第50回 橋下旋風に潜むリスク
source : 2012.01.11 森永卓郎の戦争と平和講座 (ボタンクリックで引用記事が開閉)
私がコメンテータとして出演している朝日放送の「キャスト」というニュース番組に、昨年12月28日、橋下徹大阪市長が中継で出演した。
関西圏のローカル番組なのだが、直後にユーチューブに映像がいくつもアップされたり、2ちゃんねるで採り上げられたりと、ネットの世界ではずいぶん話題になったので、ご存じの方も多いと思う。
「森永卓郎、橋下市長にフルボッコされる」、「この不勉強!森永手も足も出ず」、「笑ってごまかすしかない森永」などなど、そのほとんどが私の不勉強を非難し、橋下市長を絶賛する内容だった。
何があったのかを、簡単に書いておこう。最初に、大阪市役所の解体に賛成か反対かを、コメンテータ全員がフリップに書いた。私は×を書いた。×を書いたのは、私の他に同志社大学の浜矩子教授一人だけだった。
私は、×をつけた理由として、「橋下市長の政策自体は、正しいことが多いが、暴力的な政策の進め方には疑問がある。例えば、労働組合の事務所を役所から追い出すというのは、労働者の団結権や団体交渉権を認めた憲法に違反するのではないか。また、民営化推進というけれど、例えば市営バスはお年寄りの足になっているので、民営化で路線が斬り捨てられる可能性もある」という発言をした。
これに橋下市長が噛みついてきた。「森永さんは、現場の実態がまったく分かっていない。労働組合の活動だけしているのであれば、出て行けとは言いません。彼らは、仕事ではなく政治活動をしていたんです。そんなことをするのであれば、出て行くべきです。バス路線に関しても、福祉として残す必要があるということになれば残します。ただ、一体大阪市営バスにいくら補助金が注ぎ込まれていると思っているんですか」。
私は、「大阪市営地下鉄から数十億円、大阪市役所から数十億円くらいではないですか」と答えた。両者から補助金を入れているというのは、何かで読んだが、具体的な数字までは頭に残っていなかった。
そこで橋下市長がたたみかけてきた。「そんな数字じゃありません。数百億円ですよ。それを何とかしなくちゃいけないんです。改革のためには、暴力的にやらないといけないこともあるんです」。
私は、橋下市長から暴力的にやるんだという言葉を引き出せたので、それで十分だと思った。しかし、橋下市長はさらにたたみかけてきた。
「現場のことを分かってなくてコメントしてたら駄目なんです。森永さん、大阪の副市長のポストを用意しますから、自分でやってみてくださいよ」。
血の気の多い若い頃だったら、確実に「やってやろうじゃないか」と受けていたと思う。危うく橋下市長の部下になるところだった。
テレビやネットを見た人たちは、大いに盛り上がっていた。橋下市長が勉強不足のモリタクを木っ端みじんに打ち破ったのが痛快だというのが、大部分の論調だった。
テレビには時間の制約があるので、放送中は攻撃の対象にはならなかったが、放送終了後、橋下市長の攻撃の矛先は浜矩子教授に向かった。市長は、ツイッターで浜教授を徹底的に批判したのだ。ちなみに浜教授は、橋下市長のことを「サッチャー」と評していた。
私が、何が怖いのかというと、橋下市長の政治手法と、それへの国民の熱狂的支持だ。橋下市長の言うとおり暴力的にやらないと改革ができないというのは、ある程度事実だ。私も田中康夫氏が長野県知事だったときに、長野県の特別職報酬決定審議会の会長というのをやって、結局、猛烈に抵抗されて、報酬引き下げができなかった苦い経験がある。だから、難しいのは分かっていて、あえて言う。暴力と法律違反は、やはりいけないのだ。
橋下市長の言っていることは、8割方正しい。だが、正しいからこそ危険なのだ。ファシズムは大抵の場合、正しいところから始まるのであり、民衆の熱狂が育てていく。ファシズムを防止できるのは、多様な意見の存在だ。橋下市長の一番怖いところは、それを認めないことだ。いまや評論家のなかで橋下批判をする人はほとんどいなくなってしまった。当然だ。批判をすれば、市長本人から攻撃を受けるだけでなく、熱狂している8割の国民の反感も買う。よいことなど何もないのだ。
実は橋下市長にひれ伏したのは、コメンテータだけではない。橋下市長が表敬訪問した政治家たちは、どの党も大歓迎をした。選挙直前まで、あれだけ批判していたのに、橋下氏が大阪維新の会の国政進出をちらつかせただけで、完全に屈服してしまったのだ。大阪府内の大阪市以外の市長も軒並み大阪都構想賛成に回った。そして、驚くべきは大阪市の労組だ。組合員の政治活動をとがめる橋下市長に対して、何ら抵抗することなく、最敬礼で謝罪したのだ。
橋下市長は、今の日本には独裁が必要だという。確かに独裁の方が改革は進みやすい。しかし、それは、独裁者が政策を誤ったときに誰も止められないという危険と背中合わせだ。橋下市長は、大阪府知事時代に「君が代斉唱時に起立しない教職員を辞めさせる」と発言した。また政治家になってからは封印しているが、かつては、徴兵制度の復活や核兵器保有を肯定する発言もしていた。
