2015/10/27

日本人の8割が「ビジネスで韓国は必要ない」 日韓ビジネスマン6000人アンケートの衝撃

 source : 2015年10月31日号 週刊ダイヤモンド (クリックで引用記事開閉)




『週刊ダイヤモンド』10月31日号の第1特集は「ビジネスマン6000人に聞いた日韓 本当の大問題」です。11月1日には3年半ぶりとなる日韓首脳会談が予定されています。会談では日韓融和が強調されるでしょうが、実現するのはたやすいことではありません。というのも、この間、日韓関係は悲劇的なまでに冷え込んだからです。そこで本誌は日韓ビジネスマン6000人アンケートを軸にして、嫌韓報道からは絶対に見えない本当の日韓関係を探りました。

9月26日の昼時、東京・日比谷公園を見下ろすザ・ペニンシュラ東京の宴会場には、日韓両国のメディア関係者が集まっていた。

会場では、韓国紙の東京特派員や日本の全国紙の韓国特派員経験者らが、冷え切った日韓関係の改善策について議論を交わしていた。

会の主催者は駐日韓国企業連合会。両国メディアによって量産されている反日・嫌韓報道に歯止めをかけ、日韓関係の改善を促す狙いで催された。

連合会の会長は、韓国焼酎メーカー、眞露(ジンロ)の楊仁集社長。売り上げが日韓関係に大きく左右されるとあって、冷え切った現状を看過できなかったのだろう。「皆さま、これからは双方のポジティブな記事を書いていきましょう」。楊社長はあいさつの場でこう述べたという。

確かに近年、日韓関係は悪化の一途をたどり、反日・嫌韓報道は増殖し続けている。本誌が日韓ビジネスマン6000人を対象に行ったアンケートでは、「ビジネス上、韓国は必要な国ですか」の質問に対して、日本人の実に8割が「必要ない」と答えるなど衝撃的な結果が出た。政治・外交上の冷え込みと異なり、冷静な日韓関係を構築していると見られていたビジネス上でも、嫌韓意識が急台頭していることをうかがわせた。

また、アンケートでは両国のビジネスマンの7割以上が、メディアが日韓関係に悪影響を与えていると回答した。なぜこのような報道が急増したのか。その背景には、両国メディアが抱えている二つの問題が横たわっていた。

一つ目は、自国の世論に追従する大衆迎合主義だ。例えば、韓国メディアは対日報道において「反日」が〝定番化〟しているのが現状である。

慰安婦や竹島などの歴史・領土問題のみならず、日韓関係以外においても「親日的な報道は難しい」(韓国大手紙幹部)という。国民感情に反して日本に好意的な報道をすれば「国民から『親日派』のレッテルを貼られ不買運動が起こりかねない。誰も損をしたくない」(同)ため、世論に迎合した反日記事を掲載するのである。

特に、2011年の在韓日本大使館前への慰安婦像設置以降、両国政府によって、それまで棚上げされていた歴史・領土問題が蒸し返されるケースが増えた。

その結果、「韓国国内で、安倍政権への批判が強まり、日本たたきの報道が増えた」(韓国大手紙日本特派員経験者)という。

反日報道の増加は負の連鎖となって増幅されていく。

複数の韓国大手紙日本特派員経験者によると、韓国メディアの間では、「慰安婦像の設置以降、反日モノで他社に遅れると、自社だけニュースを落とした『特オチ』と見なされる空気が醸成された」という。

つまり、反日報道が〝スクープ化〟したのだ。こうして、反日ネタを探す傾向が強まり、紙面で日本批判の見出しが目立つようになったのである。

一方、日系メディアも嫌韓という一部の国民の世論に迎合する形で、嫌韓報道を繰り広げている。

これまで、嫌韓報道は日本のマスコミ界でタブー視されてきた。ところが、「李明博前大統領の竹島上陸や天皇謝罪要求を境にして、韓国政府の強硬な外交姿勢に国民がしびれを切らし、嫌韓モノが受けるようになった」(日系大手紙記者)ことで、日本側の嫌韓報道もエスカレートしていった。

