がある。それは、チャイニーズアカデミーオブソサエティ、そう「中国科学院」だ。

もちろん、中国科学院は中国のハイテク、自然科学分野を牽引するゴリゴリの最高研究機関だ。レノボやセンスタイムという世界の最先端技術も、こことのつながりで生まれたと言われている。人文・社会分野の研究者も多く参加して、政府や社会への提言だ、科学研究予算の分配だ、という日本学術会議とはまったく組織としての性格が違う。

ただ、権力との距離、独立性ということで言えば、2つの組織は瓜二つなのだ。では、なぜ瓜二つになるのかというと、学問に対する考え方が似ているからだ。アメリカやイギリスという他の先進国は、学問に限らず「自由」や「独立性」というのは基本的に自分たちの手で勝ち取るものだと考えている。

先進的な研究がしたければ、大企業や金持ちからの支援や寄付を受けるよう、学者であってもスーツを着込んで出資者へプレゼンする。もちろん、政府からの仕事も受ける。1つのスポンサーに依存をしないことで、学問や研究の独立性を守るという考え方だ。

だが中国の場合、「自由」や「独立性」というのは基本、国家が認めてくれないと享受できない。「最も成功した社会主義」などと揶揄される日本も、感覚的にはこちらに近い。その象徴が「記者クラブ」だ。

海外のジャーナリストがドン引きする、世界でも珍しいこのシステムは、マスコミによれば「報道の自由」を守るためには絶対に必要だという。政府や役所が認めてくれた「選ばれし人々」だけしか取材ができないシステムを、国家がちゃんと整備して提供してくれないことには、報道の「自由」も「独立性」も守れないというのだ。

そんな国家から特権を与えられた「選ばれし人々」が、「学問の自由を守ってやっているのだ」という上から目線の考え方は、学術会議のセンセイたちからもひしひしと伝わってくる。

先日、ある情報番組を見ていたら、今回任命されなかったという学者センセイがリモートでご出演されていて、今回の騒動で一部から出ている学術会議への批判に対して、やはり思うところがあるのか、いろいろぶちまけていた。

曰く、10億円の税金が投入されているが、会員数で割ると1人50万円程度しかなく、新幹線代も出ないくらいなので、もっと出せと事務局に文句を言った。曰く、10億円の税金が高いというが、これで日本の学問が救われるのだから安いものだ――。

コロナで誰もが生活が苦しい中で、何とも浮世離れしたご発言の数々だが、だからこそ脇目もふらずに真理を追求できるという面もあるので、それはいいとしよう。ずっこけそうになったのは、「学術会議は検察や人事院を上回るほどの独立性を持っていると法律で決められている」とおっしゃったことだ。

法律でそう解釈ができるからと言って、前述のように、世界のアカデミーの「独立」というのはそういう類の話ではない。もしかしてこのセンセイ方は、誰からも何も文句を言われずに、自分たちの思うまま好き勝手に公金を使えることを、「学問の自由」だと勘違いしているのではないか、とちょっと不安になった。

■異常な組織を知らしめるための菅首相の「作戦」では?

と同時に、あれほどキレる菅首相がこんなにわかりやすい「学者弾圧」をして、理由も語らないというのは、もしや怒った学者センセイたちがマスコミに登場して、こんな世間ズレした持論を展開させることが狙いなのではないか、という考えさえ頭をよぎった。

確かに、今回の騒動が盛り上がって「そもそも学術会議って何なの?」という声が大きくなれば、2005年の法改正をしたときのように、「日本学術会議のあり方検討会」などが立ち上がるだろう。前回は大して世間の注目を集めなかったが、今回は足もとの問題があるので、国民的な関心が高まるはずだ。

つまり、実はこれも行政改革の一環で、「日本学術会議という組織の異常さと、そこに居座り続ける学者センセイたちの、国民とあまりにもかけ離れた特権意識」を浮かび上がらせるために、わざと物議を醸すような強引な手法をとっていたとしたら――。

もしそうだとしたら、「ガースー、恐るべし」ではないか。




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韓国大統領 月山明博(李明博)の…天皇陛下への「不敬発言」
痛惜の念などという単語一つを言いに来るのなら、来る必要はない。
日王は韓国民に心から土下座したいのなら来い。
重罪人にするように手足を縛って頭を足で踏んで地面に擦り付けて謝らせてやる。
重罪人が土下座もしない、言葉で謝るだけならふざけた話だ。
そんな馬鹿な話は通用しない。
それなら入国は許さないぞ。
偽左翼マスメディアの情報操作手法
手法 用例 手法 用例 手法 用例 手法 用例
連想の創出 愛国者に対して「軍靴の音が聞こえそうだ」などと揶揄し否定的な印象を与える… コメント 人々を一定の方向に誘導するために「事実とは異なる解釈」をコメントさせたり「社説」にする… プレゼンス効果 現場からの中継や縮小ジオラマなどで「臨場感」を演出し「やらせ」も交えて信用されやすくする… 分類表 一部の「ネット右翼」が批判しています…のように決まった単語・フレーズで事象を分類して極小化・極大化する…
撹乱 「第三極も含めて政党が乱立して訳が分かりません…」などと連日「情報ノイズ」で溢れさせ興味自体を失わせる… 癒着提案 TBS「安倍官房長官印象操作映像事件」のように「個別の事実」を「継ぎ接ぎ」して「誤った印象」を植え付ける… 匿名の権威 「信頼すべき消息筋によれば…」のように情報元を明かす必要がない事を逆手に取り記事の内容に権威を与える… 日常会話 お隣の「韓国」では…のように本来否定的な要素「韓国」を日常会話のように繰り返し心理的習熟効果で反応を麻痺させる…
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虚偽類似 「視聴率低迷は若者のテレビ離れのせい…」「CDが売れないのは違法ダウンロードのせい…」「紅白歌合戦に韓流スターが出演できないのは日本の右傾化のせい…」など都合の良い「原因と結果の因果関係」を作り出す… 事実確認 原発安全神話を作り出したのも公共事業にジャブジャブ税金をつぎ込んだのも自民党です…など…「一面的な事実」を先に述べ「事実確認」させ…自民党政権に逆もどりして良いんですか?…と未来を誤認・錯覚させる… 毒入りサンドウィッチ 「白川総裁が自民党の経済政策を批判」「安倍総裁の経済政策発言を市場が好感し円安に振れ株価は年初来の高値」「一方でハイパーインフレを懸念する声も」…のように序文と結論の否定的報道で肯定的な報道を挟み肯定的な報道の意義を低下させる… 砂糖入りサンドウィッチ 毒入りサンドウィッチの逆の手法…
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