誰かが常にきちんと批判していかないと、本当のファシズムにつながりかねない。だから、私は橋下市長に「バカコメンテータ」と呼ばれようとも、ずっと「反橋下」で行くことに決めた。
更新の時系列を追うと…
森永卓郎の焦燥感と悪辣さが読み取れます…
2011.09.28
第49回 原発とどう向き合うのか
2011.12.28
「キャスト」に橋下徹大阪市長が中継で出演
2012.01.11
第50回 橋下旋風に潜むリスク
3ヶ月半ぶりの更新が…「キャスト」を受けて…
しかも2週間かけて練りに練って…
( ̄ー ̄)邪笑
「労働者の団結権や団体交渉権を認めた憲法に違反するのではないか」
「する」と言い切らないのですね…悪辣です…
「暴力的にやるんだという言葉を引き出せたので、それで十分だと思った」
「暴力的にやらないと改革ができないというのは、ある程度事実」
「暴力と法律違反は、やはりいけないのだ」
オヤオヤ…
いつのまにやら…
「暴力的」が…
「暴力」に…
「憲法に違反するのではないか」が…
「法律違反」に…
言い換えられていますねぇ…
狡猾な印象操作です…
「8割方正しい」のなら…残りの2割を何故もっと指摘しない
それこそ…ポジションをなんとか維持したい…
負け犬の遠吠えですね…しかも…悪辣極まりない
そして…セットの「浜と言う紫頭のおはばん」(引用先の誤植ですね…)も…
まるで示し合わせたように…
「ほとんど子どもの悪口レベル」 「紫頭」浜氏が橋下市長に噛みつく
source : 2012.01.11 J-CASTニュース (ボタンクリックで引用記事が開閉)
大阪市の橋下徹市長が、ツイッターでの「戦線」を拡大させている。浜矩子・同志社大学大学院教授を「紫頭おばはん」呼ばわりして後に撤回する一方、浜氏は週刊誌上で、「(ツイートは)子どもの悪口レベル」と反撃。そんな中でも橋下氏は、矛先を向ける相手を次々に増やしているのだ。
橋下氏は2012年1月3日の書き込みで、自分がコメントする分野に関する専門知識や実務経験がないままコメントする大学教授を激しく批判している。
「議論と呼べるものではありません」
この時に橋下氏が矛先を向けたうちのひとりが浜氏で、「浜と言う紫頭のおはばん」とも揶揄した。容姿についての発言は後に撤回・謝罪しているが、「税金で養われてる大学教授としてのあなたたちのコメントには納得できません」と、対決姿勢を崩していない。
一方の浜氏も、1月11日発売の週刊文春1月19日号で、「ツイッターでの彼の発言はほとんど子どもの悪口レベルで、議論と呼べるものではありません」とバッサリ。「紫頭おばはん」発言については「紫頭は事実だから別にいい(笑)、それを悪口だと思っているとすればお子様的である」とかわしながらも、「どうも橋下氏には自分と意見を異にする者は寄せつけさえしないという姿勢が一貫しているようです」「外から、為政者とは違う視点、違う立場で疑問や問題を提起することが、エコノミストや学者、ジャーナリストの最も重要な役割なのです。それがなくなればバランスのある社会を維持していくころは出来ず、独裁や全体主義を招きやすくなる」と、橋下氏に反論している。
神戸女学院大の内田樹名誉教授も罵倒
橋下氏は1月11日未明にも、大学教授批判を連続投稿。新たに矛先を向けられたのは北海道大学大学院の中島岳志准教授と神戸女学院大の内田樹(たつる)名誉教授で、特に平松邦夫前市長を支持していた内田氏については、「まあ大阪維新の会の教育基本条例にもあーだーこーだと誰でも言える綺麗ごとの批判を繰り返し、教育論なんてぶち上げていたけど、じゃあ大阪の教育で何をした?平松前市長の特別顧問だった間に」と罵倒した。
一連のツイートに、「モノ申す」人も現れた。水道橋博士さんは、「内田樹教授は知の作法に於いて実に奥深いし、合気道という戦術を知っていますからね」と「参戦」。これに対して橋下氏が、「博士さんは内田氏を評価していますね。うーん、僕は博士さんを尊敬しているから複雑」「だって博士さん、内田氏は平松前市長の特別顧問だったのですが、何も実行していないのです」と、困惑する一幕もあった。
橋下氏は、「田原総一郎さん!!内田氏、山口氏、浜氏、中島氏、その他、僕のことを大嫌いな大学教授と直接討論させて下さい!!」と、テレビでの直接対決で決着を付けたい考え。田原氏も、ツイッターで「ぜひやりたいし、調整してます」と応じている。
意見を異にする者を寄せ付け…
何もしてこなかったのが今までの政治家ですね…
浜矩子が橋下徹 氏に反対しているのは解ったが…
何を提案したの
森永卓郎の記事に…
ちなみに浜教授は、橋下市長のことを「サッチャー」と評していた
…と…ありますが…
問題提起をしないで印象操作だけ
流石…◯左◯ロリスト養成大学大学院教授です…
公安は監視対象に加えましょう…
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