■ウェブニュースの PV至上主義で 増幅する過剰報道

やがてこうした嫌韓記事は、オンラインでも支持を集めるようになり、日本のメディアにとって、やめられない〝麻薬〟となった。「嫌韓モノが金を稼げるコンテンツになりビジネス化した」(同)のである。

実際にメディア側は、こうした嫌韓コンテンツにすがらざるを得ない収益上の問題を抱えている。

インターネットの普及により、紙の販売部数が減少、新聞や雑誌等の既存メディアは、オンラインで稼ぐ必要に迫られて、編集サイドでも商業主義的な傾向を強めている。これは韓国メディアも同様で、両国メディアが抱える二つ目の問題である。

日韓のオンラインニュースでは、「有料課金モデル」が「日本経済新聞」など一部を除き、普及しておらず、ページビュー(PV)を集めるほど収益が上がる「広告モデル」に依存しているのが実情だ。

さらにインターネットにおいては、紙の世界で名を轟かせた大手紙も、名もなきウェブメディアと同じ土俵で戦うことになる。

そもそもウェブメディアは、過激な見出しで集客を増やす手法が定着しており、大手メディアも広告収入を得るため、それに追随し、PV至上主義に陥りやすい。そのため、「見出しや内容がセンセーショナルになってしまう」(韓国大手紙マーケティング担当者)のだ。

日本では、ヤフーが媒体の品質劣化を恐れ、国内最大のオンラインニュースサイトのヤフーニュースで嫌韓、嫌中ニュースを排除しだしている。

しかし、韓国では大手メディアがこぞってニュースを配信するオンラインニュース最大手のネイバー上で激しいPV争奪戦が繰り広げられている。その結果、「反日モノがPVを稼げる〝ドル箱コンテンツ〟として量産されている」と前出のマーケティング担当者は打ち明ける。

一方で、ウェブでの反日・嫌韓記事の配信は、オンライン特有の副作用をもたらす。

PVを稼ぐ記事は、いったんニュースサイトにアップされると次々に転載され、短時間で一気に増殖することで、世論をいたずらに煽ることになる。

オンラインニュースの台頭によるメディアの収益構造の変化が商業主義に拍車を掛け、反日・嫌韓報道を大量生産しているのだ。

もっとも、日韓関係悪化の最大の原因は両国の強硬な外交姿勢にある。しかし、メディアが、冷え込んだ両者の関係に警鐘を鳴らさず、大衆迎合主義と商業主義に走っては、関係改善どころか、反日・嫌韓感情の〝増幅装置〟と化すばかりである。

■日韓メディア初公開 本当の日韓関係と韓国経済

『週刊ダイヤモンド』10月31日号の第1特集は、「ビジネスマン6000人に聞いた日韓 本当の大問題」です。11月1日に予定される日韓首脳会談。二国間での正式な形での会談は2013年5月以来、3年半ぶりとなります。会談では日韓融和が強調されるだろうが、それを実現するのはたやすいことでありません。この間、日韓関係は悲劇的なまでに冷え込んでしまったからです。

韓国・ソウル南部の江南(カンナム)で特集取材を終えて、中心部へとタクシーで向かう道すがら、日本人相手の観光案内も手掛ける運転手の洪炳利さんが韓国訛りの日本語で愚痴り始めました。ちょうどソウル最大の繁華街、明洞(ミョンドン)を通り過ぎる辺りだったと思います。

「この辺は3年くらい前まで日本のおばちゃん通りだったよ。今、いないね。日本人のお客さん、8割減った。じぇんぶ嫌韓のせい」

嫌韓・反日はビジネスの世界にも浸食してきました。仕事上、付き合うことの少なくない両国ビジネスマンは、どう思っているのか。本誌では日韓ビジネスマン6000人に緊急アンケートを実施したところ、意外な本音が浮かび上がってきました。

どうして日韓は、〝断絶〟といえるほどまでに冷え込んでしまったのか。嫌韓報道からは絶対に見えてこない本当の日韓関係、そして中国景気の急減速のあおりを受けて混迷する韓国経済の深層を探りました。日韓メディア初公開の内容が満載なので、是非、ご一読ください。


0 件のコメント:

コメントを投稿