2015/11/19

【パリ同時多発テロ】ダライ・ラマ14世「信仰や国籍のわずかな表面的相違で問題をつくり出したのは人間だから神に祈っても問題は解決しない」「必要なのは人道的な価値を育む計画的なアプローチ」

Dalai Lama on Paris attacks: 'Work for peace, and don't expect help from
God and governments'

source : 2015.11.16 Deutsche Welle (ボタンクリックで引用記事が開閉)

 ダライラマ、パリ同時多発テロでコメント「神に祈っても問題は解決しない」

source : 2015.11.18 businessnewsline (ボタンクリックで引用記事が開閉)



先週末、フランスのパリで発生した同時多発テロは、各方面に大きな衝撃を与える状況となっているが、仏教の宗教指導者となるダライ・ラマ(Dalai Lama)がこの問題に対して、非常に現実的なコメントを行ったことが関心を集めている。

この発言は、ドイツ国営放送局のDeutsche Welleのインタビューに応じたものとなる。

一部を要約するとこうなる。

人々は平和を欲しているが、テロリストは近視眼的であり、それ故に彼らは自爆テロを行う。我々は、祈るだけではこの問題は解決できない。私は仏教徒であり、信仰を信じている。問題を作り出したのは人間なのにも関わらず、問題の解決を神に委ねることは論理的なこととは言えない。神ならばこういうかもしれない「問題を作り出したのは人間なのだから、自分たちで解決しなさい」と。

我々は、人間性と協調心を育て上げるためにシステマチックなアプローチを取る必要がある。今からこれらを始めるならば今世紀は前の世紀とは異なるものとなるだろう。それを始めるかどうかは、全ての人々、一人一人の考え方にかかっている。それを成すためには、神や政府に頼るのではなく家族や社会のなかから平和のために働くことを行うべきである。

この発言は、我々が考える宗教指導者の理想像とはかなり異なるものとるだろう。宗教指導者の発言というよりは、米国的なプラグマティズムによるアナリストのものの見方に近く、ダライ・ラマは、宗教指導者としてだけなく、一般論的なリーダーとしても卓越した見方を持っていることが判るかもしれない。


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